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Trademark Appeal Case

著名商標の混同判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第19516号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願標章

本願に係る防護標章登録を受けようとする標章(以下「本願標章」という。)は、別掲(1)のとおり、「アタック」の片仮名文字を横書きしてなり、第21類に属する願書記載の商品を指定商品として、登録第1929596号商標(以下「原登録商標」という。)に係る防護標章登録出願として、平成9年7月11日に登録出願、指定商品については、その後当審において提出した平成11年11月17日付けの手続補正書により、第21類「清掃用具及び洗濯用具,化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」とする補正がされたものである。

そして、原登録商標は、別掲(1)のとおり、「アタック」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和59年2月1日に登録出願、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品、(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、昭和62年1月28日に設定登録、その後、平成9年3月11日に存続期間の更新登録が行われ、現に有効に存続するものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、本願標章に係る原登録商標は、他人がこれを本願指定商品に使用しても、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがある程に需要者間に広く認識されているものとは認められない。したがって、本願標章は、商標法第64条第1項に規定する要件を具備しない旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願標章と原登録商標との一致性

本願標章はその構成において原登録商標と同一のものであること、そして、原登録商標が請求人(出願人:花王株式会社)の所有に係るものであり、かつ、該商標権が権利存続中であることは、商標登録原簿の記載よりこれを認めることができる。

(2)「アタック」の文字(語)について

本願標章又は原登録商標を構成する「アタック」の文字(語)は、原義を英語の「attack」とし、「攻めること。攻撃。登山で、登りにくい山岳へ挑戦すること。難しい問題・課題に立ち向かうこと。」等の意味合いの平易な外来語又は同義の邦語(国語辞典類より)として世人一般に親しまれているものであることは、既に顕著な事実である。そして、該語は「アタックライン」「アタックエリア」等スポーツ用語として慣れ親しまれているばかりでなく、特定の商品についてその機能特性を暗示させる商標としてしばしば採択・使用されているのが実情である。

(3)原登録商標の著名の程度

請求人提出の甲第1号証ないし甲第21号証によれば、請求人は、別掲(2)に掲げる標章(以下「使用商標」という。)を、昭和62年4月より現在に至るまでの間、商品「衣料用洗剤」に付して継続使用していることが認められる。そして、別途当審において調査した市場調査会社エーシーニールセン・ジャパンによる1999年度トイレタリーTOPSブランド分析によれば、当該「衣料用洗剤」の販売高は198億7930万円で第1位、同じく市場シェアは衣料用洗剤の約3割の売上げを占めること(同社のインターネットサイトhttp://www.acnielsen.co.jp)等を併せ考慮すれば、使用商標は「衣料用洗剤」に係る商標として需要者の間に広く認識された周知商標と認められる。

しかしながら、使用商標は、別掲(2)に示すとおり、ゴシック体の片仮名文字「アタック」に一部変化を加えてやや特徴的に表現してなるもので、語頭の「ア」の文字をほかの文字に比して大きく表し、第4字「ツ」の小文字を前後の「タ」と「ク」に架かるように配した構成よりなる点で原登録商標とはその態様をやや異にするものであり、かつ、「アタック」の語自体、日常的に接し得る語であること前記(2)のとおりであること、さらに、使用商標は、請求人に係る洗濯用柔軟剤や洗濯用漂白剤等の商標と同様に個別商品毎の商標(いわゆるペットネーム)の一つであって、請求人の業務全般を表彰する標章である等の事情は存しないことよりすれば、結局、原登録商標の周知・著名の程度は自ずと一定の限界があるといわなければならない。

(4)混同のおそれの有無について

他人が原登録商標を本願標章に係る指定商品について使用した場合、需要者が、その商品と原登録商標の商標権者に係る指定商品と混同を生ずるか否かについて判断するに、商標法第64条第1項においていう出所の混同のおそれを判断するにあたっては、原登録商標自体とその商標の著名性、当該商品分野における需要者一般の注意力その他取引の実情を総合勘案してそのおそれの有無を判断すべきものと解される。

しかして、本願においては、原登録商標はそれ自体遍在する語であり、かつその実際の使用態様は、その外観、印象において原登録商標とはやや印象を異にするものであって、その周知・著名度をやや割り引いて考慮せざるを得ないこと、また、その商標としての性格は、請求人に係るペットネームの一つであること等の事情よりして、その著名性は一定の限界があること前記のとおりである。

そして、本願標章に係る指定商品「清掃用具及び洗濯用具、化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」は、原登録商標又は使用商標に係る衣料用洗剤とは、共に一般家庭で使用される点において需要者を共通にする場合があるとしても、元々両者はその性質、用途はもとより生産又は取引系統を著しく異にする異種、別個の商品である。

そうしてみると、商標自体とそのほか諸般の事情に照らし総合判断するに、他人が原登録商標を本願指定商品に使用しても、該商品が請求人の取扱いに係る商品の如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるということはできないものと判断するのが相当である。

このほか、この認定を左右するに足りる証拠はない。

(5)結論

以上によれば、本願標章は、商標法第64条第1項に規定する要件を具備するものということはできないから、同旨の理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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