sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標不使用取消の証拠

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第30914号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2713595号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成4年3月19日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同8年4月30日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「被服」についての登録を取り消す、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第3号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定商品中「被服」につき継続して3年以上日本国内において、被請求人(商標権者)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていない。したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中「被服」につき取り消されるべきである。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

a.使用事実の証明について

乙第4号証の証明書の作成者は、許諾による通常使用権者「光和株式会社」の代表取締役であり、被請求人との関係では取引の相手方であり、特に経済的には極めて密接な関係を有するものであるから、本件取消審判においては、被請求人と同一視できる立場の者である。

そうすると、該証明書の内容を裏付ける何らかの証拠が併せて提出されるべきであるが、その証明内容を正当に裏付ける証拠を提出しているとは考えられないため、該証明書は客観性がなく、本件商標の使用事実を立証し得ない。

乙第3号証及び同第10号証の「子供用長袖パジャマ」の納品書には、「品名」の欄に「子供 長袖パジャマ」の記載があるが、このパジャマと本件商標との関係を示唆する記載がなく、該納品書記載のパジャマに、乙第2号証に示す織りネームが付されたものであるか否かは不明であり、乙第4号証の証明内容を裏付ける証拠になり得ない。

乙第6号証及び同第7号証の納品書によれば、光和株式会社が被請求人から購入した織りネームの数量は、合計33370枚もあるのに対し、光和株式会社が販売した子供用長袖パジャマの数量はわずか48個に過ぎず、しかも株式会社キャロット佐野キンカ堂の他、具体的に明示した販売店は同会社の千里中央店しかなく、両者間の数量の隔たりはあまりに不自然である。

しかも、上記織りネームの納品書には、それぞれ平成8年9月20日、98年2月13日の日付が記入されているが、光和株式会社がキャロット佐野キンカ堂に商品を譲渡したのは、平成11年2月23日で、織りネーム購入後、1年以上も経過している。これは、流行の移り変わりが激しく、かかる移り変わりに迅速に対応する必要のある被服業界において不可解であり、上記の販売数量の量的な差と相俟って納品書そのものに信憑性があるとは到底考えられない。

結局、乙第4号証における証明内容は、乙第3号証及び同第10号証、並びに乙第6号証及び同第7号証によっては、正当に裏付けることができない。

b.本件商標の使用について

本件商標の指定商品に係る被服の分野において、ファッション性が重視される傾向にあるため、需要者は視覚的に把握される外観に極めて敏感に反応するものと考えられる。

本件商標と乙第2号証及び同第4号証において使用を示している商標は、本件商標にかかる「被服」における取引実情を考慮すれば、社会通念上同一の商標とは認められないから、該商標の使用は商標法第50条第1項に規定する「登録商標」の使用ではない。

よって、本件商標をその指定商品中「被服」につき使用しているものとはいえず、取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第14号証を提出した(乙第14号証中に「商標権者 共和アイテック株式会社」と記載されているが、被請求人は平成13年夏に名称変更していることを確認した。)。

(1)本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、商品「子供用パジャマ」について通常使用権者が使用しているから、商標法第50条第1項の規定には該当せず、その指定商品中「被服」について登録を取り消される理由はない。

(2)被請求人は、平成10年6月1日付けで、愛知県津島市埋田町1丁目48番地の1所在の光和株式会社と、「商標の使用権設定契約書」(乙第1号証)を締結している。この契約書の第1条及び第2条の記載により、光和株式会社が本件商標の通常使用権者であることは明らかである。

光和株式会社は、平成10年6月1日以降現在に至るまで、上記契約に基づいて、本件商標と社会通念上同一の商標が表示された織りネーム(乙第2号証)を自社の商品に付して使用する目的で、被請求人から購入している。そして、平成11年2月23日には、光和株式会社から株式会社キャロット佐野キンカ堂店に対して、乙第2号証の織りネームが付された「子供長袖パジャマ」48個が、また、平成11年3月1日には、光和株式会社から株式会社キャロット千里中央店に対して、乙第2号証の織りネームが付された「子供長袖パジャマ」48個が、何れも金48,000円で譲渡されている(乙第3号証及び同第10号証)。乙第3号証及び同第10号証は、上記取引についての売上伝票であり、「品名」欄には「子供 長袖パジャマ」の記載があり、上記商品が現に販売されていることを示している。

また、乙第4号証は、光和株式会社による平成11年10月12日付けの証明書であり、上記の契約及び取引があった事実を証明するものである。

(3)乙第2号証の織りネームに表示されている商標は、本件商標と同一の「オーラレイ」の称呼のみが生じ、本件商標と別異の称呼及び観念が生ずる余地もないから、乙第2号証における本件商標の使用形態は、社会通念上、本件商標と同一のものである。

(4)以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、取り消しの対象となった指定商品「被服」に含まれることが明らかな「子供用パジャマ」について通常使用権者が使用していたものである。

4 当審の判断

本件商標は、別掲に示すとおりの構成よりなるところ、被請求人は、これをその指定商品中の「子供用パジャマ」に使用しているとして乙各号証を提出しているので、以下、検討する。

(1)乙第1号証は、協和繊維包装株式会社(被請求人)が、光和株式会社に本件商標の使用を認めた平成10年6月1日付けの商標の使用権設定契約書であり、これより、光和株式会社は、商品「子供用パジャマ」について、本件商標の通常使用権を有するものであることが確認できる。

(2)乙第2号証は、織りネームであり、そこに、「OLLA’LEI」 の文字が、赤、青、グリーンで色付けされて表されている。

(3)乙第10号証は、光和株式会社が作成した株式会社キャロット宛の「子供用パジャマ」の納品書(控)であり、これより、光和株式会社は、「子供用パジャマ」48個を平成11年3月1日に、株式会社キャロット千里中央店に販売したことが確認できる。

(4)乙第12号証は、商品「子供用パジャマ」の写真であるが、そこには、赤、青、グリーンで色付けされた「OLLA’LEI」 の文字を表示したタグ及び同様の文字を表示した織りネームが付けられており、それらの文字は、乙第2号証に表示された文字と同じ態様で表されたものであることが確認できる。

上記(1)ないし(4)に示す乙各号証及び答弁の理由を総合すれば、本件商標の通常使用権者である光和株式会社が、本件審判請求の予告登録日の5月程前に子供用パジャマを販売したこと、そして、その子供用パジャマには「OLLA’LEI」の文字を表示した織りネーム及びタグが付されていることが確認できるものである。

そして、織りネームに表示された「OLLA’LEI」の文字は、書体に変更を加え色彩を施しているものの、本件商標と同じ綴りの欧文字を表してなるものであって、本件商標と同一の称呼を生ずるものであり、本件商標と社会通念上同一の商標であると認め得るものである。

そうとすれば、本件商標と社会通念上同一と認め得る商標が、その指定商品中の「被服」に含まれる「子供用パジャマ」について、通常使用権者により、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用されたものということができる。

してみれば、本件商標の登録は、その取消請求に係る商品「被服」について、商標法第50条の規定によりこれを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。