結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2001−35276(T2001−35276/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4045516号商標(以下「本件商標」という。)は、「フォトザらス」の文字を横書きしてなり、平成6年8月30日に登録出願、第42類「写真の撮影」を指定役務として、同9年8月22日に登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第100号証を提出している。
(請求の理由)
本件商標登録は、証拠から明らかなように、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、同法第46条により無効にされるべきものである。
(1)第4条第1項第11号について
本件商標と商標登録第2632095号、同第2632097号、同第2632096号、同第2456603号、同第2414824号及び同第2459045号に係る商標とは、外観が類似し、また、顕著な部分に対応する「ザラス」の称呼を共通にするものであり、その指定役務、指定商品も同一又は類似のものである。したがって、本件商標登録は商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものである。
(2)第4条第1項第15号について
本件商標がその指定役務に使用された場合、需要者は、著名商標「TOYS”R”US」又は「トイザらス」の下に行なわれている業務に係る役務あるいはこれと一定のグループ関係にある会社の役務であると出所について混同するおそれがある。したがって、本件商標登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものである。
(3)第4条第1項第19号について
本件商標は、構成態様が、請求人の著名商標「TOYS”R”US」と酷似しており、請求人の商標と出所の混同が生じることはもとより、請求人の名声に便乗しようとする不正の意図が見られる。したがって、本件商標登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してなされたものである。
(4)第4条第1項第10号について
本件商標は、請求人の著名商標「TOYS”R”US」と出所の混同を生じるほど類似したものであり、その指定役務は、請求人の著名商標「TOYS”R”US」が使用されている広範な商品と極めて密接な関係を有し、類似するといっても過言ではない。したがって、本件商標登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してなされたものである。
(5)第4条第1項第8号について
本件商標は、請求人の関連会社であるトイザラス,インコーポレイテッド及び日本トイザラス株式会社の社名である「トイザらス」の著名な要部「ザらス」を含むものであり、これらの会社の承諾無しに出願されたものである。したがって、本件商標登録は、商標法第4条第1項第8号に違反してなされたものである。
甲第15号証ないし甲第50号証及び甲第98号証によれば、次の事実が認められる。
(1)トイザラス,インコーポレイテッド(以下「トイザラス社」という。)は、米国ニュージャージー州を本拠とする法人であり、請求人は、その関連会社であって、トイザラス社の商標「TOYS“R”US」及び「KID“R”US」を管理する立場にあること。
(2)トイザラス社は、米国最大手のがん具小売り業者であり、米国を初め世界各地で別掲に示す構成態様の「TOYS”R”US」のマーク(構成中のRの文字は鏡文字)を掲げた主としてがん具を販売する大規模チェーン店舗を展開し、その店舗数は、1999年(平成11年)において米国内約700店舗、米国外441店舗でそのうち日本は51店舗であったこと。
(3)日本では1991年(平成3年)に茨城県で1号店がオープンし、1年後に6店舗となったこと。
(4)トイザラス社が、日本に進出するに際しては、大規模小売店舗法による出店規制の緩和との関係などから注目され、日本の新聞紙上で報道されたこと。
(5)本件商標の登録出願前に、トイザラス社は、「世界最大のがん具専門店チェーン」などとして少なくとも9回日本の新聞紙上で報道されたこと。
(6)トイザラス社は、上記「TOYS”R”US」のマークを1960年頃から使用しており、日本においては、第1号店開店以来、このマークを使用するとともに「トイザらス」の文字よりなる商標を使用してきたこと。
そして、これらの事実からすると、トイザラス社が使用の上記「TOYS”R”US」のマーク、また、このマークに対応する日本語表記のマークともいうべき「トイザらス」の文字よりなる商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、日本国内において既に著名となっていたものと認めることができる。
また、上記「TOYS”R”US」のマーク及び「トイザらス」の文字よりなる商標は、トイザラス社が販売するがん具との関係で著名となった経緯、及び「TOY」及び「トイ」が、「がん具、おもちゃ」の意の平易な英語とその外来語であることからすると、一連に表されている構成態様のものであるが、その構成中の「TOY(S)」また「トイ」の部分より「がん具、おもちゃ」の意を想起する場合が多いものと認められる。そして、上記「トイザらス」の文字よりなる商標は、構成文字中の「ら」の文字のみが平仮名で他の文字は片仮名という特異な構成態様のものである。
これに対して、本件商標は、上記のとおり「フォトザらス」の文字よりなるところ、上記の「トイザらス」の文字よりなる商標と比較すると、前半の「フォト」の文字と「トイ」の文字が相違し、構成文字中の「ら」の文字のみが平仮名で他の文字は片仮名という特異な構成態様をしている点において共通性があり、後半の「ザらス」の文字が一致している。また、本件商標をその指定役務である「写真の撮影」について使用するときは、「フォト」が「写真」を意味する外来語として親しまれていることから、その構成中の「フォト」の文字部分より「写真」の意を想起する場合が少なくないと認められる。
以上のようにみてくると、本件商標をその指定役務である「写真の撮影」につい使用した場合、需要者において、世界各地で大規模ながん具のチェーン店舗を展開しているトイザラス社又は同社と関係する者が、写真撮影の分野に進出し、がん具について使用して著名となっている「トイザらス」の文字よりなる商標の「トイ」の部分を写真の意を想起、暗示させる「フォト」に変えて使用しているものと理解し、その役務がトイザラス社又は同社と関係する者により提供されているかのごとく出所を混同するおそれが、本件商標の登録出願時及び登録査定時においてあったものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものであり、無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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