結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第31599号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2516194号商標(以下「本件商標」という。)は、「PLATINUM」の欧文字を書してなり、昭和63年1月20日登録出願、第1類「薬剤」を指定商品として、平成5年3月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、本件商標について登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、請求の理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第7号証を提出している。
(1)本件商標は、その指定商品「薬剤」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)乙第2号証乃至乙第15号証の証拠能力
(ア)乙第14号証及び乙第15号証の証拠能力に関して
乙第14号証の売上伝票の「年月日」の欄には「98/3/17」とあり、1998年3月17日を意味する表示であると考えられる。また、その売上伝票に係る対象商品名は、その「商品コード/品名」の欄の「プラチナ絹姫(PLATINUMkinuhime)15P¥3 0 0 0」の表示から「プラチナ絹姫(PLATINUMkinuhime)」であると考えられる。しかしながら、これらの年月日及び商品名は、以下に述べる事実と矛盾するものであり、真正な書類であるとは認められない。
請求人はここに甲第1号証として、被請求人のインターネット」のホームページから取り寄せた「消費者販売のご案内」と題されたページの写しを提出する。
同ページは、その右下に「99/04/20」と示されているように、1999年4月20日に取り寄せたものであり、上記乙第14号証に係る日付(1998年3月17日)より、約1年1ヶ月以上も後になる。なお、同ページは、被請求人である株式会社ハクキンの商品の消費者販売に関するインターネット上の案内ページである。
同「消費者販売のご案内」の「消費者販売価格表」には販売対象となる商品名が表示されているが、そのリストには、「絹姫 5P」及び「絹姫 15P」という商品表示は存在するが、乙第14号証の「プラチナ絹姫(PLATINUMkinuhime 15P¥3000」の表示に対応するような「プラチナ絹姫 15P」(又は「プラチナ絹姫(PLATINUMkinuhime) 15P」)の商品表示はどこにも存在しないものである。
仮に乙第14号証が真正のものであるとした場合、実際に販売されている商品名が、少なくとも約1年1ヶ月以上もの間、被請求人のインターネットのホームページ上で、それも消費者への直接販売に係る案内のページにおいて表示されていないのは極めて不自然である。また、仮に甲第1号証の商品リストにおける「絹姫」が、その後「プラチナ絹姫」にその商品名が変更になったものであるとしても、少なくとも約1年1ヶ月以上もの間、インターネットのホームページ上の消費者への直接販売に係るページにおいて、「絹姫」の表示が「プラチナ絹姫」に訂正されずにそのままになっているのは極めて不自然である。
また、一般に乙第14号証のような売上伝票はコンピュータ上で管理されており、その年月日も自動的にその日の年月日が表示されるのが普通であり、乙第14号証における年月日が打ち間違えであるとは通常考えられない。 さらに、乙第14号証及び乙第15号証の信憑性に関し以下の事実を指摘する。
乙第14号証及び乙第15号証ともに、その右下に「業際統一伝票」と表示されており、その伝票の書式自体が製作されたのは、左下に「99.10」と示されていることから、1999年10月と考えられる。しかるに同伝票の書式が被請求人によって購入されたのは1999年10月以降のはずである。しかしながら、乙第14号証及び乙第15号証に係る売上伝票の作成年月日は、それぞれ1998年3月17日及び1999年6月24日となっており、それら売上伝票作成の日付が伝票の書式自体が製作された時期より以前であるということは、常識的に考えてありえないことである。
また、乙第14号証及び乙第15号証に係る伝票には、発注社側の会計管理上不可欠と考えられる「発注番号」をはじめ、その他の多くの記入されるべき項目が空白になっており、実際に発行された伝票としての信憑性に欠けるものであると言わざるを得ない。特に、相手方が伝票を特定するための番号である「発注番号」が抜けているのは、通常の企業間商品取引ではまず考えられないことである。
以上の事実より、乙第14号証及び乙第15号証の伝票の記載事項は著しく信憑性を欠くものであり、本件商標の使用の証拠としてその証拠能力に欠けるものである。
(イ)乙第12号証及び乙第13号証の証拠能力について
乙第12号証に係る納品書は、「伝票No.」の部分が空白であり、また、乙第13号証に係る納品書は市販の納品書に「日本セロンパック株式会社」名の住所入りゴム印が押されているだけのものであり、いずれも本件商標の使用証拠としての客観的信憑性に乏しいものである。
(3)乙第11号証(及び乙第7号証ないし乙第10号証)の証拠能力について
まず、乙第11号証のチラシの裏側(並びに乙第8号証及び乙第9号証の商品写真)の販売名の欄には、被講求人が主張している「プラチナ絹姫」ではなく「まゆ姫」なる商品名がはっきりと印刷されており、実際に流通販売されているチラシ及び商品の包装用袋に、その商品名と違う販売名が印刷されたまま使用されているというのは極めて不自然である。
また、乙第11号証(並びに乙第8号証及び乙第9号証)に係るチラシ及び商品の包装用袋には、厚生省の製造承認を必要とする「医薬部外品」の表示が印刷されているが、被請求人が主張する「プラチナ絹姫」なる商品名が医薬部外品として厚生省の製造承認を得ているという客観的証拠は一切示されておらず、それらチラシ及び商品の包装用袋に印刷されている販売名が、上述のように「まゆ姫」となっている点と相俟って、乙第11号証(並びに乙第8号証及び乙第9号証)は著しく証拠書類としての信憑性に欠けるものであるといわざるを得ない。
さらに、乙第11号証のチラシには「プラチナ感覚入浴剤」や「プラチナ感覚のバスタイム」など「プラチナ感覚」なる意味不明の表現が使用されているが、何がどう「プラチナ感覚」なのか、同チラシのどこにも一切言及されていない。「プラチナ」とは銀白色の固体金属である白金のことであり(甲第2号証)、上記フレーズにおける「プラチナ感覚」という表現は何ら意味をなさないものである。
「プラチナ感覚」という表現は、「絹姫」に付されている「プラチナ」という語が、入浴剤の商品名との関係で何ら不自然な語ではないことを強調するために考え出されたものであると思料されるが、上述のように同表現はそれ自体意味不明の表現であり、その商品である入浴剤の需要者にとっても非常に不自然に感じられる表現である。このようにそれ自体意味不明で不自然な 「プラチナ感覚」なる表現を使用してまで、「プラチナ」の話と入浴剤との関係が不自然ではないことを強調していること自体が、逆に不自然であるといわざるを得ない。
また、請求人が1999年4月20日に被請求人のインターネット上のホームページから取り寄せた「消費者販売のご案内」と題されたページには、上述のように、「絹姫」という名の商品は存在していても「プラチナ絹姫」という名の商品は存在しておらず、仮に「絹姫」の商品名がその後「プラチナ絹姫」に変更されたものであったとしても、それ自体意味不明で不自然な「プラチナ感覚」なる表現をチラシ等で使用してまで、「絹姫」に付された「プラチナ」という語が入浴剤の商品名として何ら不自然な語ではないことを強調しているのは、やはり不自然であるといわざるを得ない。
上述の「プラチナ感覚」という表現は乙第7号証乃至乙第10号証に係る写真に見られるように商品の包装用化粧箱・フィルムにも記されている。
(ア)なお、被請求人が答弁書で「尚、入浴剤『プラチナ絹姫』)PLATINUMkinuhime)』の年間販売量は約300個である。」と述べているが,その販売時期及び数量を客観的に証明する書類が一切提出されていない。
(イ)以上により、被請求人が提出している乙第7号証乃至乙第15号証は全て、本件商標の使用を証明する書類としては、著しくその客観的信憑性に欠けるものであり、また、乙第2号証乃至乙第6号証に関しても,それらは乙第7号証乃至乙10号証と同一の商品の化粧箱・フィルムの写真であることから、同じく本件商標の使用を証明する書類としては、著しくその客観的信憑性に欠けるものである。
従って、被請求人が本件商標の使用を証明するために平成12年6月7日付けで提出している書類(乙第2号証乃至乙第15号証)は、いずれも本件商標の使用を証明する証拠としての証拠能力をもたないものである。
なお、請求人は、被請求人がその権利者である商標登録第3220993号(商標名:「プラチナ」)に対しても、平成11年11月30日付けで不便用取消審判を請求しているが(甲第3号証)、同審判においても、乙第2号証乃至乙第13号証に関しては同一のものが、乙第14号証及び乙第15号証に関しては同種のものが、平成12年6月2日付けで被請求人より提出された答弁書に添付されている(甲第4号証)。
(4)上述のように乙第2号証乃至乙第13号証は、いずれも本件商標の使用を証明する証拠としての証拠能力をもたないものであるが、仮にそれらが真正なものであるとしても、乙第2号証乃至乙第13号証は、以下に述べる理由により、社会通念上登録商標「PLATINUM」の使用を証明するものであるとは認められない。
まず、乙第2号証乃至乙第11号証に係る商品の化粧箱・フィルム・チラシには、やや草書風に書された「絹姫」の文字が一際大きく描かれており、その「絹姫」の表示の横に小さく片仮名で「プラチナ」の文字が標準的な自体で描かれている。
従って、同商品の需要者・取引者は、その大きく描かれた「絹姫」の部分を同商品の商品名表示の要部であると捉え、同商品を「絹姫」と称呼するものと考えられる。百歩護って「プラチナ」の部分を含めて同商品を称呼するとしても、その要部である「絹姫」の部分を含めた「プラチナ絹姫」と称呼されると考えられ、決して「絹姫」の横に小さく書された「プラチナ」の部分のみでもって同商品を称呼するとは上述の構成上考えられない。
一方、「PLATINUM」の文字は、確かに乙第2号証乃至乙第11号証(乙第7号証及び第8号証を除く。)に係る商品の化粧箱・フィルム・チラシに描かれいるが、上述のように同商品の商品名を表示する部分は「絹姫」(又は,百歩譲って「プラチナ絹姫」)と考えられ、同商品の需要者・取引者が、それら「絹姫」(又は、百歩譲って「プラチナ絹姫」)の部分と特に一体的に描かれているわけでもない「PLATINUM」の部分を同商品の商品名であると捉えて、同商品を「プラチナム」と称呼するとは考えられない。
なお、乙第7号証及び乙第8号証に係る写真にいたっては、それら写真に写っている化粧箱のどこにも「PLATINUM」の表示は見うけられず、乙第7号証及び乙第8号証は、何ら「PLATINUM」の使用を示すものではない。
従って、乙第2号証乃至乙第11号証は、社会通念上、「絹姫」(又は、百歩譲って「プラチナ絹姫」)の使用を示すものではあっても、決して「PLATINUM」の使用を示すものではない。
また、乙第12号証及び乙第13号証に係る納品書のどこにも「PLATINUM」の表示は見うけられず、乙第12号証及び乙第13号証も、何ら「PLATINUM」の使用を示すものではない。
(5)さらに、乙第2号証ないし乙第11号証のいずれも、本件商標の使用を証明する証拠としての証拠能力をもたないものであることは上述のとおりであるが、それらが仮に真正なものであるとしても、以下に述べる理由により、本件商標がその指定商品「第5類 薬剤」に使用されていることを証明するものではない。
乙第2号証ないし乙第11号証係る商品は入浴剤であるが、甲第5号証に示すように、特許庁ホームページ上の「商品・役務名リスト」において、薬剤に属さない「入浴剤」は第3類の商品として取り扱われている。従って、被請求人は本件商標が使用されている商品が薬剤に属する入浴剤であることを証明する必要がある。
しかしながら、乙第11号証(並びに乙第8号制及び乙第9号証)のチラシ及び商品の包装用袋に記されている「医薬部外品」の表示に関しては、上述のように、何ら厚生省の製造承認を得ているという客観的証拠が一切示されていない。
また、仮に乙第11号証(並びに乙第8号証及び乙第9号証)に係る商品が医薬部外品として厚生省の製造承認を得ているものであったとしても、甲第6号証に示すように、「商品及び役務区分解説」(社団法人 発明協会 発行)によれば、第5類の「薬剤」に含まれるものは、薬事法にいう「医薬部外品」の一部であり、”医薬部外品”であっても、その使用目的において身体を清潔にし、美化し、魅力を増す等の用途に使用されるもの、例えば、”薬用化粧品”は、第3類3化粧品に含まれる。」とある。従って、「医薬部外品」に属する「入浴剤」であっても、その目的が美容目的であれば、特許庁の商品区分上第3類「化粧品」の範疇に含まれる商品ということになる。
請求人は甲第7号証として、被請求人のインターネットのホームページの会社概要の中の年表のページの写しを提出する。そこでは.乙第2号証ないし乙第11号証に対応する商品であると考えられる「絹姫シリーズ」は「美容入浴剤」と紹介されている。従って、同商品は仮に厚生省の製造承認を得ている医薬部外品であっても、「第5類 薬剤」ではなく、「第3類 化粧品」に分類される性質の商品である。
被請求人は、結論掲記の審決を求め、請求の理由に対する答弁を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第15号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)乙第1〜15号証に示す通り、本件商標については被請求人である商標権者自身が「薬剤」について継続して使用しているものであり、よって、本件商標は商標法第50条第1項の規定によりその登録を取り消されるものではない。
(2)被請求人「株式会社ハクキン」は、懐炉の製造及び販売を主たる業務とする企業(旧社名「ハクキンカイロ株式会社」)であるが、それと並行して清涼飲料や入浴剤等も取り扱っている。
そして、本件審判請求に係る商標「PLATINUM」は、商標登録がされた後現在に至るまで、被請求人が継続して「(薬剤に属する)入浴剤」に使用しているものである。
(3)被請求人は乙第2〜15号証を提出し、過去3年以内で本件審判の予告登録日(平成11年12月22日)以前から本件商標「PLATINUM」を付した商品(入浴剤)を、商標権者が販売していた事実を証する。
乙第2〜15号証は以下の通りである。
(ア)乙第2〜10号証(本件商標 PLATINUM」を使用している商品の写真)
商標「PLATINUM」を使用している薬剤に属する入浴剤「プラチナ絹姫」の写真であり、商標権者である「株式会社ハクキン」自身が販売しているものである。
(イ)乙第11号証(「プラチナ絹姫」のチラシ)
乙第2〜10号証写真の入浴剤「プラチナ絹姫」のチラシであり、左上部及び右側やや下方に本件商標「PLATINUM」の文字が明瞭に印刷されている。
(ウ)乙第12号証(チラシの「納品書」)
(エ)乙第13号証(商品の化粧箱・フィルムの納品書)
乙第12号証は、上記乙第11号証チラシの納品書であり、乙第13号証は、上記乙第2〜10号証写真の商品の化粧箱・フィルムの納品書である。
そして、それらの日付から見ても明らかな通り、チラシは平成11年7月に印刷されたものであり、又、化粧箱・フィルムは平成11年5月に被請求人に納品されていたことが理解されるものである。
即ち、本件審判の予告登録日(平成11年12月22日)以前に、乙第11号証のチラシは既に顧客に配付されていたこと、及び乙第2〜10号証写真の入浴剤も既に製品化されていたことが証されるものであるo
(オ)乙第14及び15号証(売上伝票)
乙第14及び15号証は、乙第2〜10号証写真の入浴剤「プラチナ絹姫(PLATINUMkinuhime)」の売上伝票写しである。
そして、これらの日付<平成10(1998)年3月17日、平成11(1999)年6月24日から見ても明らかな通り、本件審判の予告登録日(平成11年12月22日)以前で過去3年以内に、入浴剤「プラチナ絹姫(PLATINUMkinuhime)」が実際に販売されていた事実も証されるものである。
尚、入浴剤「プラチナ絹姫)PLATINUMkinuhime)」の年間販売量は約300個である。
被請求人の提出の乙第11号証のプラチナ絹姫のパンフレットによれば、該パンフレットの表紙の上部に、「PLATINUM」の記載及び同下部に「薬用入浴剤」の記載があり、また、裏表紙には、「販売元 株式会社ハクキン」の記載がそれぞれ認められる。
また、乙第12号証の納品書によれば、「伝票日付」の項に「11年7月16日」の記載が認められる。
してみれば、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標を「「薬剤」の「外皮用薬剤」の範疇に属する「入浴剤」に使用しているものと認め得るものである。
したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人により、その取消請求に係る指定商品について使用されていたものと認められるものであるから、その登録を商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
なお、請求人は、「医薬部外品」に属する「入浴剤」であっても、その用途が美容目的であれば、商品区分第3類「化粧品」の範疇に含まれる商品である旨主張しているが、該商品は、「冷え性、疲労回復、肩のこり、腰痛、神経痛、リウマチ、しっしん、あせも」等の効能が記載されていることからして、薬剤に属する「外皮用薬剤」に属する商品と認められるものであり、また、請求人は、乙第14号証及び同第15号証の伝票の製作日は、「99年10月」に作成されたものと主張しているが、乙第11号証のパンフレット及び乙第12号証の納品書より、上記のとおり判断し得るものであり、本件商標の使用についての判断に影響を与えるものでないから、この点に関する主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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