Trademark Appeal Case
複合商標の称呼と要部
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年異議第90631号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4034371号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成のものであり、第36類「預金の受入れ」を指定役務として、使用に基づく特例の適用を主張して、平成4年9月26日に登録出願、同9年7月25日に登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第36類「預金の受入れ及び定期積金の受入れ,資金の貸付け,内国為替取引,金の保護預かり,外国為替取引」を指定役務として、使用に基づく特例の適用を主張して、平成4年9月30日に登録出願、同8年7月31日に登録された登録第3176413号商標及び別紙に表示したとおりの構成よりなり、第36類「預金の受入れ及び定期積金の受入れ,資金の貸付け,内国為替取引,金の保護預かり,外国為替取引」を指定役務として、使用に基づく特例の適用を主張して、平成4年9月30日に登録出願、同8年12月25日に登録された登録第3234703号商標(以下、合わせて「引用商標」という。)を引用して、本件商標は、「CITY」の文字を含み、「シティ」の称呼を生ずるのに対し、引用商標は、その構成中「BANK」の部分は自他役務の識別力が弱く、要部「CITI」から「シティ」の称呼を生じる。そして、引用商標は日本国内において周知著名な商標であり、又、「CITI」「シテイ」は「シテイコープ・グループ」の著名な略称としてよく知られている。したがって、「シティ」の称呼を生じる本件商標をその指定役務に使用すると申立人の業務に係る役務との間で出所の混同を生じるおそれがあり、又、申立人及びその属する企業体「シティコープ・グループ」の著名な略称である「シティ」を含むものである。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。)を提出した。
3 当審の判断
本件商標は、別紙に示すとおり、「CYTY」の欧文字とこの欧文字の2倍程の大きさと太さをもって「スーパーステップ」の片仮名文字を横書きに表してなるから、取引者・需要者にとって、視覚上の印象が強いのはその「スーパーステップ」の片仮名文字といえる。そして、本件商標は、視覚面からみて、その「CITY」の欧文字のみが役務の識別上独立して認識される可能性は低く、むしろ、「スーパーステップ」と称呼される可能性が高く、少なくとも単に「シティー」と称呼されるより、「シティースーパーステップ」と一連に称呼される可能性の方が高いものと認められる。
また、申立人が提出の甲第4号証ないし甲第11号証によっても、申立人を単に「シティー」と略称している例は、簡潔な表示が要求される新聞記事の見出しにおいて時に見受けられる程度であり、その場合も本文においては、ほとんど「シティバンク」ないし「米シティバンク」と表記しており、この表記が我が国において申立人を表す一般的表記とみることができる。
そしてまた、「city」は、都市、都会、市などを意味する英語として日本人に広く知られている単語であって、本件商標中の「CITY」の欧文字は、この単語を大文字で表したものとして認識されるといえる。
以上のようにみてくると、本件商標は、その「CITY」の欧文字を捉えて単に「シティ」と称呼されることのないものというべきであり、また、その「CITY」の欧文字が申立人の略称及びその属する企業体「シティコープ・グループ」の著名な略称とみられあるいはその略称を想起させるとすべき相当の根拠がないものといわざるをえない。
したがって、本件商標は、申立人の略称及びその属する企業体の著名な略称を含むものということはできず、また、これをその指定役務について使用しても取引者・需要者が申立人の業務に係る役務であるかのように出所について混同を生ずるおそれがあるものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
その他、本件商標の登録を取り消すべき理由及び証拠は、発見できない。
よって、結論のとおり決定する。
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