結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30352号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2361054号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第17類「被服」を指定商品として、平成1年2月13日に登録出願、同3年12月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件商標の連合商標として登録された登録第2407083号商標(以下「本件連合商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第17類「被服」を指定商品として、平成1年2月13日に登録出願、同4年4月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
1.本件商標は、その指定商品について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。
2.被請求人は、登録商標の使用説明書(1)ないし(6)を提出しているが、以下に述べるとおり、「商品」たる「被服」について、本件商標が使用されている事実は認めることができない。
(1)登録商標の使用説明書(1)について(「登録商標の使用説明書」について、以下「使用説明書」という。)
商標法第2条第3項第7号の商標の使用は、「商品又は役務に関する」広告に標章を付して頒布する行為でなければならず、その広告は、具体的な商品の販売を目的とするものでなければならない。
しかしながら、被請求人による前記広告には、何ら具体的な商品が表わされていない。この点につき、被請求人は、「掲載誌が被服関連の業者に向けた業者新聞である特殊性によるもの」と述べているが、素材(例えば、織物)メーカーが、その製品(例えば、被服)の業界紙に広告記事を掲載することは極く普通に行われていることから、被服関連の業界新聞に広告したことをもって、「被服」について広告したといい得ないことは、明らかである。むしろ、広告中央部の「テキスタイルメーカーとして」という記載からすれば、広告主の業務は、「テキスタイル」すなわち「織物、生地」のメーカーであり、また、当該広告には具体的な商品が全く表わされていないから、当該広告は、「テキスタイルメーカー」たる被請求人の会社自体の広告とみるのが自然である。
したがって、上記広告をもってしては、本件商標を商品「被服」について使用していたものということはできない。
(2)使用説明書(2)について
「封筒」に記載又は印刷されるのは、通常、差出人の住所及び名称、受取人の住所及び名称等である。該「封筒」に印刷されている「株式会社セリオ」は、差出人の名称であって、これが「商標」として認識されるものではない。なお、封筒に在中書類名が記載されることがあっても、その具体的な内容(例えば取引内容)が記載されることは勿論ない。
「取引書類」とは、通常、「注文書、納品書、送り状、出荷案内書、物品領収書、カタログ等」をいう(特許庁編「工業所有権逐条解説」)のであるから、「封筒」が「取引書類」と言い得るか疑問である。また、「会社の商号の略称や社標が商標として登録されていても、該商標を商品やサービスと関係なく、会社自体の宣伝のために、広告書類に表示したり名刺や封筒に表示している場合には、商標の使用があったとはいい得ない。したがって、不使用取消の審判請求に対する反証や更新登録の際の使用証明の際にも、このような証拠を提出しただけでは、商標を使用していたという証拠にはならない。」(小野昌延編「注解商標法」)。
該「封筒」には、「株式会社セリオ」と印刷されているが、これは差出人の名称の表示であって、商標の使用ではなく、また、取引の対象たる商品が表示されていない。
よって、商標法第2条第3項第7号の商標の使用があったものとは認められない。
(3)使用説明書(3)について
「封筒」が印刷され納品された事実があるとしても、上記使用説明書(2)に関して述べたところから、商標の使用説明とならないことは、既に明らかである。
(4)使用説明書(4)について
「封筒(長3特白)」については、前述したとおりである。「ミシン目入りエフ(荷札)」に関しては、「織物、生地」に付して使用される目的を端的に示す「織編月日」「反目」「生地反番」等の文字が印刷されていることから、これが「被服」に使用されるものでないことは明白である。
(5)使用説明書(5)(6)について
ア.被請求人は、使用説明書(5)に添付の写真は平成8年5月15日に、使用説明書(6)に添付の写真は平成9年3月18日に、それぞれ撮影したものであると述べているが、提出されたこれらの証拠方法は、写真ではなくカラーコピーであって、「撮影日」を窺わせる日付は全く表されていない。
イ.被請求人は、商品「ポロシャツ等」又は同商品の包装に、本件連合商標を付している旨主張するが、本件連合商標が付されているのが「ポロシャツ」であるとしても、これが「商品」であると認めることはできない。商標法における「商品」とは、「商取引の目的物として流通性のあるもの、すなわち、一般市場で流通に供されることを目的として生産され又は取引される有体物」であると解すべきととは、平成元年11月7日東京高裁判決(甲第1号証)が判示するところである。
被請求人は、使用説明書(1)より明らかなように「テキスタイルメーカー」である。また、「帝国データバンク企業情報」(甲第2号証)によれば、被請求人の業務は「たて編みのニット生地製造業」であり、「全国繊維企業要覧」(甲第3号証)によれば、被請求人の取扱品目は「ニット生地(丸編)100%」である。このことから、被請求人は商品「織物、生地」を取り扱う者ではあっても、商品「被服」を取り扱う者ではない。
ウ.「ポロシャツ」の商品該当性について
請求人が調査したところによれば、被請求人はポロシャツ等を販売している事実はなく、被請求人が生産しているニット生地の顧客に対する贈答用として、年間何着という小規模ロットでポロシャツを生産し、これを前記顧客に無償配布していることが判明している(甲第5ないし7号証)。
したがって、使用説明書(5)(6)の「ポロシャツ」は、宣伝用の贈答品として顧客に無償配布するものであって、一般市場で流通に供されることを目的として生産され取引されるものではないから、商標法上の「商品」ということはできない。
(6)被請求人によるシャツの販売について
ア.乙第6号証の1ないし10(領収書控え)及び乙第7号証の1ないし4(総勘定元帳)によれば、被請求人は、「シャツ」を平成8年5月21日から同9年4月1日までの間に、多いときで1ヶ月に2枚、販売していた事実が推測されるが、その価格はバラバラで統一性がなく、これらの証拠によっては、希望者に単発的に販売したシャツに本件連合商標が付されていたという被請求人の主張について、事実の客観的な裏付けが全くなされていない。
乙第12号証の1ないし4の証明書は、いずれも請求人と取引上密接な関係にあると考えられ、被請求人の求めに応じて作られたものと推認され、その証拠価値は低いし、証明内容についても、本件商標の付されたシャツを購入したか、あるいは銀行等があえて引用商標が付されたシャツを顧客の贈答用として購入することは通常考えられない。
したがって、被請求人が本件連合商標を使用していたという事実は認められない。
イ.被請求人によるOEM商品の製造について
乙第1号証ないし乙第5号証で示した「J.ニクラウス」「ミラショーン」等の各種有名ブランドの商標を付したOEM商品が、本件連合商標の使用に当たらないことは、明白である。
(7)以上述べたとおり、本件商標及び本件連合商標がその指定商品に使用されている事実は、これを認めることができない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、本件商標の商標公報、商標登録原簿及び本件連合商標の商標公報、使用説明書(1)ないし(6)並び乙第1号証ないし乙第14号証を提出した。(なお、被請求人は、上記本件商標の商標公報、商標登録原簿及び本件連合商標の商標公報について、資料1ないし3との表示を用いているが、使用説明書(3)及び(4)に添付された資料との間で錯誤を生ずるので、本件商標の商標公報、商標登録原簿及び本件連合商標の商標公報についての資料1ないし3の表示は削除する。)
1.本件商標の使用の事実について
(1)本件商標は、使用説明書(1)に添付の業界新聞「センイ・ジャアナル」の広告中に掲載されている。この広告には、本件商標「セリオ」が使用される具体的な商品名は記載されていないが、これは上記新聞が、被服関連の業者に向けた業界紙であり、その読者の殆どが被服関連業者であって、本件商標と商品「被服」との関係を特定するまでもないから、具体的な商品名を記載しなかったまでである。
したがって、前記新聞への広告掲載行為は、商品「被服」に関する広告に本件商標を付して頒布する行為に該当し、商標法第2条第3項第7号の商標の使用に該当する。
(2)使用説明書(2)には、本件商標を付した封筒及び大判封筒が添付されているが、前者の消印は平成11年2月10日付けであり、後者の引受け日は1998年(平成10年)11月6日となっている。したがって、本件商標を印刷した封筒が本件審判の請求の登録前3年以内に取引に使用された事実があり、前記各封筒に本件商標を付する行為は、商標法第2条第3項第7号の「商品に関する取引書類に標章を付して頒布する行為」に該当する。
(3)使用説明書(3)には、印刷業者である合資会社ヤマニ(以下「ヤマニ」という。)が被請求人宛てに提出した証明書が添付されている。この証明書は、同説明書(3)に資料1として添付した長4サイズの茶封筒を、資料2として添付したように、平成9年12月4日付けで被請求人に納入したこと、該封筒の納入に関して、ヤマニは、資料3として添付した平成9年12月20日付け請求書を被請求人に発行したこと、被請求人からの支払いに対し、ヤマニは、資料4として添付した平成10年1月21日付け領収書を発行したことを証明している。
(4)使用説明書(4)には、同じくヤマニが被請求人宛てに提出した証明書が添付されている。この証明書は、同説明書(4)に資料1及び3として添付した長3サイズの特白封筒及びミシン入りエフを、資料2及び4として添付したように、平成9年2月18日付け及び同年1月21日付けで被請求人に納入したこと、該封筒の納入に関して、ヤマニは、資料5として添付した平成9年2月20日付け請求書を発行したこと、被請求人からの支払いに対し、ヤマニは資料6として添付した平成9年3月21日付け領収書を発行したことを証明している。該ミシン入りエフは、本件商標「セリオ」の指定商品である「被服」に付して使用されるものである。
2.本件連合商標の使用について
(1)使用説明書(1)に添付の平成8年6月26日および同年11月8日付け「センイ・ジャアナル」の広告中には、本件連合商標が明確に掲載されており、これは、商品に関する広告に商標を付して頒布する行為に該当し、商標法第2条第3項第7号の商標の使用に該当する。
(2)使用説明書(5)及び(6)について
ア.使用説明書(5)に添付の写真は、平成8年(1996年)5月15日に被請求人会社の社員が撮影したものである。なお、これらの現像日は、当該写真の裏側に「96.06.07」とプリントされている如く、1996年(平成8年)6月7日である。また、使用説明書(6)に添付の写真は、平成9年(1997年)3月18日に長谷川信行が撮影したものである。これらの現像日としては、当該写真の裏側に「97.04.02」とプリントされている。
イ.請求人は、使用説明書(5)及び(6)に添付の写真には「撮影日」を窺わせる日付は表示されていない旨主張するが、カラーコピーであるために、「撮影日」を窺わせる日付が表示されていない訳ではなく、答弁書正本の写真そのものに「撮影日」は入っていない。周知の如く、写真に表示されるいわゆる「撮影日」の日付の如きものは、意図するならば如何ようにでも操作し得るものであるから、そのような日付に有無は本件には全く関係がない。むしろ、該写真の裏側に「96.06.07」や「97.04.02」と写真の現像日が印刷されているという事実が重要である。このような写真の裏側に印刷される現像日付は、現像担当のラボがプリントを行なう際に自動的に付されるものであり、したがって、当該日付を第三者が操作することは困難であって、極めて高い客観性を備えたものだからである。当然のことながら、写真の裏側に印刷される現像日付はその日限りのものであって、再プリントを依頼すれば別の日付となってしまう。(乙第13号証参照)
したがって、前記証拠方法については、裏側に現像日が明確に印刷された写真を正本として提出し、副本として当該写真のカラーコピーを提出したものである。
ウ.上記写真からは、以下のa.ないしd.の事実が判明する。
a.ポロシャツ等の商品「被服」を収納する透明なビニール包装袋に、本件連合商標が鮮明に印刷されている。
b.ポロシャツ等の商品「被服」を収納する包装箱を、本件連合商標を印刷した包装紙で包装してある。
c.ポロシャツ等の商品「被服」の首部に、本件連合商標を刺繍縫いした襟ネームが縫い付けてある。
d.上記a.b.は、商標法第2条第3項第1号の「商品の包装に標章を付する行為」に該当するものであり、c.は、同号の「商品に標章を付する行為」に該当するものである。
以上のように、本件連合商標が、商品「被服」に関して、平成8年4月14日から同9年4月1日までの間に使用されていたという事実は証明がなされたものと思われる。
(3)ポロシャツの商品該当性について
請求人は、使用説明書(5)及び(6)に示された商品がポロシャツであるとしても、これが「商品」であると認めることはできない旨主張する。以下に述べるように、被請求人が本件商標を付している商品は、一般市場で流通に供されている。
ア.被請求人は、ニット生地の製造及び被服の製造を約6対4の割合で営む者である。そして、被請求人が製造した被服は、その殆どは注文側の商標で販売される商品を受託生産するOEM商品として前記の販売先へ販売し、残りの被服についてのみ、使用説明書(5)及び(6)に示す如く、これに本件連合商標を付して販売しているものである。この場合に「Selio」のブランドを付したポロシャツ等の商品は、一般の小売店やデパート等へ卸して販売に供しているのではなく、被請求人の会社でのみ小売販売している。何故に、そのような販売形態を採用しているかについては、以下述べる。
イ.OEM商品の販売の実態を説明すると、被請求人は「J.ニクラウス」、「ミラショーン」、「ダンヒルゴルフ」、「オースチン・リード」、「クロエ」、「オーベックス」等の有名ブランドの国内扱い商社から商品発注を受け、当該商品を発注数だけ生産した後に、各指定に係るブランドを該商品に付して発注元へ納品する、という販売形態を主として採っている(乙第1号証ないし乙第5号証)。
ウ.被請求人は、前述の如く有名ブランドを付した被服をOEM商品として販売していたが、その商品のデザインや品質が非常に優れているために、当該被服を低廉な価格(すなわち卸値)で販売して貰えないか、との打診や希望が相次いだ。
しかし、OEM商品は、当然のことながら注文を受けた全量をそっくり発注元に納入しなければならず、仮に有名ブランドを付したOEM商品を横流しした場合は、受注先としての信用を完全に失墜してしまう。そこで、被請求人は、「J.ニクラウス」、「クロエ」、「ミラショーン」、「ダンヒルゴルフ」等の有名ブランドの使用に代えて、自社ブランドである本件連合商標を付した被服を企画し、これを希望者に卸値またはそれに近い価格で販売することにしたものである。
この場合に、本件連合商標を付した被服を、一般の小売店やデパートで販売することは、上記OEM商品とブランド以外の商品内容は同じであることから、OEM商品の発注元に対して差し支えがある。そこで、被請求人は、前述の如く自らの会社でのみ、求めに応じて小売販売することにしたものである。
エ.被請求人が小売販売している商品たる被服は、使用説明書(5)及び(6)の写真に表示されるとおりの態様のシャツ類であるが、この商品が被請求人により販売されている事実は、シャツ販売の際に被請求人が発行した領収書の控え(乙第6号証の1ないし10)、当日の売上げを記した総勘定元帳(乙第7号証の1ないし4)、当座勘定照合表(乙第11号証)及び証明書(乙第12号証の1ないし4)とから明確に証明することができる。
また、これらのシャツの購入者は、その多くが個人であるため、必ずしも領収書を発行しているとは限らず、また、領収書発行時に領収宛名を記載しない場合も多い。但し、領収宛名を「十六銀行尾西支店」(乙第6号証の5)の如く記載する場合もある。
これらの事実から、本件連合商標が、商品「シャツ類」に使用されていたことは極めて明らかと云うべきである。なお、上記主張が正当であることは、平成11年審判第30353号の審決(乙第10号証)からも明らかである。
1.使用説明書(5)及び(6)、乙第6号証の1ないし10、乙第7号証の1ないし4、乙第11号証、乙第12号証の1ないし4及び乙第13号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)使用説明書(5)及び(6)に添付された写真の裏には、現像年月日を「96.6.7」(1996年6月7日)、「97.4.2」(1997年4月2日)とする記載があること。
(2)上記各写真には、本件連合商標が付されたビニール包装袋に入った、複数の異なったデザインのポロシャツが撮影され、これらのポロシャツの衿の内側中央部分には、本件連合商標が表示がされたラベルが付されていること。
(3)本件審判の請求の登録日前3年以内である平成8年5月21日、同年5月28日、同年6月11日、同年6月19日、同年6月28日、同年7月31日、同年8月7日、同年9月17日、同年12月2日、平成9年4月1日付けの領収書の控えに対応する形で、「株式会社セリオ 雑収入」の文字が表示されている「総勘定元帳」に、平成8年5月21日、同年5月28日、同年6月11日、同年6月18日、同年7月3日、同年8月1日、同年8月7日、同年9月17日、同年12月2日、平成9年4月1日付けで「シャツ代」ないし「シャツダイ」として、「貸方」欄に順に「8000」、「13000」、「4000」、「8000」、「21000」、「15000」、「9000」、「5000」、「8000」、「5000」の数字が記入されていること。
(4)上記平成8年5月28日、同年6月11日、同年8月7日、同年12月2日に、本件連合商標が付されたビニール包装袋に入り、衿の内側中央部分のラベル及びタッグに本件連合商標が表示がされたポロシャツが実際に取り引きされたことがポロシャツ購入者である尾西信用金庫、日清紡ヤーンダイド株式会社(2件)及び株式会社十六銀行尾西支店より証明されていること。また、当座勘定照合表には、平成8年5月28日付けで、尾西信用金庫より被請求人に「13,000」の金額が振り込まれ、領収書の控え、総勘定元帳に対応するものであること。
2.前記1.で認定した事実を総合すると、本件商標の商標権者は、本件審判の請求の登録日前3年以内で平成9年3月31日までの間に日本国内で、本件連合商標を取消請求に係る指定商品中の「ポロシャツ」について使用していたと推認することができる。
3.請求人の主張について
(1)請求人は、使用説明書(5)及び(6)に写真には、「撮影日」を窺わせる日付は全く表されていない旨主張する。
しかしながら、各写真の裏には、現像年月日が印刷されており、これが本件審判の請求の登録前3年以内の日付であることは明らかである。
(2)請求人は、使用説明書(5)及び(6)の「ポロシャツ」は、宣伝用の贈答品として顧客に無償配布するものであって、一般市場で流通に供されることを目的として生産され取引されるものではないから、商標法上の「商品」ということはできない旨主張する。
しかしながら、被請求人の取り扱いに係るポロシャツが商品として販売されたと推認されること前記2.で認定したとおりであり、これが宣伝用の贈答品として顧客に無償配布されたと認めるに足りる客観的証拠はない。
確かに、甲第6号証によれば、「鈴木裕子様」宛てに、平成11年6月9日付けで、「株式会社セリオ」の表示及び右会社の役員と認められる「犬飼敬二」の印影のもとに、「“SELIO”シャツ・・・に付、店頭販売は、しておらず、極一部の贈答用の商品として、デザイン及び生産されたものです」旨の記述が認められる。
しかしながら、答弁の理由によれば、被請求人は、その製造に係る被服の殆どは、注文側の商標で販売される商品を受託生産するOEM商品として販売し、残りの被服についてのみ、本件連合商標を付して販売しており、本件連合商標を付した被服は、上記OEM商品とブランド以外の商品内容は同じであることから、一般の小売店やデパートで販売することは、OEM商品の発注元に対して差し支えがあり、被請求人の会社でのみで、希望者に卸値またはそれに近い価格で小売販売している旨述べていることが認められ、本件連合商標を付したポロシャツを販売することについては、OEM商品の製造販売との関係で、公然とすることができない事情があったとみられるところであり、しかしそうだからといって、本件連合商標を付したポロシャツが全く販売の対象となっていなかったとまで認めることはできない。
(3)請求人は、乙第6号証の1ないし10(領収書控え)及び乙第7号証の1ないし4(総勘定元帳)の「シャツ」の価格は統一性がなく、これらの証拠によっては、シャツに本件連合商標が付されていたという客観的な裏付けが全くなされていない。また、乙第12号証の1ないし4の証明書は、いずれも請求人と取引上密接な関係にあると考えられ、被請求人の求めに応じて作られたものと推認され、その証拠価値は低い旨主張する。
確かに、「シャツ」の価格に統一性がなく、一度の販売で何枚を販売したかも不明であるが、乙第12号証の1ないし4の証明書が虚偽であるとも断じがたいところであり、また、該証明書が虚偽であると認めるに足りる証拠は見出せない。
(4)したがって、上記(1)ないし(3)についての請求人の主張には理由がない。
4.むすび
以上のとおりであるから、本件商標についての登録は、平成8年法律第68号による改正商標法附則第10条第2項の規定により、本件商標と相互に連合商標となっている登録第2407083号商標を、本件審判の請求の登録前3年以内で平成9年3月31日までの間に、日本国内において、商標権者が取消請求に係る指定商品中の「ポロシャツ」について使用していることが認められるから、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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