Trademark Appeal Case
地名と普通名称の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第17282号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「TEXAS CHICKEN」の文字(標準文字)を書してなり、平成9年10月27日に登録出願、その指定商品及び指定役務については、平成11年5月12日付けをもって手続補正書が提出され、第29類「調理済み鶏肉」及び第42類「調理済鶏肉の提供」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『TEXAS CHICKEN』と書してなるが、これは、本願の指定商品及び指定役務との関係においては、『テキサス産の鶏肉』の意を容易に認識させるものであるから、これを、本願の指定商品及び指定役務に使用するときは、単に、商品又は役務の品質、質を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「TEXAS」と「CHICKEN」の文字の間に間隔を置いて「TEXAS CHICKEN」の文字を書してなるところ、その構成中の前半部の「TEXAS」の文字は、アメリカの南部に位置し、アラスカに次いで2番目に大きい州である「テキサス州」を指称する語として我が国でも広く親しまれているものであり、また、後半部の「CHICKEN」の文字も、「鶏肉、チキン」を意味する語として親しまれ、その指定商品又は指定役務を取り扱う業界においては、料理の素材、内容等の品質を表示するものとして普通に使用されているものであるから、その全体よりは、「テキサス産の鶏肉」又は「テキサスのチキン(料理)」程度の意味合いを容易に看取し得るものである。
この点について、請求人は、鶏肉に関する生産高などのテキサス州の全米での順位を指摘し、「TEXAS」が産地を明示するものでない旨主張しているが、商品の産地等を普通に用いられる方法で表示する商標であるというためには、必ずしも、その商品が当該商標の表示する土地において現実に生産等がなされていることを要せず、需要者又は取引者によって、その商品が当該商標の表示する土地において生産等がなされているであろうと一般に認識されることをもって足りると解されるべきものである(最高裁判所昭和60年(行ツ)第68号(昭和61年1月23日言渡)参照)。
そして、テキサス州に関しては、その地名が我が国において広く知られているばかりでなく、請求人提出の資料では鶏肉の生産高が州別で第6位となる程に鶏肉に関する事業が実際に展開されているほか、調理済み鶏肉に関する事業分野をみると、例えば、1979年10月31日の日経産業新聞(9頁)に、「フライドチキン戦争、米から日本に飛び火―12月東京に出店」の見出しの下に「レストラン西武が米国のチャーチズ・フライド・チキン(本社テキサス州サンアントニオ)と提携して、国内でフライドチキン(鳥の唐あげ)のファーストフード事業に取り組むことが正式に決まった。」と、1986年5月8日の日経流通新聞(15頁)に、「キャフトフード、チキンレストランを米西海岸で展開―FCに加盟、まず2店」の見出しの下に「集団給食大手のキャフトフードサービス(本社東京〜)は、米国西海岸でフライドチキンを主力とするファミリーレストランの経営に乗り出した。現地法人の子会社を通じ、米国のチキンレストランチェーン、グランディーズ(本社テキサス州ルイズビル)のFC(フランチャイズチェーン)権を取得、このほど一号店を開いた」と記載されているなど、我が国とテキサス州の事業者の間で取引が行われている実情がある。さらに、例えば、1993年7月8日の産経新聞(4頁)に、「【グルメ the world】TEX―MEX料理『ラ・フィエスタ』」の見出しの下に「TEX―MEX料理は、素朴なテキサス料理とメキシコ料理の要素をミックスさせた新感覚のアメリカ料理。牛肉や鶏肉、野菜を中心に素材の持ち味を生かしたメニューの数々は、ボリュームたっぷり。」と、1999年2月11日の日経流通新聞(10頁)には、「ザパタ(東京・渋谷)テキサス風メキシコ料理(この店持ち味)」の見出しの下に「テックス・メックス料理はテキサス風メキシコ料理のこと。〜ほかにチリチキン、野菜のトマト煮など一品料理が六百円から。チョコレートソースをかけて食べるチキンの網焼き(千六百円)も珍しい。」などと記載されているとおり、テキサス風と称される料理に鶏肉が用いられることも少なくない。
そうとすると、本願商標を指定商品又は指定役務に使用した場合には、その取引者、需要者は、テキサス州と鶏肉とを結び付けることに大きな違和感を感じ、それを一種の造語商標の如く認識するというよりも、その全体より「テキサス産の鶏肉」又は「テキサスのチキン(料理)」程度の意味合いを理解し、その商品又は役務の品質(質)を表示するものと認識するとみるのが自然といえる。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。
なお、請求人は、上述の主張のほかに、過去の登録例及び審決例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨も主張しているが、請求人が示す登録例及び審決例は本件と事案を異にするものであり、同一に論ずることができないことから、採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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