Trademark Appeal Case
著名性認定の証拠
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90429(T2001−90429/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4458083号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成11年4月21日に登録出願、第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同13年3月9日に設定登録されたものである。
2.登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、フランスのアエロスパシアル社とドイツのダイムラークライスラーアエロスペース社の合併により1992年に誕生したヨーロッパ最大のヘリコプター製造、販売会社である。
申立人の1999年度の総売上高は約20億ドルといわれ、世界のヘリコプターメーカーの中で1996年から4年連続して売上高世界一である(甲第31号証)。
1999年度の受注総数はヘリコプター382機で、そのうちの160機が戦闘ヘリコプター「TIGER/タイガー」(以下、「申立人使用商標」という。)である(甲第34号証)。
本件商標は、1999年4月に出願されており、TIGERヘリコプターの量産の正式契約とほぼ同時期であるが、TIGERヘリコプターが軍事用ヘリコプターであるという特殊性から、その著名性は量産に入る以前からあったものというべきである。すなわち、実際にTIGERヘリコプターの生産が行われていなくても、その生産計画の合意及び発表のあった1984年の時期、少なくとも機体の80%まで完成したTIGERヘリコプターの公開があった1994年の時点からは、航空業界における取引者、需要者はTIGERヘリコプターを認識していたというべきである。
以上のように、申立人の提供する戦闘ヘリコプター「TIGER/タイガー」は、申立人の商標として、本件商標の出願時には著名なものとなっていた。
また、本件商標の指定役務「航空機の修理又は整備」は、「ヘリコプターの修理又は整備」も含まれるものであり、かかる役務は、申立人の提供する商品「ヘリコプター」と密接な関係を有しているだけでなく、申立人は、実際に商品「ヘリコプター」のアフターケアとして、修理及びメンテナンスサービスを行っているものである(甲第7号証)。
さらに、本件商標と申立人使用商標は、称呼及び外観において、同一若しくは類似の関係にあるというべきである。
してみれば、本件商標が、その指定役務「航空機の修理又は整備」について使用された場合、取引者、需要者をして、その役務が申立人若しくは申立人と経済的又は組織的に何等かの関係のある者の業務に係る役務であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3.当審の判断
申立人の提出に係る甲第31号証によれば、申立人が申立人使用商標を付した戦闘ヘリコプターを実際に契約し、量産体制に入ったのは平成11年(1999年)6月であり、本件商標の出願日である平成11年(1999年)4月21日より2ヶ月も後である。
申立人は、「TIGERヘリコプターが軍事用ヘリコプターであるという特殊性から、その著名性は量産に入る以前からあったものというべきである。すなわち、実際にTIGERヘリコプターの生産が行われていなくてもその生産計画の合意及び発表のあった1984年の時期、少なくとも機体の80%まで完成したTIGERヘリコプターの公開があった1994年の時点からは、航空業界における取引者、需要者はTIGERヘリコプターを認識していたというべきである。」旨主張している。
しかしながら、TIGERヘリコプターの生産計画の合意及び発表の時点で、申立人使用商標が直ちに著名性を取得したとはいえないところであり、また、機体の80%まで完成したTIGERヘリコプターの公開があった1994年の時点に関する証明書は、甲第5号証に示す申立人会社のホームページであり、この証明書をもって申立人使用商標が本件商標の出願前より著名であったとは認めることはできない。
さらに、申立人は「本件商標の指定役務『航空機の修理又は整備』は、『ヘリコプターの修理又は整備』も含まれるものであり、申立人はかかる役務も行っている(甲第7号証)。」旨主張しているが、甲第7号証によっては、申立人が、かかる役務を行っていたことは認め得るが、その役務の提供に当たって、申立人使用商標が使用されていたという事実は認められない。
そして、申立人が、申立人使用商標を申立人の業務に係る商品「戦闘ヘリコプター」に使用した結果、本件商標の出願前より著名であった事実を証するものとして提出した甲各号証を総合して検討したが、該証拠によっては、申立人使用商標が本件商標の出願前より著名であった事実を認めることはできない。
してみれば、商標権者が、本件商標をその指定役務「航空機の修理又は整備」について使用した場合、その役務が、申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれのないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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