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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の成否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第30946号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3152250号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3152250号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ワールドカップチャンピオン」の片仮名文字と「WORLD CUP CHAMPION」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成5年7月12日に登録出願、第28類「遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲ―ム,チェス用具,チェッカ―用具,手品用具,ドミノ用具,マ―ジャン用具,ビリヤ―ド用具,サッカ―を題材とするゲ―ムおもちゃ,その他のおもちゃ,人形,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,スキ―ワックス,釣り具」を指定商品として、同8年5月31日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

(1)請求の趣旨

結論同旨。

(2)請求の理由

請求人において調査したが、本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれにも使用した事実が存在しないから、その登録は、商標法50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。

(3)弁駁

被請求人は、証拠方法として、乙第1号証ないし同第5号証を提出しているので、これらについて以下検討する。

乙第1号証は、被請求人が発行した商品カタログであるが、平成7年以降被請求人は、本件商品の出荷をしていないと述べていることから、平成6年3月2日以降本件商品カタログを作成しなかった、というのが実情である。

乙第2号証は、平成6年3月1日付け大進印刷株式会社の作業指示書であるが、これは、平成6年3月1日にチラシの印刷を指示したという事実を証明するものであり、かかる証拠方法をもっては、本件商標が審判請求の登録前3年以内に日本国において本件商品に使用されていたものとは到底いえない。

乙第3号証は、平成11年11月26日付けで藤田特許法律事務所内の馬淵健氏が撮影した商品の写真であるが、本件商標の不使用取消を逃れる目的をもって、単に本件商品を撮影したにすぎず、かかる証拠方法をもっては、本件商標が審判請求の登録前3年以内に日本国において本件商品に使用されていたものとは到底いえない。

乙第4号証は、平成12年1月31日付け株式会社西野商店の証明書であるが、本件商品の購入日及び個数が、それぞれ平成5年10月7日に300個、平成5年10月13日に240個、平成5年11月9日に60個となっており、その後一切本件商品を購入した事実がないことから、かかる証拠方法をもっては、本件商標が審判請求の登録前3年以内に日本国において本件商品に使用されていたものとは到底いえない。

乙第5号証は、1993年(平成5年)10月20日から1995年(平成7年)3月31日の被請求人の請求書控であるが、かかる証拠方法をもっては、本件商標が審判請求の登録前3年以内に日本国において本件商品に使用されていたものとは到底いえない。

上述したとおり、上記乙第1号証乃至同第5号証は、審判請求の登録前3年以内に日本国において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも本件商標を本件商品について使用していた事実を証明するものでない。

3 被請求人の答弁

(1)被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第5号証を提出した。

(2)答弁の理由

被請求人は、本件商標をその指定商品中の「サッカーを題材とするゲームおもちゃ」について、本件審判請求前3年以内に使用している。(乙第1号証ないし同第5号証)

乙第1号証は、商標権者が発行した商品カタログで平成6年3月1日に印刷され、現在も使用されているものである。(住所として表示する 東大阪市長田中4丁目70番地は、営業所の表示である。)これには商品名が「カードゲーム」(品番 WCC−800)、商標として「SOCCER WORLD CUP CHAMPION」と「サッカー ワールドカップ チャンピオン」が明瞭に記載されている。

このゲームおもちゃは「オフェンスカード」(19枚)、「ディフエンスカード」(19枚)、「シュートカード」(8枚)、「キーパーカード」(8枚)の「4種類のカード」、「フィールドカード」と「サッカーボール形のコマ」の3部品をもって構成されている。その遊び方は、まずキックオフチームを決め、オフェンスチーム(者)は、オフェンスカードを、ディフエンスチーム(者)は、ディフエンスカードを両者同時に出し合い、その結果によって、フィールド盤上のコマが進退したり、オフェンスとディフェンスの交代が決まる。コマがシュートゾーンに入ると、オフェンスチームはシュートカードをディフェンスチームはキーパーカードを同時に出し、その結果により得点又は非得点が決まる。より多くの得点をしたチーム(者)を勝ちとするゲームである。このような構成及び遊び方により、本件商品が「サッカーを題材とするゲームおもちゃ」であることが容易にわかる。(乙第3号証 参照。)この「サッカーを題材とするゲームおもちゃ」は、2種類あり、「日本 対 ブラジル」及び「日本 対 ドイツ」の対戦を想定している。それぞれはチームの特徴を持たせてある。

カタログには、本件商標の欧文字の「WORLD CUP CHAMPION」を横一列に表示していないが、全体が一体と認識される構成であり、かつ、「ワールドカップチャンピオン」の片仮名文字を横一列に併記している。その文字の表現は、いずれも、「WORLD CUP CHAMPION」と「ワールドカップチャンピオン」の文字を明瞭に使用しており、登録商標と社会通念上同一の商標を使用しているものである。これにより、本件商標が被請求人によって指定商品中の「サッカーを題材とするゲームおもちゃ」について使用されていることが明らかである。

乙第2号証は、同第1号証のカタログの印刷者の作業指示書であって、このカタログが平成6年3月1日に印刷されたことを示すものである。

乙第3号証は、本件商標を使用した「サッカーを題材とするゲームおもちゃ」(本件商品)の写真である。

乙第4号証は、本件商品が本件審判の請求日以前3年以内の間に市場において販売されていたことを証明する。この証明書は、株式会社西野商店が平成5年10月から11月の間に本件商品を被請求人より大量に購入し、その商品を今日まで継続して販売してきたことを示している。わが国にプロサッカーリーグが設立され、サッカーブームが急激に訪れたが、それも急速に去った。このため、販売店の予想を裏切り、本件商品が売れ残り在庫となった。返品の処理をする販売店もあったが、株式会社西野商店は、返品をすることなく販売を継続して今日に至っている。平成12年1月31日現在、株式会社西野商店において本件商品の在庫数は65個であり、販売が継続されていることを示している。乙第5号証にても明らかなように、平成7年以降被請求人は、本件商品の出荷をしていない。しかしながら市場では販売店の在庫となり、以後も継続して販売され今日に至っている。その一例として株式会社西野商店の在庫を調査したところ証明書に記載の事実が判明したものである。

乙第5号証は被請求人の取引書類である。取引書類として「請求書控」の写しを提出する。この請求書控には、平成5年(1993)10月から平成7年3月までの取引状況を明らかにしている。この書類には「ワールドカップチャン」又は「ワールドカップチャンピオン」の片仮名文字が表示されていて、本件商品が大量に販売されていることがわかる。

4 当審の判断

(1)被請求人の提出に係る乙各号証を検討するに、これよりは、以下の事実のみが認められる。

乙第1号証は、被請求人が発行した商品カタログで、平成6年3月1日に印刷されたものであるが、被請求人の述べるところによれば、「平成7年以降被請求人は、本件商品の出荷をしていない」と述べていることから、該商品カタログは、それ以降使用されたものとはいえないものであり、また、使用された事実は示されていない。

乙第2号証は、平成6年3月1日付け請求外「大進印刷株式会社」の作業指示書であるが、これは、平成6年3月1日にチラシの印刷を指示したという事実を証明しているにすぎないものである。

乙第3号証は、平成11年11月26日付けで藤田特許法律事務所内の馬淵健氏が撮影した商品の写真であるが、これは、単に本件商品を説明するにすぎないものである。

乙第4号証は、平成12年1月31日付け請求外「株式会社西野商店」の証明書であるが、これは、本件商品を平成5年10月7日に300個、平成5年10月13日に240個及び平成5年11月9日に60個購入したということと、現在、その在庫が65個あることを示しているにすぎないものである。

乙第5号証は、1993年(平成5年)10月20日から1995年(平成7年)3月31日までの被請求人の請求書控にすぎないものである。

(2)ところで、商標法第50条の商標登録の取消審判にあっては、その登録商標の使用をしていないことについて正当な理由がある場合を除いて、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。

(3)そこで、被請求人の提出に係る乙各号証は、上記のとおり、本件商標の使用にあたらないか、又は、本件審判の請求の登録(平成11年9月8日)前3年以内についての商標の使用の事実を示したものではない。

しかして、乙第4号証は、平成12年1月31日付け請求外「株式会社西野商店」の証明書であるが、これが示す在庫の事実は、商標法第2条第3項にいう「使用」に該当しないから、本件商標の使用の事実を示しているものということができないことはいうまでもなく、また、本件商品が当該小売店で販売されたとしても、かかる行為が、本件商標の商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによる商標の使用にあたらないものであることもまたいうまでもないことである。

そうとすれば、被請求人は、その審判の請求の登録前3年以内に商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標を使用をしていることを証明しているものということはできない。

(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消すべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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