結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2000−35259(T2000−35259/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4215451号商標(以下「本件商標」という。)は、「NATUREA」の欧文字を書してなり、平成9年10月2日登録出願、第3類「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成10年11月27日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録の無効の理由として引用する登録第4304086号商標(以下、「引用商標」という。)は、「ナチュリー」の片仮名文字と「NATURY」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成8年10月29日登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成11年8月13日に設定登録されたものである。
請求人は、結論と同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第3号証を提出した。
本件商標は、その登録出願の日前の出願であって、請求人の所有に係る登録第4304086号商標(以下、「引用商標」という。)と類似の商標であり、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、商標法第46条第1項第1号の規定により無効とされるべきものである。
本件商標は、「NATUREA」の欧文字を横書きしてなり、「ナチュレア」あるいは「ナチュリー」の称呼を生ずるのが相当である。請求人のこのような主張は、本件商標に対する商標登録異議決定によって裏付けされるものである。
一方、引用商標は上段に「ナチュリー」の片仮名文字、下段に「NATURY」の欧文字を二段に併記してなり、構成中の片仮名文字から「ナチュリー」の称呼を生ずるのが相当である。
してみれば、本件商標と引用商標は、共に「ナチュリー」の称呼を生ずること明らかであるから、その称呼において類似の商標である。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、乙第1号証ないし同第12号証を提出した。
本件商標は引用商標と類似の商標であるから商標法第4条第1項第11号に該当するものであると請求人は述べるが、本件商標からは「ナチュリー」と同一または類似となる称呼が生じないため、請求人の主張は理由がない。
両商標の称呼上の類否について検討すると、本件商標に関しては、英単語等の外国語として「NATUREA」に相応する単語が見当たらず、特定の語義を有しない造語として理解される。このようなアルファベットで書されてかつ直ちに英語の読みが特定できない商標に接する場合、需要者・取引者である日本人はローマ字読みで称呼を特定するのが一般的である。「Na」は「ナ」、「re」は「レ」、「a」は「ア」のローマ字表記に相応するため、全体で「ナチュレア」の称呼が生じることになる。特に、本件商標のように、ラ行の音に関する綴りとして「L」でなく「R」を用いた場合、この欧文字の綴りはローマ字表記におけるラ行(「ra」、「ri」、「ru」、「re」、「ro」)として我々が普段よく目にしているため、「R」を用いた「REA」部分からもローマ字読みした「レア」のみが生じることが明白である。
ところで請求人は、本件商標に関して件外登録商標「NATURIE/ナ チュリエ」との類否が争われた登録異議申立て事件の審決中の一文を根拠に、本件商標より「ナチュリア」又は「ナチュリー」の称呼が生ずると主張している。
しかしながら、本件商標の後半部から生じる一般的称呼は「〜レア」であって、これを「〜リー」と称呼する理由はない。「NATUREA」を外国語の中でも最も親しまれた英語読みに倣って読む場合があるとしても、称呼を決する拠り所となるにふさわしい英単語が直ちには見当たらないからである。例えば、綴りの大半を同じくする、よく知られた単語「NATURE」に基づいた場合、「ネイチャー・・」といった称呼が考えられるものの、末尾の綴りとの関係で適切な称呼が得られない。むしろ、「NATUREA」の「NATU」部分は英語「NATURAL」の発音「ナチュラル」に相応して、「ナチュ〜」に基づいた発音がなされ得る。他方「REA」部分に関連しては、尿素を意味する英語「UREA」は、我が国で流通される化粧品の商品名、原材料表示としては、「ウレアローション」、「ウレアクリーム」、「ウレア(尿素)配合」などのように用いられる「urea」の英単語を英語風・ローマ字読み風に発音した「ウレア」の称呼が考えられ、このことから本件商標のように、単語の末尾の綴り「REA」が単語の末尾に位置し、綴りの終わりが「REA」である場合は、まずこの部分を「〜レア」と称呼する傾向にあるのが、この種商品の取引における実情である。
よって、本件商標「NATUREA」は、末尾の「REA」部分が明確にローマ字読みされ、商品に接する需要者・取引者は全体で「ナチュレア」とのみ称呼されるとするのが、取引における経験則であるといえ、ここから「ナチュリー」などといった不自然な称呼が生じないといえる。
請求人が言及した「リー」の称呼は、例えば「rea〜」の後に子音が続いて、その子音(例えば、「read」の「d」、「real」の「l」)まで含めたときには発音する場合が出てくるかもしれないが、商標の末尾において「リー」と称呼することは決してありえない。
他方、引用商標「ナチュリー/NATURY」の欧文字部分も「NATURY」が特定の語義及び称呼をもって親しまれているものではなく、片仮名文字部分は欧文字部分の称呼を特定したものと無理なく判断し得るから、称呼する際は下段に併記した片仮名の表記が上段の欧文字の表音を特定しているものと容易に理解でき、これより「ナチュリー」の称呼のみが生じる。
そこで、本件商標の称呼「ナチュレア」と引用商標の称呼「ナチュリー」を比較すると、両者は前半の「ナチュ」の2音のみを共通にして、後半において「レア」と「リー」の音の差異を有する。そうすると、全体の称呼の長さがいずれも4音と短く、その中の2音、すなわち全称呼の半分が相違している場合、音の違いが称呼全体に与える影響は極めて大きく、全体を通して一連に称呼したときの聴感は大きく異なり、両者は彼此聞き誤るおそれなどなく、称呼上非類似といえる。
「〜REA」のローマ字を用いた商標から「〜リー」ではなく「〜レア」の自然的称呼が生じることは、登録例からも明らかである。すなわち、指定商品「化粧品」における「〜REA」を用いたローマ字構成による登録商標としては、23件が存在している(乙第1ないし同12号証)。このうち、ローマ字の綴りに特定の語義がなく造語として理解される商標の場合、称呼を特定するために併記される片仮名表記は、「REA」のローマ字表記に倣って「〜レア」となっていて、「〜レア」の称呼のみが得られる。
他方、併記された片仮名が「〜リア」のものは、1つの例外を除いて全て「〜AREA」の綴りで成る。これは英語「area」が「地域」等の意味を有するよく知られた単語で、外来語 「エリア」としても知られているため、称呼を特定する際にも「〜エリア」と発音されているものである。このように、片仮名及びローマ字で二段に書された商標で、片仮名表記がローマ字部分の発音を示すことが容易に認識されるならば、この片仮名の称呼のみが生じ、ここから「〜REA」で終わる商標にあっては、これが例えば「AREA」のように有名な英単語を借用したものでなければ、ローマ字読みに従い「〜レア」とのみ称呼される。
すると、片仮名文字が併記されていない商標にあっても、末尾が「〜AREA」でない造語よりなる商標の場合、生じる称呼はローマ字読みに基づくのが一般的で、「REA」のローマ字表記である「〜レア」と発音することが明白となる。本件の場合もローマ字の表記に従い、「rea」部分は必ず「レア」と発音し、商標全体で「ナチュレア」のみの称呼が発生するため、「ナチュリー」と称呼する引用商標とは明確に識別される。
なお、両商標の外観構成については、構成するローマ字において文字が異なり、片仮名表記を併記しているか否かの差異があるため、外観上非類似であること明らかである。また、いずれの商標も特定の観念を有しないから、観念についての比較はなし得ない。
以上のように、本件商標は、外観、観念、称呼のいずれよりしても引用商標とは非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号には該当しない。
本件商標と引用商標との類否について判断する。
本件商標は、「NATUREA」の文字よりなるものであるところ、英語等の外国語において、これに対応する単語がなく、特定の語義を有しない造語からなるものと認められる。
そして、特定の語義を有しないと認められる欧文字からなる商標については、ローマ字風の発音をもって称呼されることがあるばかりでなく、我が国において一般に親しまれた英語等の発音の用例を類推して称呼されることが決して少なくないというのが取引の実情に照らし相当と認められる。
これを本件商標についてみると、その語頭部の6文字が「自然、天然」を意味する英単語として一般に親しまれた「nature」と同一綴りであり、またその形容詞である英単語「natural」が日本語でも「ナチュラル」とそのまま呼び慣わされて通用していることを考慮すると、「NATUREA」の前半部分は、前記の「ナチュラル」を連想させるということができる。また、後半部分の「REA」は、良く知られた英単語「sea(シー)」「tea(ティー)」等から類推して「リー」、「area(エリア)」等から類推して「リア」、「urea(ウレア)」から類推し「レア」などと英語風に読まれ、またローマ字読みでは「レア」と読まれるものと認められる。
そうとすれば、本件商標からは、前記の前半部分「ナチュ・・」と後半部分の発音を組み合わせた「ナチュリー」「ナチュリア」「ナチュレア」の称呼が生ずるものと認められる。
被請求人は、本件商標からは「ナチュレア」の称呼のみが生じ、「ナチュリー」の称呼は生じないと主張している。しかしながら、本件商標の後半部分の「REA」が常に「レア」とのみ発音されるとすべき理由は見出せない。なお、挙示の登録例は片仮名文字を併記することによってその称呼を特定したものというべきである。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して「ナチュレア」のほか「ナチュリー」「ナチュリア」の称呼をも生ずるものとするのが相当である。
他方、引用商標は、「ナチュリー」の片仮名文字と「NATURY」の欧文字を二段に横書きしてなるものであり、各文字とも特定の語義を有しない造語からなるものと認められる。そして、上段に表示された片仮名文字が下段の欧文字の表音を表わしたとみて自然であるから、これよりは、構成文字に相応して「ナチュリー」の称呼を生ずるものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、ともに「ナチュリー」の称呼を共通にするものであるから、観念においては比較すべきもなく、外観において差異があるけれども、称呼において類似する商標というべきものであり、かつ、その指定商品も、同一又は類似の商品である。
しかして、本件商標は、先願に係る他人の登録商標に類似する商標であり、かつ、その指定商品と同一又は類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
したがって、本件商標は前記条項に違反して登録されたものであるから、同法第46条の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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