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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成6年審判第17391号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に示すとおり、「にちぶん」の平仮名文字及び「文庫」の漢字とを結合し、これを縦書きしてなり、第16類「書籍,雑誌」を指定商品として、平成4年9月22日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原審において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した登録第732839号商標(以下、「引用商標」という。)は、別紙に示すとおり「日文」の漢字を縦書きしてなり、昭和41年1月15日に登録出願、第26類「印刷物、書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、同42年2月9日設定登録され、該商標権は、同52年8月3日、同62年2月24日及び平成9年1月30日の三回に亘り存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

本願商標と引用商標との類否について判断するに、本願商標は、その構成前記したとおり、「にちぶん」の平仮名文字及び「文庫」の漢字とを結合してなるものであるから、構成前半の「にちぶん」の文字と同後半の「文庫」の文字とは、視覚上自ずと分離して看取されるばかりでなく、観念上もこれら各文字を常に一体のものとして把握しなければならないような格別の事情は存しない。そして、「にちぶん」の文字は特定の語義を有しない造語といえるのに対し、「文庫」の文字は、一般に、「廉価普及を目的とし、古典的作品や既刊の著作物を携帯に便利な小型の体裁にした一群の出版物」と理解されるものである。

加えて、「文庫」の文字(語)は、前記意味合いにおいて、岩波書店の「岩波文庫」を始めとして、「講談社文庫」、「光文社文庫」、「新潮文庫」等、各出版社が一様に書籍の種別(ジャンル)として、これを用い、かつ、いわゆる文庫本を指称するものとして、取引上普通に使用しているのが実情である。

そうとすると、本願商標をその指定商品中の「書籍」について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、後半部の「文庫」の文字は、前記事情よりして、それ自体は出版物の一種別(ジャンル)を表したものと理解するに止まり、その構成中にあって、強く印象づけられるというべき、前半部の「にちぶん」の文字部分に着目し、該文字部分をもって自他商品の識別標識と認識し、これより生ずる称呼をもって簡便に取引に資する場合も決して少なくないというのが商取引の実際に照らして相当である。

してみれば、本願商標からは、「ニチブンブンコ」の一連の称呼を生ずるほか、「にちぶん」の文字部分に相応して単に「ニチブン」の称呼も生ずるものといわなければならない。

他方、引用商標は、その構成前記のとおり「日文」の文字よりなるものであるから、これより「ヒブン」、「ヒモン」又は「ニチモン」の称呼が生ずること必ずしも否定するものでないが、この種の漢字の一般的な読み方の一である音読みをもって、例えば、「日没」「日夜」「日常」をそれぞれ「ニチボツ」「ニチヤ」「ニチジョウ」と読む如く、「日文」の文字を「ニチブン」と読むとするのがより自然であって、その称呼をもって取引に当たる場合も決して少なくないものと認められる。

したがって、引用商標からは「ニチブン」の称呼も生ずるものといわなければならない。

そうとすれば、本願商標と引用商標とは「ニチブン」の称呼を同じくする点で互いに相紛らわしいものであり、かつ、本願商標の指定商品の分野にあっては、電話等、口頭による商取引は普通に行われるところであって、商標より生ずる称呼を無視し、例えば、商標の呈する外観のみをもって取引に当たるという事情はなく、さらに、両商標が観念上の差異をもって識別されるという事情も見出せない。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観・称呼及び観念の各点を総合判断するに、その出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標というべきものであり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品に包含されるものであるから、結局、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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