結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年異議第90305号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4068395号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙に示すとおり、「Ti」及び「W」の各文字をハイフン(「−」)を介して「Ti−W」と表してなり、平成8年3月15日登録出願、第28類「運動用具」を指定商品として、同9年10月9日に設定の登録がされたものである。
登録異議の申立があった結果、本件商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、その登録を取り消す旨商標権者に対して通知した取消理由は、要旨つぎのとおりである。
<取消理由通知>
本件商標は、「Ti」と「W」の各欧文字をハイフンにて結合した「Ti−W」よりなるところ、一般に「Ti」の文字からは、チタン(Titan)の元素記号として容易に理解されるものであり、かつ、ゴルフ用具を取り扱うこの種業界においては、「チタニウム(titanium)」、「チタン(Titan)」を[ゴルフクラブのヘッド」の原材料に使用していることが知られるところであって、これらチタン製のクラブヘッドを「Ti」と表示して普通に使用している事実がある。また、「W」の文字部分は、「ウッドクラブ(WOOD club)」を意味するものとして普通に使用している事実も認められる。しかして、これらの文字をハイフンで結合してなるにすぎない本件商標をその指定商品中の「ウッドクラブ」について使用しても、これに接する取引者・需要者は「チタン製ウッドクラブ」であることを容易に理解、認識するに止まり、単に商品の原材料、品質を普通に用いられる方法で表してなるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものというべきである。
したがって、本件商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、また、前記商品以外の商品について使用した場合には、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあり、同法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ないから、本件商標の登録は前記各法条に違反してされたものとして取り消すべきものである。
上記2の取消理由通知に対し、商標権者は、過去の審決例を挙げ、つぎのように意見を述べている。
(1)チタン製のクラブヘッドを「Ti」と表示している事実があるとする点については、不知であり、これを否認する。因みに、この種業界において製造、販売されている各種ゴルフクラブ、カタログ類又は関連雑誌、書籍等をみるに、チタン製のクラブヘッドを用いたゴルフクラブを「チタンゴルフクラブ」、「チタンウッドクラブ」あるいは「チタンアイアンクラブ」のように称している事実はあっても、チタン製のクラブヘッドを「Ti」と表示している事実は認められない。
(2)「W」の文字部分は「ウッドクラブ(WOOD club)」を意味するものとして普通に使用している事実があるとする点については不知であり、これを否認する。「ウッドクラブ」は、「1番ウッド」を「IW」、「3番ウッド」を「3W」、「4番ウッド」を「4W」のように称している事実はあっても、「ウッドクラブ(WOOD club)」を称して、単に、「W」と表示することはない。
(3)以上述べた如く、チタン製のクラブヘッドを「Ti」と表示している事実がなく、また、「W」の文字部分は「ウッドクラブ(WOOD club)」を意味するものとして普通に使用している事実がない以上、本件商標をその指定商品について使用しても、その品質を表示するものでなく、自他商品の区別標識として充分に機能するものである。
(4)前述の如く、本件商標は特定の意味、内容を想起し得るものでなく、また、商品の品質表示として使用されている事実もない以上、前述の商品以外の商品に使用しても、何ら品質の誤認を生じさせるおそれはない。
(5)以上の点よりして、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当せず、また、同法第4条第1項第16号に該当しないものと思料する。
本件商標は、その構成別紙に示すとおり、「Ti−W」と表してなり、第28類「運動用具」を指定商品とするものである。
しかして、本件商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号違反を理由とする先の取消理由は、指定商品中のゴルフクラブについてなお該当するものといわざるを得ないから、本件商標がこれら法条の規定に該当しない旨述べる商標権者の意見は、以下の理由よりして、採用することができない。
(1)本件登録異議の申立において、申立人が提出した甲第2号証(株式会社ユニバーサルゴルフ社発行「1997年版ゴルフ用品総合カタログ」写し)によれば、ゴルフ用具を取り扱うこの種商品の取引者間において、チタン製のクラブヘッドを「Ti」と表示し、また、「W」の文字を「ウッドクラブ(WOOD club)」を指称していることが認められ、先に示した取消理由はこの点を認定したものであるから、同書証の存在を無視し、又はその証拠力等に関し何ら言及することなく、取消理由が業界の実情に適合しない旨述べる商標権者の主張は採用することができない。
(2)前記(1)の取引事情を考慮するに、本件商標は、ゴルフ用具を取り扱う事業者であれば、チタン製のクラブヘッドを用いたゴルフクラブないしはウッドクラブを取引過程、流通過程に置く場合に、何人も表示を必要とし、又はその使用を欲するものといえるから、かかるものを特定の者の独占的使用に委ねることは、需要者の利益保護又は商標本来の保護目的に照らし、適切なものとはいい難い。
(3)上記(1)、(2)に述べたとおり、本件商標は、これをその指定商品中の「ウッドクラブ」について使用しても、自他商品の識別標識として機能するものとはいい難く、ほかに、本件商標が登録要件を有するものとする証左は見出せない。
そして、本件商標は、これを前記ゴルフクラブ以外のゴルフクラブについて使用するときは、その品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
以上の(1)乃至(3)に示すとおり、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、指定商品中「ゴルフクラブ」についての登録を取り消すべきものとし、本件登録異議の申立に係るその余の指定商品については、取り消す理由がないものと判断し、同法第43条の3第4項の規定により、登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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