結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2000−35137(T2000−35137/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
1.本件商標
本件登録第4239543号商標(以下「本件商標」という。)は、平成8年9月12日に登録出願され、「SIMPLE」の文字を横書きしてなり、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料(但し、「トマトジュース」を除く。)」を指定商品として、平成11年2月12日に設定登録されたものである。
2.請求人の引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する商標は、「Simply」の文字を横書きしてなり、第32類「清涼飲料,果実飲料」を指定商品として、平成6年8月16日に登録出願され、平成9年9月5日に設定登録された登録第3344228号商標(以下「引用商標1」という。)、同じく「Simply」の文字を横書きしてなり、第32類「清涼飲料,果実飲料(トマトジュースを除く)」を指定商品として、平成6年11月17日に登録出願され、平成10年2月27日に設定登録された登録第4118150号商標(以下「引用商標2」という。)及び「SIMPLY SODA」の文字を横書きしてなり、第32類「炭酸水,その他の炭酸入り清涼飲料,炭酸入り果実飲料(トマトジュースを除く)」を指定商品として、平成6年10月18日に登録出願され、平成10年1月9日に設定登録された登録第4099311号商標(以下「引用商標3」といい、一括して「引用商標」という。)である。
3.請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録は、その指定商品中『清涼飲料, 果実飲料(但し、「トマトジュース」を除く。) 』についての登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
(1)本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同第4条第1項第11号、同第15号及び同第16号の規定に該当するものであって、同法第46条第1項第1号の規定により、その登録は無効とされるべきものである。
以下にその理由を述べる。
(2)請求人は、登録第3344228号商標「Simply」、登録第4118150号商標「Simply」及び登録第4099311号商標「SIMPLY SODA」等の引用商標の商標権者である。
そして、引用商標はいずれも「Simply」の欧文字を要部とするものであるから、これより「シンプリ」の称呼を生じ、またこの欧文字が英語の「simply」に相当するものであるから「単純に」、「無邪気に」といった観念を生ずることは明らかである。
一方、本件商標は前記の通りであるから、英語の「simple」に相当し「シンプル」の称呼及び「単純な」、「無邪気な」といった観念を生ずるものである。
そこで、本件商標と引用商標を比較するに、両商標は語源を同じくする「simple」及び「simply」の英語にそれぞれ相当するものであるところ、これらの語は用法として副詞的に用いられるか形容詞的に用いられるかという僅かな差異があるのみで、実質的に同一の意味を有する語である。
したがって、本件商標と引用商標は観念を同一にする類似の商標である。
また、本件商標より生ずる「シンプル」の称呼を引用商標より生ずる「シンプリ」の称呼と比較しても、4音という構成音数のうち僅かに語尾における「ル」と「リ」という1音の差異があるのみである。称呼全体として4音という短い構成音数であるとは言え、語尾音は一般的に聴取しにくく印象に残りにくい音であるところ、「ル」と「リ」の差異音は子音を共通にする上に母音の「u」音と「i」音は比較的近い音である。したがって、「ル」と「リ」の近似音が語尾に位置する場合には彼此聴別することは極めて困難であり、まして、上述の通り「simple」と「Simply」では観念上も実質的に同一であるため、そうした観念上の同一性とも相まって、両称呼の聴別は一層困難となる。
更に、本件商標「SIMPLE」と引用商標「Simply」の外観を比較しても、両商標は僅かに末尾の「E」と「y」の欧文字1字に差異があるのみで、末尾の文字は一般に記憶に残りにくく、両商標の観念が実質的に同一であることとも相まって、外観上も彼此相紛らわしいものである。
以上のことより、本件商標は、その称呼、観念及び外観において引用商標に類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に該当する。
(3)次に、引用商標は請求人の業務に係る商品を表示する商標として世界的に周知著名である。これを立証するものとして請求人会社の副社長による宣誓陳述書(甲第2号証)を提出する。これに陳述されている通り、請求人会社は1983年に設立された後、急成長を遂げて、世界でも最大規模の倉庫型小売店となっている。引用商標は1993年に採択され、請求人会社のいわゆるプライベートブランドとして清涼飲料に使用されてきた。そして、請求人は引用商標を商品カタログや月刊誌等において積極的に宣伝広告をしてきた。また、請求人本国である米国はもとより、カナダ、メキシコ、ホンジュラス、中国、マカオ、マレーシア、韓国等の世界各国において引用商標「Simply」、「Simply Soda」は商標登録されている。
更に、引用商標に係る商品の日本における売上げは、本件商標の出願時である1996年9月の時点で既に560万ドル以上に達しており、無論米国を始めとする他の地域での売上げも7500万ドル以上となっていた。こうした驚異的な売上げが示すとおり、引用商標「Simply」は清涼飲料に係る商標として一般需要者間に深く浸透しており、本件商標の出願時までには、引用商標「Simply」は国際的に周知著名な商標となっていた。
本件商標「SIMPLE」が引用商標に類似するものであることは上述の通りであるので、本件商標がその指定商品である清涼飲料などに付された場合、これに接する需要者はその商品が請求人の業務に係る商品であると誤認することになる。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定にも該当する。
(4)本件商標は上述の通り英語の「simple」に相応するものであるところ、この語は「単純な、無邪気な」といった意味の他に「混じりけのない、純粋の」といった意味も有しており、例えば甲第3号証に示すように、「simple syrup」(単シロップ)、「simple sugar」(単糖)などのように用いられている。
「シロップ」は、本件商標の指定商品に含まれている商品であるところ、上記「simple syrup(単シロップ)」は白糖850グラムに蒸留水を加えて1000ccにした溶液を意味するものであるので、本件商標「SIMPLE/シンプル」を商品「シロップ」に使用した場合に、これに接する需要者は、単にこれが「simple syrup(単シロップ)」であることを表示するものとして認識するに過ぎない。また、「単シロップ」以外の商品に本件商標「SIMPLE/シンプル」が使用された場合は、その商品の品質につき、恰もそれが「単シロップ」又はこれを成分とするものであるかのように誤認することになる。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3項又は同第4条第1項第16号の規定にも該当する。
(5)被請求人の答弁に対する弁駁
被請求人は、引用商標「Simply」より生ずる称呼は「シンプリー」であると主張し、本件商標「SIMPLE」とは「ル」と「リー」の差異音により容易に区別されると主張する。しかしながら、甲第4号証として提出する宣誓書に添付の写真には、それぞれ「シンプリ/レモンライム・グレープ」の記載及び「USAシンプリーコーラ」の記載が写されており、これより引用商標「Simply」は「シンプリ」及び「シンプリー」の双方の称呼を生ずることは明白である。
したがって、引用商標「Simply」より「シンプリー」の称呼のみを生ずるとの被請求人の主張は失当である。
次に、両商標の観念類否については、被請求人は外国語の語源を同じくする言葉の派生語からなる商標を観念的に統合して出所を同一視する場合があることを肯定し、その条件として日本における当該商標の周知性を挙げ、その上で引用商標「Simply」の日本における宣伝広告関係の資料が提出されていないと主張する。しかしながら、引用商標に係る商品の日本における売り上げ高については、審判請求書において述べた通りであり、また、上述の甲第4号証においても改めて1994年から1996年にかけてのアライド・ホールディング社、ケインツ・コーポレーション社及びハナマサへの商品出荷数量について述べられている。これら3社のそれぞれに対して年間30〜40万ケースが出荷されていたが、1ケースが24本入りであるのでこれら3社を介してだけでも、年間2160万〜2880万本程度は日本に輸入されていたことになる。また、日本における販売状況は、甲第4号証に添付の写真(写し)に表されている。
更に、甲第5号証として提出する宣誓書には、甲第4号証の商品出荷状況を裏付ける具体的資料として、アライド・ホールディング社、ケインツ・コーポレーション社及びハナマサへの商品出荷時のインボイス写しが添付されている。これらインボイスには「Simply soda Cola」、「Simply Lemon Lime」等の記載が明記されており、引用商標を付した商品が相当数我が国に輸入されてきた事実を客観的に表しているものである。
また、被請求人は、本件商標「SIMPLE」は日本人の間にも極めてよく知られて英語である一方、引用商標「Simply」は「SIMPLE」程には知られていない旨を主張する。しかしながら、我が国英語教育の水準からすれば、多くの場合、形容詞の末尾に「ly」を組み合わせれば副詞になると言うことは平均的な日本人需要者にとり明らかであり、英語の「simple」がよく知られているのであれば、その末尾を「ly」としている「simply」が「simple」の副詞であることは容易に理解される。したがって、本件商標「SIMPLE」が引用商標「Simply」と語源を同じくする観念類似の商標であることは明らかである。
次に、被請求人は、本件商標が全て大文字からなるのに対して、引用商標が語頭文字のみを大文字としてその他が小文字で綴られていることをもって、外観上、両商標が相違すると主張している。しかしながら、我が国商標プラクチスでは、全て大文字で表されている登録商標を小文字の態様で使用しても社会通念上の同一性の範囲内とされている。かかるプラクチスとの均衡上、外観類否は、大文字・小文字の差異ではなく、綴り字の共通の有無から判断すべきものであり、この点、本件商標と引用商標とでは、その構成文字6文字のうち実に5文字を共通とし、僅かに末尾の1文字のみが相違するだけである。一般人の通常の注意力からすれば、前半部分における相違であれば容易に認識できるかも知れないが、末尾の1文字の相違は見落とされがちである。したがって、本件商標と引用商標が外観上相紛らわしいものであることは明らかである。
最後に、本件商標「SIMPLE」は、英語の「simple」に相当し、この英単語が「混じりけのない、純粋の」などの意味を有していることから、これを指定商品に使用した場合、「変な化合物などが混じっていない飲物」と言った意味合いを想起させるものである。したがって、本件商標は、指定商品の品質等を意味する言葉として認識されるに過ぎず、商標法第3条第1項第3項又は同第4条第1項第16号の規定に該当するものである。
4.被請求人の主張
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証の1及び乙第1号証の2を提出した。
(1)請求人が、本件商標「SIMPLE」と引用商標「Simply」は類似であるとする称呼類似の根拠としてあげる引用商標から「シンプリ」という称呼が生じるという主張については、日本人で英語にあまり堪能でない人であっても、末尾が「ly」という綴りで終わる言葉は普通その語尾音を長く伸ばして発音する。すなわち、「Simply」は「シンプリー」と発音されるのが極めて自然であることを理解している。請求人が甲第1号証として提出した引用商標の詳細を示す資料にも特許庁では「シンプリー」という称呼のみを付しており「シンプリ」を付してはいないことがわかる。すなわち、本件商標はまさに「シンプル」な称呼音であるが、引用商標からは「シンプリー」という語尾音が長音となり1音多い称呼音で発音される商標であって、単純に語尾音がラ行音の差違に過ぎないとは言えないものである。
したがって、称呼上、両者は4音と5音という音量の差に加え発音方法を異にする「ル」と「リー」の音質・音調自体の差があり、両者は容易に区別されるものであって、請求人の主張は理由が無いものと言わざるを得ない。
次に、観念類否の点についての形容詞と副詞の差に過ぎず実質的には意味が同じであるという主張であるが、本件のように、形容詞と副詞、名詞と形容詞など語源を同じくする英語の商標は多数併存登録されている。
(2)請求人は、引用商標が周知の商標であると主張するが、日本における具体的な使用実績及び宣伝広告関係の資料は全く提出されていない。
請求人は、米国でユニークな店舗展開を行っているいわゆる小売業であると説明しているにすぎない。売り上げの数字が出ているが、本件指定商品との関係において具体性が全くない。したがって、本件商標「SIMPLE」の指定商品との関係においてもその他の商品との関係においても引用商標は周知の商標であるとは言えない。
本件商標「SIMPLE」は日本人の間にも極めてよく知られた英語である。一方、引用商標「Simply」はこれと語源を同じくし副詞的に用いられる言葉であるが、「SIMPLE」ほどには使われておらず、その意味も「SIMPLE」ほどには知られていない。取引市場における自他商品識別標識としての商標を単に意味において類似するというだけで観念類似と判断することは出来ない。したがって、出所表示機能を果たす商標として、両者を観念的に結び付けることは考えられない。
次に、請求人が主張する外観類似については、引用商標は語頭の文字は大文字その他が小文字で綴られているが、本件商標はすべて大文字から成る商標であること、語尾の「E」と「y」はその形態を大いに異にすることから外観上、両者を混同することはありえない。このような相違に過ぎない言葉が過去において多数登録されている。
以上のとおり、引用商標は周知ではなく、幾つかの外国において登録されている事実はこれを認めるものであるが、本件商標とは類似する商標ではない。また、請求人作成の宣誓陳述書はその裏付けを欠くものであって採用されるべきではない。よって、本件商標が商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するとの理由はないと判断されるべきである。
(3)本件商標が商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するとの理由については、請求人が提出したリ一ダーズ英和辞典で説明されている、「simple sugar」や「simple syrup」は本件指定商品ではない。添付の日本工業技術連盟発行「薬剤師国試対策」及び唐川書店発行「薬科学大辞典」の記述によれば、「simple syrup」(単シロップ)は医薬品としての「シロッフ剤」の一種である。「単シロップ」は「白糖の水溶液」と説明されているが、実際の商品は全量1000ml中850mlが白糖であるところのほぼ粘液上の商品である。 薬を飲みやすくするための矯味剤あるいは賦形剤として使われる。また、「simple sugar」についても化学物質としての糖類の一種である「単糖」を意味するが、これと本件指定商品と如何なる関係において品質表示であると主張しているのか理解できない。
(4)以上述べたように、請求人の主張のいずれにも理由はない。
5.当審の判断
(1)商品の品質表示該当性
本件商標は、前記のとおり「SIMPLE」の欧文字を横書きしてなるところ、甲第3号証によれば、該文字は「簡単な、単純な、純粋の、まじりけのない、無邪気な」等の意味を有する英単語であることが認められる。また、同号証には「simple sugar」の語が「単糖」を意味し、「simple syrup」の語が「(薬)単シロップ(500gに蒸留水を加えて1000ccにした溶液)」を意味することがそれぞれ掲載されている。
しかしながら、該「SIMPLE」の文字が、その指定商品(特に、清涼飲料、果実飲料)との関係において、上記の語意から直ちに商品の品質を直接・具体的に表したものとして看取されるとはいえず、また、その他の請求人提出の証拠によっても、当該文字(語)が取引上商品の品質を表示するものとして普通に使用されている事実等、その品質を表示するものであると認め得る証左は見出せない。さらに、上記の「単糖」は、単糖類を表す物質と認められるものであり、また、「単シロップ」も、被請求人より提出された乙第1号証の1によれば、医薬品としての「シロップ剤」の一種と認められるものであって、本件商標の指定商品と直接的に関係するものとは認められない。
してみると、「SIMPLE」の欧文字は前記の意味を有する語であるとしても、これが本件商標の指定商品中「清涼飲料、果実飲料(トマトジュースを除く。)」について使用された場合、その品質等を表示する標章として取引者・需要者に認識されるものとは認められない。また、上記商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものとは認められない。
(2)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標は、その構成態様は前記のとおりであって、引用商標1及び引用商標2が、語頭の文字は大文字その他が小文字で表されているのに対し、本件商標は、すべて大文字からなるものであり、さらに、語尾の「E」と「y」の文字の差など明らかな差異を有するものであるから、両者は、外観において、十分に区別し得る商標と認められる。また、本件商標と引用商標3とは、外観において判然と区別し得る差異を有するものである。
次に、称呼についてみるに、本願商標は、前記のとおり「SIMPLE」の欧文字よりなるから、その構成文字に相応して「シンプル」の称呼を生ずること明らかである。
これに対し、引用商標1及び引用商標2は、前記のとおり「Simply」の欧文字よりなるものであり、その構成文字に相応して「シンプリー」の称呼を生ずるものと判断するのが相当である(なお、請求人は、これより「シンプリ」の称呼も生ずるとして、商品の陳列された写真(甲第4号証)を提出しているが、これが「Simply」の欧文字より「シンプリ」の称呼を生ずることを裏付ける証左とは認められない)。また、引用商標3は、前記のとおり「SIMPLY SODA」の欧文字よりなるところ、構成中の「SODA」の文字は指定商品(炭酸水など)との関係において、その品質を表示するものであるから、これを一連に称呼した場合の「シンプリーソーダ」の称呼のほか、該「SODA」の文字部分を省略した「シンプリー」の称呼も生ずるといえるものである。
そこで、本件商標より生ずる「シンプル」の称呼と、引用商標より生ずる「シンプリー」の称呼とを対比するに、両称呼は、4音と5音の音構成からなり、その音数に差があるうえ、帯有する母音が近似したものとはいえない「ル(ru)」と「リ(ri)」の差異に加え、後者は長音を伴うものであるから、これらの差異が比較的短い両称呼に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称呼するときは、語感語調が異なり相紛れるおそれはないものというべきである。また、引用商標3より生ずる「シンプリーソーダ」の称呼と比較しても、音構成、構成音数に顕著な差異があるから、称呼上、相紛れるおそれは認められない。
次に、本件商標と引用商標を観念についてみると、「simple」と「simply」の両語は、請求人が述べるとおりその語源を同じくする英語であって、それぞれ用法として副詞的に用いられるか形容詞的に用いられるかの差異であると認められるが、「simple(シンプル)」の語が外来語にもなっているほどに我が国において極めて親しまれたものであるのに対して、該「simply」の語はそれ程親しまれたものとはいえないことから、両者間でその語意において混淆するものとは認められず、本件のように上記の品詞関係にあることをもって、直ちに両者が観念上において、相紛れるおそれがあるものとはいえないと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても類似する商標とはいえないものである。
(3)出所の混同のおそれの有無
提出に係る甲各号証によれば、請求人(会社)が倉庫型店舗での小売営業を行っており、「simply soda」の欧文字よりなる商標は、「清涼飲料」の商標として使用されていたことが認められる。しかしながら、これらの証拠(甲各号証)は宣誓陳述書及び宣誓書を主とするものであって、これに商品出荷時のインボイス(写し)等が添付されてはいるが、他に前記商品についての使用の実績・程度を具体的に裏付ける資料はなく、本件商標の出願時において、引用商標が需要者の間に広く認識されるに至っていたことを認めるには不十分なものといわざるを得ない。
そして、前記認定のとおり、両商標は相紛れるおそれのない別異の商標であり、その他、両商標間に誤認混同を生じる事由は認められないから、本件商標をその指定商品中の「清涼飲料、果実飲料(トマトジュースを除く。)」に使用した場合、本件商標に接した需要者をして引用商標又は請求人を想起・連想させることはないといえるものである。
したがって、本件商標は、請求人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがあるとは認められない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中「清涼飲料、果実飲料(トマトジュースを除く。)」について、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第11号、同第15号及び同第16号に違反して登録されたものではなく、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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