Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−19128(T2000−19128/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
この出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第29類「卵、加工卵」を指定商品として平成11年10月6日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『べんとうに用いられる卵』といった意味合いを認識させる『おべんと』及び『たまご』の文字を書し、さらにその指定商品を想起させる横半分に割ったゆで卵と卵の殻の図形を配してなるものであるから、これを本願指定商品に使用しても、全体として商品の用途、品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、この本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲に示すとおり、殻付きゆで卵を横半分に割った状態の図柄を配した横長矩形を表し、同矩形右端位置の上下一杯のスペースに大きく「おべんと」及び「たまご」の平仮名文字をそれぞれ右から順に縦書きした構成よりなるものである。
しかして、構成中の「おべんと」の文字は、幼児に親しまれている唄「おべんとう」(天野蝶作詞、一宮道子作曲)の歌詞「おべんと おべんと うれしいな(以下、略)」及び、唄「これくらいのおべんとばこに」(作者不詳、カワイ出版、「ジョイ・サークル」収録)の歌詞「これっくらいの おべんとばこに おにぎりおにぎり(以下、略)」等に見受けられる如く、「弁当」(べんとう)の語に丁寧語の「お」を冠する一方、末尾の「う」を捨象して「おべんと(オベント)」と呼称するなど、近時、この種の会話体の語がしばしば用いられる傾向にある。
すなわち、「おべんと」の文字からは、上記「弁当」(べんとう)以外の何らの事物・事柄をも想起し得ないまでに、該語と同義のものとして普通に用いられているとみて差し支えなく、ほかに、この認定を覆すに足りる証拠はない。
したがって、構成中の「おべんと」の文字部分は、上記「弁当」(べんとう)を、また、同「たまご」の文字及び前記ゆで卵を割った状態の図形部分は、本願商標の指定商品それ自体か若しくはその用途・用法を表したものと容易に理解されるとみるのが相当である。
ところで、近年、食品分野において、肉・魚・野菜等を予め味付け・調理したもの、小分けパックしたもの等の加工食品が、弁当用のおかずとして、例えば「お弁当用唐揚げ」「お弁当ハンバーグ」と称され、コンビニエンスストア・スーパーマーケット等の店舗において陳列・販売されている事実があり、味付けしたゆで卵、温泉たまご等もおかずの品目として、あるいは手軽に食すことのできるものとして取り扱われているのが実情である。また、このほか、昨今、多種多様の弁当が、弁当専門店、デパート、コンビニエンスストア等において陳列・販売され、いわゆる弁当市場なるものが形成されている実情もある。
そうすると、本願商標をその指定商品「卵、加工卵」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、全体として「弁当用の(に調味・加工した)卵」であること、すなわち、その商品の品質又は用途を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであるから、結局、本願商標は、商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。
してみれば、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものといわざるを得ないから、その理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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