結論テキスト
その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2001−35243(T2001−35243/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4438437号商標(以下「本件商標」という。)は、「HEAD」の欧文字と「ヘッド」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成11年11月2日に登録出願され、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,遊園地用機械器具,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,保安用ヘルメット,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、平成12年12月8日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録は無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
請求の理由
本件商標を構成する「HEAD」及び「ヘッド」の文宇は、「頭、首、頭部」等の意味で広く一般に知られている英語及びその外来語よりなるものである。
そして、これらの語は、人や動物に対してのみならず、ものに対しても上部又は先端部を表す語として用いられており、指定商品との関係においては「(テープレコーダーなど磁気記録装置の)ヘッド」(甲第2号証)、「録音・録画器の、テープに触れて磁気を媒介する部分」(甲第3号証)、「記録媒体上のデータを読取ったり,書込んだりするための機構」(甲第4号証及び甲第5号証)を表すものである。
このように該語は、一般的な用語として身近な辞書類に掲載されているばかりでなく、現実の商取引においても一般に広く使用されているものである。このことは、キャノン電子(株)ホームページの製品情報の中の「ヘッドを知り尽くした当社の技術」の記載(甲第6号証)、Actisホームページの「AVライフを快適にするアクセサリー」の中の「ヘッド消磁兼用ヘッドクリーナー」、「ヘッドの帯磁を除去する・・」、「ヘッド消磁器」の記載(甲第8号証)、Nakamichiホームページの「アクセサリー・メンテ用品」の中の「ヘッド・イレーザー」に関し「2ヘッド機では、録音時に、ヘッドに電流をかけるため、磁化してしまった磁気が若干取れてゆきますが、3ヘッド機では、再生ヘッドは・・ヘッドの位置の関係で」の記載(甲第9号証)からみても明らかである。
このような実情からすれば、「HEAD」及び「ヘッド」の語は、「記録媒体上のデータを読取ったり、書込んだりするための機構」について普通名称として使用されているものということができる。
また、「ヘッド」を重要部品とする機械器具は、当初は主として録音・録画機器が中心であったが、コンピュータプログラム等の記録媒体や乗車・乗船券、航空券、プリペイドカード・キャッシュカード等の各種カード類などの記録が付される対象物の拡がり、磁気記録物の利用形態の多様化によって、AV・OA機器に止まらず、産業用・商業用の機器にも広くみられるようになっている(甲第5号証ないし甲第7号証)。
以上の事実関係からすれば、本件商標は、これをその指定商品に使用するときには、「磁気ヘッド」及び「磁気ヘッドを用いた商品」について商品の普通名称、品質、用途を表示したものとして認識されるにすぎず、それ以外の商品について使用するときには、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるをえない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、同法第46条第1項の規定により、その登録は無効とされるべきものである。
被請求人は、本件指定商品中「変換器,磁気ヘッド,磁気ヘッドイレーザー,磁気へツドクリーナー」を除き、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
答弁の理由
(1)請求人が挙証した甲第2号証ないし甲第9号証では、「ヘッド(head)」が「磁気ヘッド」の意味を有する用語であり、商品「磁気ヘッド、磁気ヘッドイレーザー、磁気ヘッドクリーナー」が若干数のホームページで紹介されていることのみが示されている。
(2)被請求人は、上記甲第2号証ないし甲第9号証を検討の結果、『「HEAD」及び「ヘッド」の語は、「記録媒体上のデータを読取ったり、書込んだりするための機構」について普通名称として使用されている』とする請求人指摘はこの部分に限っては認める。したがって、本件商標の指定商品中、「磁気ヘッド」、その上位概念あるいは別の概念を含む「変換器」、「磁気ヘッドイレーザー」及び「磁気ヘッドクリーナー」については、商標法第3条第1項第3号の規定に該当するとの請求人主張を容認する。
しかしながら、上記商品以外の残りの指定商品については、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号には該当しないので、証拠とともにその理由を主張する。
(3)本件商標を構成する「head(ヘッド)」は、例えば、甲第2号証の「リーダーズ英和辞典」には、「(テープレコーダーなど磁気記録装置の)ヘッド」以外にも、「頭,首,頭部」、「生命」など、子細に見ていくと名詞だけでも20個以上の多数の意味観念を有する訳語が掲載されている。乙第1号証に示す研究社発行の「新英和大辞典」では、「head」の訳語は34個の見出しに分類されている。
また、同様に、甲第3号証の「広辞苑」にも、「あたま。頭部。また、ものの先端部。」を初めとして5種類の意味合いが掲載されており、「録音・録画器の、テープに触れて磁気を媒介する部分」の意味は最後に掲げられている。
さらに、主として中学生の英語学習を対象とした、三省堂発行の「初級クラウン英和・和英辞典」(1997年発行)(乙第2号証)でも、「head」には、先ず「頭,首,顔」の意味が掲載され、その後に「頭脳,形・位置が「頭」に似たもの,かしら」等の意味が掲載されている。ここには、請求人が指摘している「記録媒体上のデータを読取ったり、書込んだりするための機構」に相当する訳語は一切掲載されていない。この英語を初めて学習する中学生用の辞書に示されているように、「head」の訳語としては「頭,首,頭部」の方がより一般的に親しまれ、日常的に頻用されているため、「head」をもって、「記録媒体上のデータを読取ったり、書込んだりするための機横」と先ず第一に把握或いはイメージする者は殆どいないと言える。
このように、「head(ヘッド)」は、「頭,首,頭部」等を始めとした多彩な意味を持つ用語であり、少なくとも「変換器,磁気ヘッド,磁気ヘッドイレーザー,磁気ヘッドクリーナー」以外の本件商標の指定商品については、決して請求人が指摘する「記録媒体上のデータを読取ったり、書込んだりするための機構」のみの意味合いが直ちに生じてくるものではなく、上記したような複数の意味観念が少なくとも同等程度以上に生じる可能性を有する。
換言するならば、「head(ヘッド)」からはある特定の唯一の観念が想起され得るものではないのである。従って、「head(ヘッド)」から特定の意味観念が生じないのであるから、指定商品との関係においても、その品質、用途等を直接的・具体的に表示することには決してなり得ない。
以上のことから明らかなように、本件商標は、指定商品との関係において、商品の品質、用途等を直接的に表示する商標とは言い得るものではなく、十分に登録要件を充足する商標であると確信する。また同様に、品質の誤認が生じるほど具体的に何らかの品質を示しているものではないから、当該商品以外の商品に使用しても、何らその品質に誤認を生じさせることにはならないことも明白である。
(4)以上述べてきたように、『本件商標は、これをその指定商品に使用するときには、「磁気へッド」及び「磁気へッドを用いた商品」について商品の品質、用途を表示したものとして認識されるにすぎず、それ以外の商品について使用するときには、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある』との請求人主張に対し、被請求人は本件商標の指定商品中「変換器,磁気へッド,磁気へッドイレーザー,磁気ヘッドクリーナー」に限っては、上記請求人主張を容認する。
しかしながら、その他の指定商品については、「head(ヘッド)」が多数の意味観念を有する用語であるため、例えば請求人が指摘するような「磁気ヘッド」、「磁気ヘッドを用いた商品」など特定の意味観念が直感され商品の品質、用途を表示していると認識されることはあり得ない。従って、上記「変換器,磁気ヘッド,磁気ヘッドイレーザー,磁気ヘッドクリーナー」以外の指定商品については、上記請求人主張は成り立たないと確信する。
ちなみに、被請求人は、昭和34年法による商品区分第11類に属する「電気機械器具、電気通信機械器具(但し、変換器、磁気ヘッドを除く)、電子応用機械器具、電気材料」を指定して、乙第3号証に示す商標「ヘッド/HEAD」を登録第2602148号として所有している。
この、登録商標「ヘッド/HEAD」については、審査の過程で、商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶理由を受けている。その後拒絶査定となったものの、審判において、指定商品中、「電気通信機械器具」を『電気通信機械器具(但し、変換器、磁気へッドを除く)』に補正して、『変換器』と『磁気ヘッド』とを指定から外したことにより、原査定の拒絶理由は解消したと認定され(乙第4号証)、最終的に登録となっている。
以上述べたように、本件商標「HEAD/ヘッド」は、「変換器,磁気ヘッド,磁気ヘッドイレーザー,磁気ヘッドクリーナー」以外の指定商品に使用した場合において、十分識別力を備えており、商標法第3条第1項第3号に該当するものでは決してなく、また、品質の誤認が生じるほど、具体的に何らかの品質を示しているものでもないから、商標法第4条第1項第16号に該当するものでもないことは明白である。
本件商標は、上記のとおり「HEAD」「ヘッド」の文字よりなるところ、甲第2号証ないし甲第5号証の英和辞典等によれば、「head」「ヘッド」の語について「(テープレコーダーなど磁気記録装置の)ヘッド」、「録音・録画器の、テープに触れて磁気を媒介する部分」、「記録媒体上のデータを読取ったり、消去したり、書込んだりするための機構」等と記載されていることが認められる。
また、甲第6号証のキャノン電子株式会社ホームページには、製品情報の中の「ヘッドを知り尽くした当社の技術は、...」、甲第8号証のActisホームページには、「AVライフを快適にするアクセサリー」の中の「ヘッド消磁兼用ヘッドクリーナー」、「ヘッドの帯磁を除去する...」、「...へッド消磁器」、甲第9号証のNakamichiホームページには、「アクセサリー・メンテ用品」の中の「ヘッド・イレーザー」に関し「2ヘッド機では、録音時に、ヘッドに電流をかけるため、磁化してしまった磁気が若干とれてゆきますが、3ヘッド機では、再生ヘッドは...。...ヘッドの位置の関係で...」等と「ヘッド」の語が「記録媒体上のデータを読取ったり、消去したり、書込んだりするための機構」を表すものとして、普通に使用されている事実が認められる。
そうすると、請求人の提出に係る上記甲各号証を総合勘案すれば、「HEAD」「ヘッド」の文字よりなる本件商標に接する取引者・需要者は、これより「磁気ヘッド」等の機械器具のヘッド部分の意を容易に理解、認識するものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品中「変換器,磁気ヘッド,磁気ヘッドイレーザー,磁気ヘッドクリーナー」について使用する場合、取引者、需要者にその商品の品質(構成部分名称)、用途を表示する文字として認識されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有しないものといわざるを得ない。
しかしながら、本件商標は、その余の指定商品に使用する場合、それらの商品の品質、用途等を直接かつ具体的に表すものとは認め難いものであって、自他商品の識別標識としての機能を有しないとすべき相当の理由がなく、また、それらの商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるとすべき理由もないものである。
したがって、本件商標は、その指定商品中「変換器,磁気ヘッド,磁気へッドイレーザー,磁気ヘッドクリーナー」について、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであり、同法第46条第1項の規定により、その登録は無効とすべきであり、その余の指定商品については、同法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に違反して登録されたものでないから、請求は成り立たない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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