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Trademark Appeal Case

著名商標と結合商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成6年審判第20485号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「Polo Club」の文字を横書きしてなり、第28類(平成3年政令第299号による改正前の商品の区分。以下同じ)「酒類」を指定商品として、平成3年10月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、登録異議の決定において、「『POLO』の商標はアメリカのデザイナー、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服に使用されて、我が国においても、本願の登録出願時より取引者、需要者間に広く知られていたものであるところ、本願商標は『Polo』を有してなるものであるから、これを指定商品について使用した場合、取引者、需要者は申立人又はその者と経済的若しくは組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)引用商標「POLO」の周知、著名性について

(株)講談社昭和53年発行7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字と共に「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。

そして、(株)洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」、「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」を始め、前記「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年6月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑81年版」、「世界の一流品大図鑑・81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。他に、これを覆すに足りる証拠はない。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Polo」、「ポロ」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決(東京高裁平2(行ケ)183、平成3.7.11)がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標「POLO」は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品等に使用するものとして遅くとも本願の登録出願前までには既に我が国において取引者・需要者間に広く認識され、周知、著名な商標に至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。他に、これを覆すに足りる証拠はない。

(2)出所の混同の虞について

本願商標は、前記構成からなるものであるところ、「Polo」、「Club」がそれぞれ既成の意味を有する語であるから、これらの語を結合してなるものであることは明らかであって、「Polo」の文字部分が1つの語に吸収されて埋没しているものではなく、かつ、全体として不可分一体の既成の観念を示すものとして一般に認識されているものともいい難いものである。

この点について、請求人は、本願商標は「ポロ競技者愛好者の集まり」という一連の観念を有する商標である旨主張するが、本願商標がかかる意味合いを有するものとして、本願に係る指定商品の需要者、その他一般に知られているものとは認められないから、請求人のこの主張は採用することができない。

また、近時、周知、著名商標については異業種へわたって広範囲にライセンスが行われている例がみられる。

そうすると、本件商標は、これをその指定商品「酒類」に使用した場合には、前記実情からして、これに接する取引者、需要者が、その構成中の「Polo」の文字に注目し、前記周知、著名になっている引用商標「POLO」を想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く出所の混同を生ずる虞があるものと判断するのが相当である。

(3)請求人の主張について

請求人は、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものではなく登録されるべきである旨主張し、その理由を以下のように述べ(前示したものを除く。)、甲第1号乃至同25号証を提出しいる。

▲1▼申立人・ザ・ポロローレン社の製造、販売に係る商品は被服等を中心としたアパレル商品であるのに対して、本願に係る指定商品は酒類であり、両商品は原料、用途、品質等において相違する非類似の商品であって、非類似の商品間で出所の混同の虞はない。また、「POLO」は「ポロ競技」を意味する普通名称であるため、造語とは異なり、出所の混同の範囲を拡大するのは相当ではない。

しかしながら、引用商標の著名度及び具体的な取引の実情を踏まえた場合においては、非類似商品であっても、出所の混同の虞があり得ることは、前示認定、判断のとおりである。

また、「POLO」は普通名称であっても、我が国では馴染みの薄いものであって、商標としての周知、著名性は前示したとおりであるから、請求人の主張は理由がない。

▲2▼「Polo Club」は、請求人・上野衣料(株)のオリジナルブランドとして、主に被服などアパレル商品として、また、ライセンスブランドとして高い評価を得ている(甲第1号証乃至同第2号証)。そして、アパレル分野においては請求人の業務に係る商品を表示する周知、著名商標であって(甲第1号証乃至同第10号証)、申立人の商品と区別されている。特許庁の審査においても承認されている(甲第11号証乃至同第14号証)。

しかしながら、本願商標は第28類に属する商品を指定するものであって、主として被服に使用する請求人の商標の事情が本願に係る指定商品についての出所の混同の虞に直ちに影響を及ぼすものとは認め難いと言うべきである。

▲3▼本願商標「Polo Club」の周知、著名性又は引用商標との区別性が、他の異議事件及び審判事件で是認された(甲第15号証乃至同第25号証)。

しかしながら、異議事件及び審判事件(甲第20号証)はいずれも本願に係る指定商品とは異なる商品又は役務に係るものであり、また、他の審判事件は商標法第53条第1項の取消審判であり、本件審判とは、適用条文が相違するものであるから、本件審判に適切な例とはならない。

したがって、請求人の主張はいずれも採用することができないものである。

5 結論

以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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