結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−30035(T2000−30035/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3065555号商標(以下「本件商標」という。)は、「ゴルフマガジン」の片仮名文字を横書きしてなり、平成4年8月26日登録出願、第16類「雑誌」を指定商品として、平成7年8月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「商標法第50条の規定により本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審判を求め、請求の理由及び答弁に対する弁駁の理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出している。
(1)請求人は、アメリカ合衆国ニューヨーク州 10016 ニューヨークパークアベニュー 2 において、新聞・雑誌等の出版業を経営する世界的に有名な会社であり、本件と関連のある「GOLFMAGAZINE」の商標を付したゴルフ関連の雑誌(甲第2号証)を、アメリカ合衆国の国内は勿論,オーストラリア国,カナダ国,香港,台湾など海外においても多数販売している。
そして、上記「GOLFMAGAZINE」商標は、 国際分類第16類についてすでに各国で多数取得している(甲第3号証)。
さらに、請求人は、平成10年12月17日付にて、商標「GOLFMAGAZINE」第16類を出願(商願平10ー107482号)し、現在審査中であり、この出願に対し平成11年8月30日(起案日),平成11年9月10日(発送日)の拒絶理由通知がなされており、引用例として本件商標が引用されており、本件取消し審判を行うについて重大な利害関係を有している。
(2)本件商標が現在指定商品である「雑誌」について、本件商標「ゴルフマガジン」を継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が使用しているかどうかについて、株式会社トーハン発行の1996年〜1999年版「雑誌のもくろく」(甲第4号証)について、調査したところ、本件商標「ゴルフマガジン」を付した雑誌が販売されている事実がなく、また、商標登録原簿(甲第5号証)を見ても専用使用権,通常使用権の設定をしておらず、上記使用者による使用も認められない。
よって、本件商標は、商標法第50条の規定により取消しされるべきである。
(3)被請求人の提出に係る乙第1号証乃至乙第6号証は本件商標を大きく変更しており、到底、同一又は類似の商標の正しい使用例とは思われない。
仮にこれが正しい商標の使用と認めたところで、当初の商標権利者、池田郁雄氏により正しく使用されたものでない。
本件商標は、株式会社ベースボール・マガジン社により、その発行する雑誌に使用されたものであり、故池田郁雄氏は乙第1号証乃至同第6号証の雑誌の単に編集発行人という地位にあったのである。そして、使用は、法人である株式会社ベースボール・マガジン社により発行されたところの雑誌に使用されたものである。
正しい商標の使用を主張するならば、少なくとも個人である池田郁雄氏と法人である株式会社ベースボール・マガジン社との間に商標の使用契約が商標登録原簿に登録されている必要がある。第三者に対し、正しい商標の使用の事実を主張できない。
最近、被請求人の権利の移転があったという審判手続き続行の通知があったが、これは取りも直さず、故池田郁雄氏から最近になって株式会社ベースボール・マガジン社により権利が移転したことを意味しており、株式会社ベースボール・マガジン社は、本件審判請求の日前3年間使用したという事実を援用できない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、請求に対する答弁の理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証を提出している。
(1)本件審判の請求時に、既に本件商標の原権利者池田郁雄は死亡していたため、本件商標に係る商標権の相続人である池田裕子への本件商標に係る商標権の移転登録手続を行ったため、本答弁書は池田裕子を被請求人として提出する。
(2)原権利者池田郁雄は本件商標を、本件取消商品について、審判請求の登録前3年間に日本国内において使用しているので、その使用事実についての一部であるが以下に提示する。
乙第1号証乃至乙第6号証は、原権利者池田郁雄が、平成9年5月1日以降、平成9年9月8日に至るまで、自ら代表取締役を務める株式会社ベースボールマガジン社を通じて発行していた雑誌「ゴルフマガジン」の写しである。
乙第1号証(平成9年(1997年)5月1日発行の「ゴルフマガジン」)の表紙の右上において、本件商標「ゴルフマガジン」が使用されている。当該商標の右端には、商標登録表示が付されており、当該商標の使用が、本件商標の使用との認識で行われたものであることは明らかである。そして、当該商標の使用は、商標法第50条第1項に規定されている登録商標の使用と認められるべきものである。
また、裏表紙には、「編集兼発行人」として本件商標の原権利者「池田郁雄」の名前が記載されている。
乙第2号証(平成9年(1997年)5月26日発行の「ゴルフマガジン」)、乙第3号証(平成9年(1997年)6月9日発行の「ゴルフマガジン」、乙第4号証(平成9年(1997年) 7月14日発行の「ゴルフマガジン」、乙第5号証(平成9年(1997年)8月11日発行の「ゴルフマガジン」、乙第6号証(平成9年(1997年)9月8日発行の「ゴルフマガジン」)によれば、雑誌の表紙の右上においても、商標登録表示が付されてはいないものの、乙第1号証と同様に商標「ゴルフマガジン」が使用されており、これら商標の使用も、商標法にいう登録商標の使用である。
また、乙第2号証、乙第3号証、乙第4号証、乙第5号証及び乙第6号証の裏表紙には、それらの全てに「編集兼発行人」として本件商標の原権利者「池田郁雄」の名前が記載されている。そして、乙第2号証の裏表紙には雑誌コード「22954一5/26」、乙第3号証の裏表紙には雑誌コード「22952‐6/9」、乙第4号証の裏表紙には雑誌コード「22952一7/14」、乙第5号証の裏表紙には雑誌コード「22952一8/11」、乙第6号証の裏表紙には雑誌コード「22952一9/8」がそれぞれ記載されている。
周知の通り、雑誌コードは、裏表紙に書かれている「雑誌」に続く5桁の数字と号数を表わす数字で出来ており、本件の場合、1桁目の「2」は ”隔週刊誌”であることを示し、5桁目が「1」のものが基本コードとなっている。後に乙第7号証に示す雑誌目録刊行会発行の「雑誌のもくろく 1997年版」には、この基本コードが記載されることとなるため、「GOLFMagazin e(ゴルフマガジン)」の誌名コードは「22951」となっている。ところで、雑誌コードの5桁目の数字は、発行週を表わしており、基本コードである1が第1週発売で、2、3、4、5と各週を示している。したがって、例えば、雑誌コード「22954‐5/26」は、誌名コード「22951」の雑誌で5月第4週の5月26日に発行されたもの、雑誌コード「22952ー6/9」は、誌名コード「22951」の雑誌で6月第2週の6月9日に発行されたものであることを示すことになる。
乙第7号証(雑誌目録刊行会発行の『雑誌のもくろく 1997年版』)の47頁には、「誌名コード22951」に該当する「誌名」及び「出版者名」が、それぞれ「GOLF Magazine(ゴルフマガジン)」及び「べースボール・マガジン社」 である旨記載されている。また、”この目録をご利用の皆様へ”の頁には、「この雑誌のもくろくは、1997年3月末日現在、全国の書店で販売されている雑誌約3,200誌を収録しております。」と記載されている。尚、この「雑誌のもくろく 1997年版」の発行日は1997年5月20日であった(乙第7号証)が、その発行前に、1997年5月12日より雑誌「ゴルフマガジン」が月刊誌から隔週刊誌へと変更となることが決定していたため、”1997年3月末日現在”では未だ月刊誌であった(乙第8号証及び乙第9号証)が、あらかじめ「誌名コード22951」とされて発行されたものである。
このことから、乙第7号証は、乙第1号証ないし乙第6号証と相俟って、乙第1号証乃至乙第6号証が実際に発行されていたことの裏付けとなるものであり、本件商標の本件審判請求の登録前3年間における使用を示すものである。
乙第8号証(平成9年(1997年)3月1日発行の「ゴルフマガジン」)、乙第9号証(平成9年(1997年)4月1日発行の「ゴルフマガジン」)のそれぞれの表紙の右上において、乙第1号証と同様に本件商標「ゴルフマガジン」が使用されている。当該商標の右端には、商標登録表示が付されており、当該商標の使用が、本件商標の使用との認識で行われたものであることは明らかである。そして、当該商標の使用は、商標法の登録商標の使用と認められるべきものである。
また、それぞれの裏表紙には、「編集兼発行人」として本件商標の原権利者「池田郁雄」 の名前が記載されている。
以上に挙げた証拠は、本件商標の審判請求の日前3年間の日本国内における使用を充分に裏付けるものである。
ところで、請求人は、請求の理由において、”1996〜1999年版「雑誌のもくろく」(甲第4号証)について、調査した”旨述べているが、甲第4号証として提出されているのは、「雑誌のもくろく1999年版」であり、そこに収録されているのは、「1999年1月末日現在、全国の書店で販売されている雑誌約3,300誌」(甲4号証16頁)であるととともに、1952年(昭和27年)6月1日創刊(乙第1号証)以来49年間にわたり定期的に発行されてきている雑誌「ゴルフマガジン」に使用されてきた本件商標には、多大なる業務上の信用が化体し、既に周知・著名性を獲得していると認められるべきものである。
(3)以上のとおり、本件商標が、その指定商品「ゴルフに関する事項を内容とする雑誌」に、本件審判の請求の登録の日前3年間に原権利者池田郁雄が日本国内において使用していたことは明らかである。
(1)商標法第50条第1項に規定する「継続して三年以上」とは、商標権の移転の存在の有無にかかわらず、前の商標権者、現在の商標権者を通しての期間をいうものと解するのが相当であり、同第2項の規定により、第1項の審判の請求があった場合は、前の商標権者、現在の商標権者にかかわらず、審判請求の登録前3年以内に、当該登録商標をその請求に係る指定商品を使用していないときは、その商品の商標登録の取消を免れないといわなければならない。そして、同第1項を含めて、不使用取消審判制度は、不使用商標の商標登録を取り消そうとする趣旨であって、同項の「商標権者」を「不使用取消審判が請求された時点の商標権者」ないしは「現在の商標権者」と限定して解さなければならない理由はない。
(2)そこで、上記見地に立って、被請求人(商標権者)が、本件商標を、本件審判の請求登録前3年以内に請求に係る指定商品について使用していたか否かについて判断する。
被請求人(商標権者)の提出の乙第5号証によれば、表紙の上部に「ゴルフマガジン」「平成9年8月11日発行(毎月2回/第2第4月曜日発行」「●ベースボール・マガジン社」の記載がそれぞれされ、また、裏表紙には、「平成9年8月11日発行(毎月2回/第2・第4月曜日発行)」「発行所●〒101 東京都千代田区三崎町3ー10ー10 (株)ベースボール・マガジン社」「編集兼発行人●池田郁雄」と記載がそれぞれされているものである。
同じく、乙第6号証によれば、表紙の上部に「ゴルフマガジン」「平成9年9月8日発行(毎月2回/第2第4月曜日発行」「●ベースボール・マガジン社」の記載がそれぞれされ、また、裏表紙には、「平成9年9月8日発行(毎月2回/第2・第4月曜日発行)」「発行所●〒101 東京都千代田区三崎町3ー10ー10 (株)ベースボール・マガジン社」「編集兼発行人●池田郁雄」と記載がそれぞれされているものである。
(3)してみれば、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標「ゴルフマガジン」を「雑誌」について使用しているものと認め得るものである。
したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人(商標権者)により、その取消請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標を使用していたものであるから、その登録を商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
(4)以上のとおり、本件審判の請求は理由がないから成り立たないものとし、審判費用の負担については、商標法第56条第1項、特許法第169条第2項、民事訴訟法第61条の規定により、請求人の負担とすべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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