結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2001−35304(T2001−35304/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
1.本件商標
本件登録第4406492号商標(以下「本件商標」という。)は、平成11年4月15日に登録出願され、「ドットコム」の片仮名文字を標準文字とし、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,受益証券の発行及び募集,信託財産の運用指図,証券投資信託に係る収益分配金及び償還金の支払,有価証券に関する投資顧問契約に基づく助言,有価証券に関する投資情報の提供,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」を指定役務として、平成12年8月4日に設定登録されたものである。
2.請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求める、と申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第10号証を提出した。
(請求の理由)
本件商標を構成する「ドットコム」の文字は、インターネットのホームページアドレスの書式の末尾に付され、企業サイトであることをしめす「.com」の読みとして一般に広く使用されている用語である(甲第2号証)。
エーアイ出版(株)1996発行のエーアイムック230号「ドメインをとろう!」(甲第3号証)によれば、「.com」は、インターネットの管理組織によって割り当てられる公に認められた表示であって、これを含むドメイン名の登録は、全登録数のほぼ60%と圧倒的多数を占め、その他の表示は多いもので全体の6%程度であることからすれば、「.com」は、ドメイン名の末尾を構成する必須の表示として一般に広く知られているものというべきであり、その読みは「ドットコム」として親しまれている。
そればかりではなく、「ドットコム」の言葉の響きが未来志向を感じさせることから、電子商取引の進展とともに増加しているいわゆるインターネットビジネス関連の企業により社名に「ドットコム」の表示が採択される傾向が急増し、それによってこれらの企業は、「ドットコム・カンパニー」と呼ばれている(甲第2号証)。
さらに、ホームページのサイト名称の中に特定の事項を内容とするサイトであることを表示するために「イヌネコドットコム」、「街コミドットコム」、「留学ドットコム」、「髪フサフサドットコム」、「毎日が発見ドットコム」等のように「ドットコム」の語が好んで使用される傾向も見受けられる(甲第4号証)。
一方、電子商取引市場は、1998年には既に9.3兆円の規模に達しており、やがて30兆円の市場に成長するといわれている。電子商取引においては新たな決済手段も注目されており(甲第5号証)、本件商標の指定役務には、電子商取引の決済手段に深く関わる役務を含むものである。そればかりではなく、本件商標の指定役務自体が電子商取引の対象となるものである。
このように、インターネットビジネスは、本件商標の指定役務の分野においても盛んな営業活動が行われており、また、直接的な電子商取引はない場合においても、宣伝、広告、情報の提供等インターネットの利用は不可欠であり、各企業のホームページ上の商号の標記又はサイト名の中に「ドットコム」「.com」が使用されている(甲第4号証ないし同第10号証)。
以上、「ドットコム」の文字は、ドメイン名の必須の表示又はドットコム・カンパニーを示す表示等として認識されるものであるから、本願商標をインターネットの利用と極めて密接な関係を有する本願指定役務に使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものである。
また、たとえ仮名表示とはいえ、インターネットの管理組織の割り当てに係るものを一個人の権利として許容することは商標法の目的にも合致しないものである。
以上のとおり、本件商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、商標法第3条第1項第6号に該当するから、同法第46条の規定により登録できないものである。
3.被請求人の答弁
被請求人は、何ら答弁していない。
4.当審の判断
本件商標は、「ドットコム」の文字よりなるところ、該文字は、インターネットのドメイン名の末尾に付けられる組織形態別コードの一つであって、国際非営利法人から実務を請け負っている米国の会社によって管理され、企業のサイトであることを示すものとして一般に使用されている「.com」の読みを表したものと認められるものである。
ところで、インターネット上の住所に当たるドメイン名には、「.com」「.net」で終わる一般ドメイン名と、「.jp」(日本)や「.uk」(イギリス)等で終わる国別ドメイン名があり、そのうちもともと米国内での利用を想定し、企業向けに考案された「.com」(ドットコム)で終わるドメイン名は、人気のドメイン名として世界全域に広まり、その登録数は全登録数の中で圧倒的多数を占めている実情にある(2000年11月18日日刊スポーツ新聞、2000年12月8日日刊工業新聞、2001年5月26日読売新聞東京朝刊、日刊スポーツ新聞、エーアイムック230号「ドメインを取ろう!」エーアイ出版株式会社発行)。
そして、国内外の得意先との商取引を、インターネットを介して行う電子商取引は、金融業界を含む幅広い分野で行われているのが実情であり、各企業のホームページにはドメイン名が必要不可欠のものとして使用されるから、人気の高い「.com」(ドットコム)の文字が含まれたドメイン名は、電子商取引所において、多くの企業により普通に使用されているものということができる。
そうとすれば、本件商標「ドットコム」を電子商取引が盛んに行われている金融または金融と密接な関連を有するその指定役務に使用するときは、該役務の取引者・需要者は、電子商取引の際に使用する企業のドメイン名の組織形態別コードを表したものと理解するに止まり、自他役務識別標識とは認識し得ないものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は商標法第3条第1項第6号に違反して登録されたものであるから、同法第46条の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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