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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第15号「著名商標との混同のおそれ」の商標審決・判断理由(審判番号:平成10年審判第6323号|請求不成立)

審判番号
平成10年審判第6323号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
著名商標との混同のおそれ
適用条文
第4条第1項第15号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成10年審判第6323号・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第15号への該当性が争われた事例です。主な争点は「著名商標との混同のおそれ」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「ELENA VALENTINO」の文字を横書きしてなり、第24類「布製身の回り品,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,シャワーカーテン,テーブル掛け,どん帳,布製ラベル,のぼり及び旗(紙製のものを除く)」を指定商品として、平成8年10月1日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、イタリア国ローマ市在往の『Valentino Garavani』(オランダ国在の関連企業「バレンチノ グローブ ベスローテン フェンノートシャプ社)が『婦人・紳士物の衣料品』等に使用している著名な商標『VALENTINO』の文字含むものであるから、これを出願人が指定商品に使用するときは、需要者は上記会社もしくは上記会社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について誤認・混同を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 「VALENTINO」の著名性について

「VALENTINO GARAVANI」及び「VALENTINO」の文字よりなる標章は、「婦人服・紳±服」等に使用された結果、本願商標の登録出願日前より、我が国において取引者、需要者間に広く知られ著名に至っていたものであり、その著名性は現在においても継続されていることが下記の事実によって認められる。

(1)「世界の一流品大図鑑ライフカタログVOL.1」(昭和51年6月5日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ・ガラバー二」が、「イタリアファッション界の旗手と呼ばれ、女性を最高に美しく見せるデザイナーとして高く評価されている。」こと、及びその経歴等を紹介する内容とともに「ブラウス、セーター、ネクタイ」の商品の写真が掲載されていること。

(2)「EUROPE−流ブランドの本(講談社MOOK第2巻)」(昭和52年12月1日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバー二」の所有する店舗の紹介と簡単な経歴が「婦人服」の商品と共に掲載されていること。

(3)「服飾辞典」(昭和54年3月5日第1刷文化出版局発行)の、ヴァレンティーノ ガラヴアーニ[Valentino Garabani、1932〜]の項に、「イタリア北部の都市(ヴォゲラ)に生まれる。17才でリセオ(中学)を中退、パリに行く。スチリストになるため、パリのサンジカ(パリ高級衣装店組合の学校)で技術を身につける。1951年、ジヤン・デッセ(オート・クチュール)のもとで5年間アシスタントとして仕事をする。その後2年間、.ギ・ラローシュのアシスタントをし、1958年独立、ヴアレンティーノ・クチユールの名でローマに店を開いた。このころ、イタリアのモードは世界的に有名になりつつあった。彼の最初の仕事は、フィレンツェのピッティ宮殿でのコレクションである。このコレクンョンは、〈白だけの服〉という珍しい演出であったが、その美しさはジャーナリストの間で評判となり、「ニューズ・ウイーク」「ライフ」「タイム」「ウィメンズ・ウエア・デイリー」各誌紙で取材、モードのオスカ「賞を獲得した。1967年、ヴァレンティーノの名は世界に知れわたった。1972年には紳士物も始め、その他アクセサリー.バッグ、宝石類、香水、化粧品、家具、布地、インテリアと、その仕事の幅はたいへん広いが、すべてヴァレンティーノ独特のセンスを保っているのはみごとである。ヴァレンティーノの洋服に対する考えは、まず個性が第一で、彼のコレクションからは、デテールでなくそのエスプリをくみ取ってもらうことに重きをおく。ローマの高級住宅地、アッピア・アンティカに母親とたくさんの犬と暮らしている。仕事でパリとローマを行き来するが、世界中を旅行するなど忙しい日々である。物をつくる人は誰でも波があって、いつも傑作が続くとはかぎらないが、ヴァレンティーノは現在、ローマのオート・クチュール界で最も好調なデザイナーといえる。以前から東洋風なエキゾティシズムが好きで、時によってトルコ風、アラブ風の特色がみられるが、最近はキモノのセクシーさを1950年代のハリウッドの雰囲気に表現、あやしく美しいヴァレンティーノの世界をつくり出している。」との紹介記事が掲載されていること。

(4)「朝日新聞」(昭和57年11月20日夕刊第3頁)において、世界の服をリードする3人のうちの1人として「バレンチノ」の紹介記事が掲載されていること。

(5)「男の一流品大図鑑’85年版」(昭和59年12月1日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴアーニ」の文字とともに、「スーツ、ブルゾン、シャツ、ネクタイ、ベルト及びバッグ」の商品が掲載されていること。

(6)雑誌「non‐no」1989年 No23号(平成元年T 2月5日株式会社集英社発行)及び「marie cla i re」(1 996年2月1日中央公論社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」が単に「ヴァレンティノ」と略称され、商品「婦人服」等と共に掲載されていること。

(7)「英和商品名辞典」(1990年株式会社研究社発行)[Valentino Garavani]の項において、「イタリア RomaのデザイナーValentino Garavani(1932−)のデザインした婦人・紳土物の衣料品・毛皮・革製バッグ・革小物・ベルト・ネクタイ・アクセサリー・婦人靴・香水・ライター・インテリア用品など。Roma,Firenze,Milanoなどにあるその店の名称はValentino(vは小文字でかくこともある)。... 」との記事及びデザイナーとしての紹介記事が掲載されていること。

(8)「世界の一流品大図鑑’93年版」(平成5年5月20日株式会社講談社発行)において、「VALENTNO」ブランドの香水が掲載されていること。

(9)「岩波=ケンブリッジ世界人名辞典」(1997年11月21日株式会社岩波書店発行)の[ガラヴァーニ]の項において「ヴァレンティノ Garavani,Valentino通称ヴァレンティノ Valentino(伊 1933−)服飾デザイナー...・」との紹介記事が掲載されていること。

同じく、[ヴァレンテイノ Valentino]の項において、「ガラヴアーニ、ヴァレンティノ」を見よとの表示があること。

2 出所の混同を生ずるおそれについて

本願商標は、上記のとおり「ELENA VALENTINO」の文字を横書きした構成よりなるところ、「ELENA」と「VALENTINO」の各文字が分離して表示されているばかりでなく、両文字は、結合された全体として特定の熟語や氏名を表すものとして一般の取引者・需要者によく知られているというような事情も認め得ないところである。

そして、前記1のとおり、本願商標の登録出願時には、「VALENTNO」の文宇よりなる標章(以下、「VALENTINO標章」という。)は、「バレンチノ」、「ヴァレンティノ」の称呼よりなる商標として、また、デザイナーである「VALENTINO GARAVANI」も「VALENTINO」(バレンチノ、ヴァレンティノ)と称呼されて婦人服、紳士服等について同人のデザインに係る商品に付される商標ないしは同人の略称として著名であったこと、「VALENTINO標章」が付される商品「婦人服、紳士服」等と本願商標の指定商品とは、共にファッション関連の商品であること等を併せ考慮すれば、本願商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、その構成中後半の「VALENTINO」の文字部分を捉え、著名な「VALENTINO標章」を連想、想起し、その商品が「VALENTINO GARAVANI」又は同人と何らかの関係がある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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