Trademark Appeal Case
地名商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−13607(T2000−13607/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第9類「眼鏡,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知機,ガス漏れ警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,スプリンクラー消火装置,盗難警報機,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム」を指定商品として、平成10年12月14日に登録出願されたものである。
2.原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、フランスの首都である『パリ』を意味する語として親しまれている『Paris』の欧文字を普通に用いられる方法で表示してなるにすぎないものであるから、これをその指定商品について使用した場合、取引者、需要者をして、単にその商品が『フランスの首都パリで製造又は販売された商品』であることを表したものと理解するに止まるものであって、自他商品の識別標識としてまでは認識しないものと判断するのが相当であるから、これは商品の産地・販売地を表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、本願商標は、需要者の間で広く認識され、自他商品識別力を有するに至っている旨述べているが、提出に係る資料を含め総合的に勘案しても、なお本願指定商品との関係においては、本願商標が需要者の間に広く認識されているものとまでは認められないものである。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
3.当審の判断
(1)本願商標は、別掲に示したとおり、「Paris」の文字よりなるものであるところ、当該文字が、フランスの政治・金融・商工業・文化・観光の中心地であり、特に世界のファッション・芸術の中心地として知られるフランスの首都名「パリ」を表す語であって、我が国においても広く知られて親しまれたものである。(1990年6月30日株式会社三省堂発行「コンサイス外国地名辞典」)
そして、本願商標を構成する文字が、「全体に丸みをもたせると共に、『a』と『r』の文字を下部にて結合させた特徴ある書体で欧文字『Paris』を表してなる」としても、近時、商品の広告、宣伝等において、レタリング文字の使用形態の多様化が進展している実情、また、フランスの首都名を欧文字で表記する場合、第1文字目を大文字、第2文字以下を小文字で表すことは通常行われていることを考慮すれば、本願商標は、普通に用いられる方法の範疇で表示されたものといわざるを得ない。
しかして、「Paris」(パリ)は、フランスの首都名として知られているばかりでなく、本願の指定商品の眼鏡等のいわゆるファッション関連分野においては、翌年のファッション傾向を決定するといわれる世界的なオートクチュール(高級注文服)、プレタポルテ(高級既製服)の新作デザイン発表会であるパリコレクション(Paris Collection)が、毎年2回(春夏もの、秋冬もの)、フランスのパリで開催されていること、被服、カバン、化粧品等をはじめとするフランス高級ブランド品の情報発信地としてのパリが世界的に知られていることが認められる。(1992年4月10日株式会社小学館発行「例文で読むカタカナ語の辞典」)
そして、「Paris」は、その指定商品との関係においては、一般に商品の産地、販売地(取引地)等を表すためのものとして、商品の下げ札等にブランドと共に付され、取引上普通に採択・使用されているのが実情である。
そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、単に、指定商品の産地、販売地(取引地)を認識させるに止まるものであるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有しないものといわざるを得ない。
(2)請求人(出願人)は、本願商標は、使用された結果、需要者の間で広く認識され、自他商品識別力を有するに至っているから、登録されるべきである旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし同第50号証(枝番号を含む。)を提出している。
しかしながら、本願商標が、商品「ベルト、眼鏡、カフスセット及びタオル」等の商品に使用されていることは認め得るが、商品の販売数量、売上高、広告宣伝の回数等の書証は何ら提出されていないものである。
また、本願商標が需要者や取引者の間で周知、著名となっていることを立証するものとして提出した「証明書」(甲第46号証ないし同第50号証(枝番号を含む。))は、記載内容の一部(1.私は、・・・年・・・月頃より上記勤務先にて広告(営業)に関する勤務を担当しております。)について証明者による違いはあるとしても、他の文言はいずれも同一の文言からなり、請求人の依頼事項について「下記のとおりであることを証明いたします。」という型式のものであって、いかなる資料に基づいて証明したか明らかでなく、証明者が客観的に記載し証明したものと直ちに認めることはできないものである。
そうとすれば、本願商標は、使用により自他商品の識別力を存するに至ったものということはできない。
(3)したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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