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Trademark Appeal Case

指定商品「金具」の解釈

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−31407(T2000−31407/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第611447号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和35年4月30日登録出願、「ポパイ」の文字を縦書きしてなり、指定商品を第13類「手動利器、ブラシ類、金具(他の類に属するものを除く)」として、同38年5月10日に設定登録、その後、同49年1月25日、同58年11月28日及び平成5年7月29日の三回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「金具」の登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として参考1及び甲第1号証を提出した。

(1)本件商標は、請求人の調査した限りにおいて、少なくとも、本件審判請求の登録日前3年以内に日本国内において、被請求人により取消請求に係る商品「金具」について使用されていない。

(2)被請求人は、本件商標が商品「工具指し金具」(「工具差し金具」の誤記)に使用されている旨主張しているが、当該商品は「金具」に属しないから、それに表示された使用に係る商標も本件商標の使用とはいえない。

すなわち、使用に係る商品は「金具」ではなく「手動工具」に属する。

(ア)請求人提出の資料(国語大辞典「言泉」)には、「金具」とは「器具に取り付ける金属製の環、錠、引き手又は細工場などの総称」であって、「工具」とは「金属、木材の工作や機械類の組み立て、分析などに用いる器具」であるとの記載がなされている(甲第1号証)。

(イ)被請求人は、使用に係る商品が「金具」の一種であると主張しているが、それは「金具」ではなく、大工が工作や機械類の組み立てその他の作業の際にハンマー、ラヂェット、シノー等をそれに差し込み、必要に応じて、それから引き抜いて作業をするのに使用する「工具」である。それが「金具」であるというためには、前記辞典の記載よりして、「器具に取り付ける金属製の環、錠、引き手等」に類するものでなければならないところ、当該商品は、「器具に取り付けるため」のものではなく、他の工具を差し込むためのものである。しかも、それは「環、錠、引き手」の類のように、他の器具や物に取り付けたり、打ち込んだりするものでもない。被請求人は人為的に「工具差し金具」と指称しているが、それは工具を差したり、取り外して使用するための物であるから、それ自体工具である。

したがって、本件商標は、その指定商品中「金具」についてのいかなる商品にも使用しているということができない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、証拠方法として、乙第1号証乃至同第5号証(枝番号を含む)を提出した。

(1)本件商標は商標法第50条所定の使用に該当する。被請求人は、本件商標を取消請求に係る商品について、少なくとも平成9年9月24日から現在に至るまで、乙第1号証に示す使用態様により、提示した商品「工具差し(金具)」に継続して使用している。

したがって、被請求人は、本件商標を本件審判請求の登録日前3年以内に継続して取消請求に係る商品「金具」に属する「工具差し」に使用している。

(2)乙第1号証は、被請求人が平成9年9月24日から現在に至るまで販売している商品「工具差し(ポパイ工具差No.3)」を撮影した「写真」(コピー)であって、当該「工具差し」には、本件商標を印刷したレッテルシールが付されており、また、バーコードシールには、「ポパイ工具差No.3」の文字が印刷・貼付されている。なお、この使用に係る商品「工具差し(金具)」は、腰ベルトにそれを設けて工具を差し込み支承する金具(答弁書第3頁参照)であって、「金具」に属する商品である。同じく、乙第2号証及び同第3号証は、前記商品(「ポパイ工具差しNO.3」)を少なくとも平成9年9月24日から「細兼産業株式会社」に販売していたことを証明する「得意先元帳」及び「売上帳」(いずれも写し)であり、また、同第4号証は、取引先である販売先会社「細兼産業株式会社」による証明書であり、さらに、同第5号証は、被請求人の代表者の宣誓書である。これらの提出目的は、本件商標を付した乙第1号証に示す商品が、カタログ販売される商品ではなく、長年の慣習に従って、取引先からの注文に応じて販売される商品であること及びそれに本件商標が付され、少なくとも平成9年9月24日から現在まで継続して使用されている事実を証明するためである。

4 当審の判断

本件審判請求は、本件商標の指定商品中「金具」の登録についての取消を求めるものである。

そして、請求人及び被請求人による主張の争点は、後者が提示した「工具差し」が、取消請求に係る商品「金具」に属するか否か、それによって、本件商標が使用と認められるか否かの点にある。

そこで、先ず、本件商標が被請求人提出の乙各号証において使用されているか否かについて判断する。

(1)本件商標の使用について

本件商標は、前記1のとおり「ポパイ」の文字を縦書きしてなるところ、被請求人提出の乙第1号証[商品を撮影した4葉の写真(コピー)]中のラベルには、「ポパイ」の片仮名文字が認められ、その使用態様は本件商標と社会通念上同一といえるものである。

同じく、乙第2号証の4ないし7[被請求人の得意先元帳(被請求人が細兼産業株式会社に宛てた請求書の記録)(写し)]及び同第3号証の1ないし4[被請求人が細兼産業株式会社に販売した商品の売上帳(写し)]並びに同第4号証[細兼産業株式会社が被請求人から商品を購入したことを示す証明書]、さらに、同第5号証[被請求人代表者の宣誓書]においても、本件商標と社会通念上同一の商標が表示されている事実が認められる。

(2)使用商品について

次に、被請求人提示の乙各号証における商品「工具差し」が、取消請求に係る商品「金具」に属するか否かについて判断する。

平成3年(9月25日付)政令第299号による改正前の商標法施行令(政令)第1条に基づく商品区分(いわゆる「旧区分」)には、第1類から第34類までの商品区分が存し、旧区分は、原則として用途・販売店の共通する商品が含まれるとする基本的な考え方、いわゆる用途、販売店主義が採用されており、本件商標に係る第13類「手動利器、ブラシ類、金具(他の類に属するものを除く)」も、大体において、通常、金物店で販売される商品が集められており、販売店主義に基づく類といえるものであり、そのうち「金具(他の類に属するものを除く)」には、それ自体単独で使用されるのではなく、何かに取り付ける性質の金属製品がその概念中に含まれる(他の類に属するものは、除外される。例えば、「戸車」「ちょうつがい」等の建築材料は第7類「建築又は構築専用材料」に、「くつひも代用金具」「くつ保護金具」等の「くつ用金具」は第22類の「1.くつ類」に属する。)ものと解される。

そこで、被請求人の使用商品「工具差し」(腰ベルトに設けて工具を差し込み保持する金具)が、取消請求に係る商品「金具」に属すか否かについて判断するに、当該「工具差し」は、たとえ、その用途が「工具用」であるとしても、それのみ単独で使用されるものではなく、専ら「工具」を差し込み保持するのに利用されるものということができる。

しかも、当該「工具差し」は、商品「工具」のように、それを用いて物を切ったり、削ったり、刺したりするといった特定の目的を直接達成する独立した道具としての性質を有するものではなく、主たる商品を「工具」とすれば、「工具」を工事等の作業時に安全かつ手際よく用いるべく、腰に巻いたベルトに備え付けるものということができ、「工具」をそれに差し込んで保持し、あるいは、逆に、それから引き抜いて用を足すといった専ら工具携帯目的で利用されるもの(具)である。なおかつ、「工具差し」は、被請求人が主張するとおり、金物店などで主として取り扱われ、主たる需要者層も前記工事関係者等と重複することよりすれば、他の類に属するものとは解し難く、また、第13類に属する「手動利器」ともいえず、さりとて、その従属性等よりして、商品「工具」の範疇に属するものではないと判断するのが相当である。

したがって、被請求人主張の商品「工具差し」は、その性質、用途又は販売系統よりして、第13類「金具」の範疇に属する商品と判断するのが相当であり、他にかかる認定を覆すに足る証左は見出せない。

(3)結語

以上、(1)、(2)の点よりして、被請求人は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件審判請求の登録日前3年以内に、我が国において、取消請求に係る商品「金具」に属する商品「工具差し」に使用していたことを主張・立証し得たものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、指定商品中の「金具」について、その登録を取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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