Trademark Appeal Case
「BOURBON」の識別力と周知性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90484(T2001−90484/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件標章
本件登録第4271074号の防護標章登録第1号(以下、「本件標章」という。)は、平成11年9月27日に登録出願、後掲に示すとおりの構成よりなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎようざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,酒かす」、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、同13年3月23日に設定登録されたものである。
2 本件商標
本件標章の基礎となる登録第4271074号商標(以下、「本件商標」という。)は、本件標章と同一の構成よりなり、平成9年7月25日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,酒かす」を指定商品として、同11年5月14日にその登録がなされたものである。
3 登録異議の申立ての理由
本件標章は、指定商品に関して他人が使用しても商標権者の業務に係る商品と出所の混同を生じるほどに、需要者の間で広く認識されているとはいえないから、商標法第64条に規定する防護標章登録の要件を満たさない。
本件標章中の「BOURBON」の文字部分は独立して認識されることは明らかであり、かつ、「BOURBON」の文字は、アメリカ合衆国産の特定の品質を有するウイスキーの普通名称である「BOURBON(バーボン)」と完全に同一である。
そして、このような欧文字までもが、商標権者の商標の一部として周知、著名になっているとは到底考えられない。
「BOURBON」の文字に接する需要者は、「バーボンウイスキー」を想起することが普通であって、該文字から直ちに商標権者が認識されることはあり得ない。
このことは、特に、本件指定商品中の「ビール」について当てはまる。ビールは我が国ではアルコール飲料の一種として、バーボンウイスキーをはじめとする洋酒や日本酒と同じ販売店で販売され、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでは同じ陳列場所に並んで売られている。しかも、酒類の製造は免許制であり、誰でもが自由に製造できる商品ではないし、いかに多角化が進んいるとはいえ、スナック菓子等のメーカーが参入する蓋然性があると、一般の需要者が認識できるような商品でもない。
よって、本件登録防護標章は商標法第64条の要件を満たさないものであるから、その登録は取り消されるべきである。
4 当審の判断
本件標章は、後掲のとおりであるところ、その構成中、中央下段の「BOURBON」の文字は、商品「ウイスキー」との関係からみれば、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が主張するように、トウモロコシを主原料とする米国産のウイスキー「bourbon whiskey(バーボンウイスキー)」を指称する場合があるものということを格別否定するものではないが、他方、「bourbon」の語は、「(フランスの)ブルボン王家の人」(三省堂発行「新コンサイス英和辞典」)の意味をも有する語であり、我が国の国語辞典に「ブルボン王朝」(岩波書店発行「広辞苑」、講談社発行「日本語大辞典」)、「ブルボン家」(小学館発行「国語大辞典」)等の項が設けられ、「ブルボン」に関する語が掲載されていることを考慮すると、該文字が、必ずしも、常に「バーボン」とのみ称呼され、「bourbon whiskey(バーボンウイスキー)」を指称するものとのみ把握、認識されるものということができないばかりでなく、その表音片仮名表記「ブルボン」が付されていること、及び、商標権者が、本件標章の基礎となる本件商標を、その指定商品中「菓子」について、「ブルボン」の称呼をもって、永年、盛大に使用したことをも合わせ勘案すれば、これは、「bourbon whiskey(バーボンウイスキー)」を指称するものというよりは、「ブルボン」とのみ称呼され、同人の業務に係る商品を表示するものと把握、認識されるというを相当とする。
そして、本件標章を他人がその指定商品ついて使用するときは、商標権者の業務に係る前記商品とその用途及び販売店等を異にするものであるとしても、近時、産業界における多角経営化の実情等を考慮すれば、これに接する取引者、需要者は、該商品が商標権者若しくは商標権者と関係のある者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本件標章は、商標法第64条の規定に違反して登録されたものということができないから、同法第68条第4項で準用する同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する
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