結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品及び指定役務についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2000−90881(T2000−90881/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4383373号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、1997年10月23日グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成10年1月26日に登録出願、第9類、第18類、第25類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として、同12年5月19日に設定の登録がされたものである。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、下記の(a)ないし(d)に示す登録商標と称呼において類似する商標であって、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものである。
(a)平成4年3月3日に登録出願され、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年4月28日に設定登録された登録第2648631号商標(以下「引用商標1」という。)
(b)平成7年3月3日に登録出願され、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年10月9日に設定登録された登録第4197096号商標(以下「引用商標2」という。)
(c)平成9年5月27日に登録出願され、別掲(4)に示すとおりの構成よりなり、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年2月4日に設定登録された登録第4358096号商標(以下「引用商標3」という。)
(d)平成9年1月17日に登録出願され、別掲(5)に示すとおりの構成よりなり、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年6月12日に設定登録された登録第4156278号商標(以下「引用商標4」という。)
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記(a)(b)及び(d)商標に加えて、下記の(e)ないし(h)に示す登録商標は、申立人の業務に係る商品「雑誌、被服」等を表示するものとして取引者・需要者の間において広く認識されている商標であるから、本件商標をその指定商品、指定役務について使用するときは、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがある。
(e)平成2年1月25日に登録出願され、別掲(6)に示すとおりの構成よりなり、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同7年3月31日に設定登録された登録第2704776号商標(以下「引用商標5」という。)
(f)平成1年3月9日に登録出願され、別掲(7)に示すとおりの構成よりなり、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同3年12月25日に設定登録された登録第2360117号商標(以下「引用商標6」という。)
(g)平成1年3月9日に登録出願され、別掲(8)に示すとおりの構成よりなり、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年10月30日に設定登録された登録第2470561号商標(以下「引用商標7」という。)
(h)平成8年10月18日に登録出願され、別掲(9)に示すとおりの構成よりなり、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年3月27日に設定登録された登録第4129845号商標(以下「引用商標8」という。)
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
本件商標は、別掲(1)に表示したとおり、図形中に「COLOURS」の文字を表してなるものであって、該文字部分も独立して商品及び役務の識別標識としての機能を果たすものといえるから、本件商標は、該文字から「カラーズ」の称呼を生ずるものと認められる。
したがって、本件商標は、「カラーズ」の称呼を生ずる別掲(2)ないし(4)に示す登録商標(引用商標1ないし3)と「カラーズ」の称呼を共通にする類似の商標であり、その指定商品又は指定役務中、第9類「電気通信機械器具,レコード,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ,その他の電子応用機械器具及びその部品,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,眼鏡,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,メトロノーム」及び第25類「被服(和服を除く。),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」については引用商標1ないし3の指定商品と同一又は類似の商品に使用するものである。
したがって、本件商標は、上記指定商品については商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
引用商標1及び引用商標2は、文字と図形を組み合わせた商標であり、英文字「C」「L」「RS」と、「L」の文字を挟んで中心を黒く塗りつぶした二つの同心円を組み合わせてなり、「L」は人の鼻のようにも見えるので、二つの円とともに人の顔のようにも見える。従って、引用商標1及び2は、文字と幾何学図形を組み合わせた商標であり、これに接する需要者は、これが意味のある文字を示しているとは看取できないのが通常と考えられ、これらから称呼は出ない。
また、例え、同心円の図形を「O」であると見て「力ラーズ」の称呼が生じたとしても、本件商標が長方形の特徴的な図形の中にデザイン化され、このデザイン全体が識別力を発揮することから、引用商標1、2とは大きく異なり、外観上相互に非類似である。
本件商標及び引用商標1、2は、いずれも視覚的デザインを主眼とした商標であり、最も重要な識別の標識は視覚的な要素にあるから、その最も重要な要素が明らかに非類似である両商標は、総合的に判断すれば、明らかに識別可能な非類似の商標である。
また、引用商標3は、文字商標であり、デザイン的な要素は含まれておらず、長方形のラベルのデザインからなる本件商標とは、明らかに識別が可能な非類似の商標である。
取消理由通知にあるように、本件商標と引用商標1ないし3とを「カラーズ」の称呼を共通にするという理由のみで類似と判断するのは、「商標の類否は称呼、外観、観念等各要素の全体を考慮して判断すべきものである」という確立された基準に反するものである。このことは、「氷山・しょうざん事件 昭和39年(行ツ)第110号最高裁判決」及び「ギベルティー事件 平成6年(行ケ)第150号東京高裁判決」からも首肯し得るところである。
したがつて、本件商標は、引用商標1ないし3と、外観において顕著な差異を有し、いずれの商標とも、総合的に判断すれば、相互に非類似で混同のおそれのない商標である。
本件商標は、別掲(1)に示すとおり、複数本の輪郭線を有し、内部を黒塗りにした長方形の中に「COLOURS」の欧文字を白抜きに表し、その左側に紋章様の図形を配した構成からなるものである。
しかして、上記の如き構成のもとにおいて、該文字部分と図形部分とは、常に一体のものとして把握されるものとはいい難く、「COLOURS」の文字部分もそれ自体、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、「COLOURS」の文字部分に相応して「カラーズ」の称呼を生ずるものというべきである。
他方、引用商標1及び2は、別掲(2)及び(3)に示すとおりの構成よりなるところ、その構成中、「O」の文字の中心部分は黒く塗りつぶされてはいるが、全体として「COLORS」の欧文字を表したものと容易に認識し得るものであるから、これらからは、該文字に相応して「カラーズ」の称呼を生ずるものと認められる。又、引用商標3は、別掲(4)に示すとおりの構成よりなるものであるから、その構成文字に相応して「カラーズ」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標1ないし3とは、「カラーズ」の称呼を共通にする類似の商標といわなければならない。
この点について、商標権者は、本件商標は長方形の特徴的な図形の中にデザイン化され、このデザイン全体が識別力を発揮するものであること、又、引用商標1及び2は、文字と幾何学図形を組み合わせた商標であり、いずれも視覚的デザインを主眼とした商標であって、最も重要な識別の標識は視覚的な要素にある旨主張し、最高裁判決及び東京高裁判決を挙げて反論している。
しかしながら、本件商標は、上記したとおり、長方形部分の図形は複数本の輪郭線からなるとはいえ、一般的に用いられている長方形輪郭の類型の一つといえる程度のものであり、又、欧文字の左側に表されている図形部分にしても、紋章様の図形であることは認められるが、親しまれた称呼、観念を生ずるとは認められないものである。これに対して、「COLOURS」の文字部分は、白抜きに顕著に表されており、「色、色彩」あるいは複数形としては「絵の具」等の語義を有する英語として、広く一般にも知られ、親しまれていることから、該文字部分が看者に最も強く印象付けられ、記憶に残るものというべきであり、図形部分は、むしろ、「COLOURS」の文字の装飾的な要素に止まるものとみるのが相当である。
また、引用商標1及び2は、商標権者が主張しているように、中黒を有する二つの「O」の文字と「L」の文字部分をもって、人の顔のように見える場合があるとしても、全体として「COLORS」の文字(米語)としての機能を喪失させる程のものではなく、これから、「カラーズ(色、色彩、絵の具等)」以外の特定の称呼、観念を生じさせるような事情も認められない。
してみれば、本件商標と引用商標1ないし3とは、外観及び観念における相違点を考慮しても、「カラーズ」の称呼を共通にする類似の商標といわなければならない。
そして、その指定商品についても、本件商標の指定商品中、第9類「電気通信機械器具,レコード,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ,その他の電子応用機械器具及びその部品,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,眼鏡,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,メトロノーム」は、引用商標3の指定商品と同一又は類似のものであり、第9類「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」は、引用商標1の指定商品と同一又は類似のものであり、第25類「被服(和服を除く。),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」については、引用商標2の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって、本件商標に対する前記3の取消理由は妥当なものと認められるから、商標法第43条の3第2項の規定により、結論掲記のとおり取り消すべきものである。
しかしながら、本件登録異議の申立に係るその余の指定商品、指定役務については、引用商標1ないし3の指定商品と類似するものではなく、引用商標4の商標とは商標において類似しないものであり、また、引用商標1、2及び4ないし8の各商標とその商品、役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるものとは認められないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持する。
よって、結論のとおり決定する
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