Trademark Appeal Case
FLEECEの記述性と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第11830号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「PRO FLEECE」の欧文字を標準文字とし、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成9年11月18日に登録出願されたものである。
2 原審の引用登録商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第729406号商標(以下、「引用A商標」という。)は、「PRO」の欧文字と「プロ」の片仮名文字とを上下二段に書してなり、昭和39年9月2日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同42年1月12日に設定登録がされているものである。同じく、登録第1578244号商標(以下、「引用B商標」という。)は、「PRO7」の文字を書してなり、昭和54年9月3日に登録出願、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同58年3月28日に設定登録がされているものである。同じく、登録第2212262号商標(以下、「引用C商標」という。)は、「PRO」の文字を書してなり、昭和57年6月9日に登録出願、第21類「かばん類、その他本類に属する商品(但し、化粧用具を除く)」を指定商品として、平成2年2月23日に設定登録がされているものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成前記のとおり「PRO」の欧文字と「FLEECE」の欧文字とを1文字程度の間隔をもって表示してなるところ、両文字は視覚上分離して看取されるばかりでなく、その全体をもって特定の意味合いを有する熟語を形成するともいい難いものであって、他に、両欧文字を常に一体のものとしてのみ把握しなければならない格別の事情は見あたらない。
そして、その構成中「FLEECE」の文字は、指定商品との関係において、商品の品質(素材)を表示する語として理解、認識されるものであって、例えば、「新・田中千代服飾事典」(株式会社同文書院1991年10月発行)の「フリース[Fleece]」の項に、「紡毛織物の一種。布面が長いけばでおおわれた柔軟な、なめらかな織物で、高級な外套地とされている。」との記述がされ、また、「新ファッションビジネス基礎用語辞典」(株式会社織部企画1995年4月発行)の「フリース【fleece】」の項に、「パイル状の両面起毛素材。群を抜く肌触りの良さ、伸縮性、速乾性があり、しかも軽量という特性がスキー、アウトドア・スポーツ向けの適材として人気がある。」との各記述が認められる。
さらに、「フリース」の語について、株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Search新聞情報データベース」をみるに、「『ポリエステルを材料にし、軽くて保温性のあるフリース素材を使った衣料品の販売競争が激しくなっている』......『昨冬はフリースジャケットを中心に850万枚を販売』......」(2000.11.16付読売新聞大阪朝刊)、「『この冬、化学繊維を起毛したフリース素材の低価格ジャケットが、話題を呼んでいる』......」(1999.12.18付同紙東京朝刊)、「......『フリース素材のカジュアル衣料は若者の間で爆発的にヒットしている』......」(2000.01.25付流通サービス新聞)、「『カジュアル専門店チェーンは、フリース素材のジャケットやプルオーバー、部分使いしたアウターなどの売り上げを大幅に伸ばしている』......」(1999.12.27付繊研新聞)等、各新聞に掲載されていることが認められる。
以上の事実からすれば、「フリース(FLEECE)」の語は、従来は「紡毛織物の一種」を表す語であったが、最近では、「ポリエステルを材料にした軽くて保温性のある」素材や「化学繊維を起毛した」素材を表す語として使用されていることが認められるところであって、本願商標の「FLEECE」の文字部分はこれの英語表記と容易に看取させるものである。
そうすると、本願商標をその指定商品中のフリースを素材とする商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、前記事情により、その構成中の「FLEECE」の文字部分を商品の品質(素材)を表すにすぎないものと理解するに止まり、前半部「PRO」の文字部分を自他商品の識別標識と捉え、該文字部分より生ずる「プロ」の称呼をもって取引きにあたる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標からは「プロフリース」の一連の称呼を生ずるほか、「PRO」の文字部分より「プロ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
これに対して、引用A商標は、前記のとおり「PRO」の欧文字と「プロ」の片仮名文字とを書してなり、その構成文字に相応して「プロ」の称呼を生ずるものである。
また、引用B商標は、前記のとおり「PRO7」の文字を書してなるところ、1桁又は2桁の数字は一般に自己の生産若しくは販売に係る商品の品番・規格等を表示するための記号・符号として商取引上普通に採択、使用されているのが実情であるから、引用商標Bの構成中、語尾に付された「7」の数字は、商品の記号・符号の一類型と認められるものであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は「PRO」の欧文字部分にあり、該文字部分をもって取引に資する場合が多いものとみるのが相当である。そうとすれば、引用B商標は、「PRO」の文字部分に相応して「プロ」の称呼をも生ずるものである。
さらに、引用C商標は、構成前記のとおり「PRO」の文字を書してなり、その構成文字に相応して「プロ」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用各商標とは、「プロ」の称呼を同じくする点で相紛らわしく、外観が異なり、観念において比較できないものであることを考慮しても、その出所について誤認を生ずるおそれのある類似の商標というべきであり、かつ、本願商標の指定商品と引用各商標の指定商品とは、同一若しくは類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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