Trademark Appeal Case
要部抽出と称呼の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第90465号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | other |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4219402号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成9年8月4日に登録出願され、「サクセスターン」と「SUCCES TURN」の文字を二段に横書きしてなり、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料類,つけまつ毛」を指定商品として、平成10年12月11日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立の理由
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、「サクセス」の文字よりなり、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)、歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)、香料類」を指定商品とする登録第605236号及び「サクセス」「SUCCESS」の文字よりなり、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)、歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)、香料類」を指定商品とする登録第2138742号商標外3件(以下、「引用各商標」という。)を引用し、引用各商標は、申立人の商標として広く一般に知られているから、引用各商標の称呼を含む本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生じるおそれがあるので、商標法第4条第1項第15号に該当する。したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである旨主張している。
3 本件商標に対する取消理由
申立人の提出に係る甲各号証によれば、「サクセス」及び「SUCCESS」の文字よりなる商標は、本件商標の出願前より商品「シャンプー,リンス,ヘアフォーム,ローション,コロン」の商標として我が国において広く認識されていたものとみるのが相当である。
しかして、本件商標は前記構成よりなるものであるが、構成文字全体をもって特定の意味合いを有するものとして、一般に親しまれているとは認められないものであり、構成中の「サクセス」及び「SUCCESS」の文字部分は、申立人が商品「シャンプー,リンス,ヘアフォーム,ローション,コロン」等に使用し広く認識されている「SUCCESS」の欧文字部分の綴りを同じくし、「サクセス」の称呼を共通にするところから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、該商品が申立人の引用商標「SUCCESS」に係る商品の系列のもの、シリーズに属するものであるかのように把握、認識し、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反
して登録されたものである。
4 商標権者の意見
商標審査基準によれば、出願商標を商標法第4条第1項第15号に該当するものであるとする場合における判断にあたっては、
(1)その他人の標章の周知度(広告、宣伝等の程度又は普及度)
(2)その他人の標章が創造標章であるかどうか
(3)その他人の標章がハウスマークであるかどうか
(4)企業における多角経営の可能性
(5)商品間、役務間又は商品と役務間の関連性を総合的に考慮するものとしている(甲第1号証)
また、平成11年7月1日の審査から実施されている改正商標審査基準(甲第2号証)によれば、
(6)特許電子図書館の「日本国周知・著名商標検索」に掲載されている約700件の商標(防護標章登録を受けている商標又は審決若しくは判決で需要者の間に広く認識された商標と認定された商標)は、周知・著名な商標と推認して取扱う
(7)[AIPPI・JAPAN」が作成した「日本有名商標集」に掲載されている商標は、商標審査便覧上周知・著名である可能性がある商標とする、としている。
これを本件商標についてみるに、
(1)本件商標を構成する「SUCCES」及び「TURN」の語は、世上一般によく知られている平易な英語であり、創造語とは言えないものである。
(2)申立人が商品「シャンプー,リンス,ヘアフォーム,ローション,コロン」等に使用する商標「SUCCES」は商品商標といわれるものであって、ハウスマークではない。
(3)「日本国周知・著名商標一覧」(甲第6号証)、及び「日本有名商標集」 (AI1PPI・JAPAN1970年及び1998年甲第17号証)には、「SUCCESS」及び「サクセス」は掲載さ れていない。さらに、防護標章の登録もないし、これらを 周知・著名であると認定した審決、判決も存在しない。
(4)申立人が甲第41号証として提出した、異議決定謄本の事例(商願昭63−101525サクセスストーリーSUCCESS Story)は、平成3年審判第24064号を経て、登録第2724141号商標として登録済みである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して
登録されたものではない。
5 当審の判断
本件商標は、前記したとおり「サクセスターン」と「SUCCES TURN」の文字を二段に横書きした構成よりなるところ、構成文字全体をもって一連の特定の意味合いを有するという事実は見当たらない。
しかして、申立人提出の甲各号証及び職権による調査によれば、「サクセス」及び「SUCCESS」の文字よりなる商標は、本件商標の出願前より申立人の使用に係る商品「シャンプー,リンス,ヘアフォーム,ローション,コロン」の商標として我が国において広く認識されていたものと認め得るところである。
そして、本件商標権者と申立人が「化粧品」等の製造・販売の業を同じくする同種業界に属する会社であることよりすれば、その商標中に前記「サクセス」及び「SUCCESS」の文字を有する本件商標をその指定商品に使用した場合、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
なお、商標権者は審査基準を援用し、また、前掲「日本国周知・著名商標検索」等を挙げて、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当しない旨主張するが、同号を適用するに当たっての引用商標の著名性は、個別具体的に認定すべきものであり、また、援用する審査基準も一般的な基準を掲げたものであって、この基準の全項目に該当しないからと言って、著名性が認定できない訳でも、また、否定される訳でもないから、商標権者の主張は採用しない。
よって、結論のとおり決定する。
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