Trademark Appeal Case
引用商標の著名性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第13157号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「CHANTEL」の欧文字と「シャンテル」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」を指定商品として、平成5年6月4日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録2597510号商標(以下「引用商標」という。)は、「CHANTELLE」の欧文字と「シャンテル」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第17類「ガードル、ブラジャー、海水着、その他の被服、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和53年7月27日に登録出願、平成5年11月30日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立のあった結果における原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、登録異議申立のあった結果、「本願商標は、登録異議申立人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者間に広く認識されている引用商標と称呼、外観が酷似するものであるから、これをその指定商品について使用するときは、該商品が、あたかも登録異議申立人あるいいは登録異議申立人と何等かの関係ある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 請求人の主張の要点
(1)登録異議申立人の使用に係る商品「女性用下着」と、請求人の取り扱う商品「かばん類、袋物、携帯用化粧道具入れ、傘」は、全く商品の性格を異にする商品であり、請求人が、本願商標を使用しても出所の混同を生ずることはあり得ない。
(2)登録異議申立人が所有する引用商標は、取引者、需要者に広く認識された商標ではない。
(3)登録異議申立人が提出した甲各号証は、その証拠能力、証明力が極めて疑わしく、当該証拠をもってしては、引用商標が、既に取引者、需要者間において広く認識されていたものであることを立証することができない。
5 当審の判断
(1)登録異議申立人である「シャンテル社」並びに「CHANTELLE」、「シャンテル」の商標の周知、著名性について認定する。
登録異議申立人の提出に係る証拠(甲第2号証ないし甲第6号証及び甲第8号証)によれば、次の事実が認められる。
(イ)「英和商品名辞典」(1990年初版 第1刷 株式会社研究社発行)に、「Chantelle シャンテル」について「フランスのファンデーション〔女性用下着〕メーカー、その製品」との記載がされていること。
(ロ)「婦人画報編女性版 世界の特選品’84」(1983年11月1日 株式会社世界文化社発行)に、「CHANTELLE シャンテル(フランス)」について、「1876年創業のヨーロッパ屈指の名門。その昔、貴婦人のためだけのものだったコルセットを、世界で初めて工業化で一般にまで広げた、いわばファンデーション業界の先駆的ブランドです。」との記載がされていること。
(ハ)「The一流品」(1989年6月16日 読売新聞社発行)に、「CHANTELLE シャンテール(フランス)」について、「1876年、コルセット全盛時代のパリで生まれたファンデーションの名門メーカー。」との記事とともに、商品(ガードル)の写真が掲載されていること。
(ニ)「婦人画報特選 Made in EUROPE ヨーロッパの一流品」(1982年11月1日 株式会社世界文化社発行)「ファンデーション」の記事として、「1876年創業のシャンテル社は、ファンデーションだけを作り続けているメーカーです。」との文章とともに、商品(ブラジャー、ガードル)の写真、価格が記載されていること。また、「Chantelle PARIS」の文字と、モデルが商品(ブラジャー)を身につけた写真よりなる広告がなされていること。
(ホ)「世界の一流品大図鑑’91年版」(1991年 講談社発行)に「CHANTELLE シャンテール(フランス)」の商品としてブラジャーとショーツの写真が掲載されていること。
(ヘ)「ファッションブランド年鑑 別冊チャネラー」(1992年11月15日 株式会社チャネラー発行)に、「大祐商事(株)」の取扱いブランドとして「シャンテール(Chantelle)〔服種〕ファンデーション」の記載があること。
以上の事実を総合すると、我が国において、「CHANTELLE」あるいは「シャンテル」の各文字からなる商標が、シャンテル社の取扱いに係る商品「女性用下着」に使用され、本願商標の出願時である1993年当時、下着を取り扱う業者や高級な下着に関心を持つ需要者の間において、著名であったものと推認できる。
なお、審判請求人は、上記雑誌掲載の事実は、「シャンテル」の製品が掲載されたことを認識するに止まるのみであり、「シャンテル」が著名であると認識することは到底できない旨主張しているが、上記に示す雑誌は、いずれも一般的な雑誌であり、各雑誌の掲載記事内容を総合することにより、間接的ではあるが当該商標の浸透度を推定することができるものである。
(2)商品の出所の混同のおそれについて
本願商標は、前記のとおり「CHANTEL」の欧文字と「シャンテル」の片仮名文字よりなるので、その構成文字に相応して、「シャンテル」の称呼を生ずること明らかである。
一方、引用商標は、前記のとおり「CHANTELLE」の欧文字と「シャンテル」の片仮名文字よりなるので、その構成文字に相応して、「シャンテル」の称呼を生ずること明らかである。
してみれば、本願商標と引用商標は、「シャンテル」の称呼を同一にし、外観においては、「CHANTEL」「シャンテル」の文字部分を共通にするものであり、その差は、引用商標の欧文字部分の語尾における「LE」2文字の有無という微差にすぎないものである。
したがって、本願商標と引用商標とは、称呼、外観において互いに紛らわしいものである。そして、前記のとおり引用商標は、シャンテル社が商品「女性用下着」に使用する商標として著名であり、また、本願商標の指定商品「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」は、引用商標の指定商品に包含している「女性用下着」とは、主として女性の装飾という用途において極めて密接な関連性を有しており、両商品の需要者の相当部分が共通するものである。
以上のことよりすればば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、これが登録異議申立人又は同人と緊密な関係にある営業主の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当すると認定した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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