Trademark Appeal Case
結合商標の一体不可分性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90659(T2001−90659/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4480639号商標(以下「本件商標」という。)は、「マルチディスプレイステーション」の文字を横書きしてなり、平成12年6月6日に登録出願、第9類及び第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年6月8日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、商品の普通名称又は品質表示である「マルチディスプレイ」をその前段部に含むものであるから、これと関係のない商品について使用する時には商品の品質の誤認を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第16号に該当する。また、「マルチディスプレイ」に関連する商品に使用する時には、「STATION」と「ステイション」の文字とを二段に横書きしてなり、昭和43年12月27日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和46年7月7日に設定登録された登録第905030号商標(以下「引用商標1」という。)と類似するために商標法第4条第1項第11号の規定に違反したものである。さらに、登録異議申立人(以下「申立人」という。)に係る登録第4341986号商標「PlayStation」及び片仮名書きの商標「プレイステーション」(以下、これらをまとめて「引用商標2」という。)が「家庭用テレビゲームおもちゃ」について日本国内において周知・著名であることから、これを含む商標である本件商標は、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。したがって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、前記のとおり「マルチディスプレイステーション」の文字よりなるものであって、該文字は同じ書体で一体的に表されていて、これを例えば「マルチディスプレイ」と「ステーション」の各文字に分離して観察しなければならない格別の事由も見出し得ないものである。そして、たとえ構成中の「マルチディスプレイ」の文字部分がそれ自体では「複数表示部(複数のディスプレイ)」の意味合いを看取させるものであるとしても、かかる構成においては商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分のものと看取し認識されるとみるのが自然であると認められる。
してみれば、本件商標は、構成文字全体に相応して「マルチディスプレイステーション」の称呼のみを生じ、その文字構成からして特定の観念を生じない一種の造語よりなるものというべきである。
これに対し、引用商標1は、その構成よりして「ステイション」又は「ステーション」の称呼を生ずること明らかであるから、本件商標は、引用商標と、外観、観念においてはもとより、「マルチディスプレイステーション」と「ステイション(ステーション)」の称呼においても、構成音数、音構成を著しく異にする非類似のものといわなければならない。
(2)また、本件商標は、一体不可分の構成よりなるものであって、特定の観念を生じない一種の造語よりなるものと認識される以上、これをその指定商品に使用した場合、いずれの商品についても商品の品質について誤認を生ずるおそれはないものと認められる。
(3)申立人の提出に係る証拠によれば、申立人が使用する「PlayStation」「プレイステーション」の文字からなる各商標は、商品「家庭用テレビゲームおもちゃ」について広く認識されているものと認められる。しかしながら、前述のとおり、本件商標は、「マルチディスプレイステーション」の文字全体をもって一体不可分の構成よりなると認められるものであって、外観、称呼、観念のいずれにおいても引用商標2に類似する商標ではなく、他に両商標間に誤認、混同を生じさせる事由は見出し得ないものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者がその構成中の「プレイステーション」の文字部分を捉えて、これより引用商標2を連想、想起するものとは判断することができない。
そうとすれば、本件商標は、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
(4)以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第16号、同第11号及び同第15号の規定に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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