Trademark Appeal Case
国際機関略称と商標法4条3号
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成7年審判第8941号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「EUREKA」の文字を横書きしてなり、第11類「民生用電気機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成3年2月1日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、平成5年2月17日付手続補正書をもって「民生用電気機械器具」に、更に平成6年11月17日付手続補正書をもって「民生用又は家庭用の電気掃除機」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、通商産業大臣が指定するユーレカの機関を表示する標章と類似するものと認める。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第3号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記構成のとおり「EUREKA」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、1984年、当時のミッテラン仏大統領によって提唱された欧州先端技術共同体構想(European Research Coordination Action)の略称を表示する標章であって、商標法第4条第1項第3号の規定に基づき通商産業大臣が指定(平成6年4月26日号外通商産業省告示第291号)し、平成6年5月1日から適用しているものとその綴りを同じくするものである。
したがって、本願商標は、通商産業大臣が指定する前記標章と同一又は類似の商標というほかなく、商標法第4条第1項第3号に該当し、登録することはできない。請求人は、本願商標は通商産業大臣による指定が行われる3年も前に出願されているものであり、その登録出願時における法律状態を充分考慮すべきである旨主張するが、商標法第4条第1項第3号に該当するか否かの事実の存否判断は、登録出願時ではなく、該判断の最終時、すなわち審査にあっては査定時、審判にあっては審決時を基準とすべきであることは同法第4条第3項の規定より明らかである。したがって、現時点において、商標1法第4条第1項第3号の規定に基づき通商産業大臣が指定する標章と同一又は類似するものと認められる以上、その適用を妨げるべき理由はない。さらに、請求人は、憲法第98条第2項及び商標法第77条第4項で準用する特許法第26条を挙げ、本願の拒絶はこれら条約遵守の規定に反する旨主張するが、商標法第4条第1項第3号は、パリ条約第6条の3(1)(b)の規定を受けて設けられたものであり、当該条約上の目的とするところは、「同盟国が加盟している政府間国際機関の紋章、旗章その他の記章、略称及び名称については、これを工業所有権の対象から排除することにより、当該機関の主権の象徴を管理する当該国際機関等の権利と尊厳を保護することにある」と考えられ、これと同趣旨でもって、一私人に独占させることにより当該国際機関等の尊厳性を害し、公益上支障のあるような標章を商標として登録しない旨を定めたものである。したがって、当該国際機関等を表示する標章と類似するか否かも、該標章と相紛らわしいため当該国際機関等の権威を損じ、同機関の尊厳性を害する程度のものであるか否かを判断の基準とすべきであり、本願商標についてもかかる観点から上記のとおり判断されるとしたものであって、条約遵守の規定に反するとの請求人の主張は失当である。
また、請求人は、ユーレカの標章についての通商産業大臣による指定はWIPOによる指定に基づくものであるから、このWIPOによる指定の撤回を求め、現在交渉中である旨述べているが、相当の期間を経過したに至るも、当該交渉の成否はもとより、交渉事実の存否さえも明らかにするところがないから、これを待つことなく判断した。
よって、結論のとおり審決する。
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