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Trademark Appeal Case

不使用取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30373(T2000−30373/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第445205号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示した構成よりなり、昭和27年12月27日登録出願、第66類「ゴルフに関する事項を内容とする雑誌」を指定商品として、昭和29年5月26日に設定登録され、その後、昭和49年11月28日、同昭和59年7月17日、平成7年1月30日の3回に亘り商標権の存続期間の更新の登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「商標法第50条の規定により本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審判を求め、請求の理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出している。

(1)請求人は、アメリカ合衆国ニューヨーク州 10016 ニューヨークパークアベニュー 2 において、新聞・雑誌等の出版業を経営する世界的に有名な会社であり、本件と関連のある「GOLF MAGAZINE」の商標を付したゴルフ関連の雑誌(甲第2号証)を、アメリカ合衆国の国内は勿論,オーストラリア国、カナダ国,香港,台湾など海外においても多数販売している実情にある。

そして、上記「GOLFMAGAZINE」国際分類第16類についての商標は、甲第3号証に示すように、すでにアメリカ合衆国及びその他の国で多数取得している。

さらに、請求人は、平成10年12月17日付にて、商標「GOLF MAGAZINE」第16類を出願(商願平10−707482号)し、現在審査中であり、この出願に対し平成11年8月30日(起案日),平成11年9月10日(発送日)の拒絶理由通知がなされており、引用例として別件登録商標第3065555号が引用されており、本件引用例第3065555号と本件商標は旧商標法に規定する連合商標としての関係にあったことは、添付した原簿謄本から明らかである。

上記の事情において、本件商標が現在指定商品である「雑誌」について、本件商標を継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が使用しているかどうかについて、株式会社トーハン発行の1996年〜1999年版「雑誌のもくろく」(甲第4号証)について、調査したところ、本件商標を付した雑誌が販売されている事実がなく、また、商標登録原簿(甲第5号証)を見るも、専用使用権,通常使用権の設定をしておらず、上記使用者による使用も認められない。

よって、本件商標は、商標法第50条の規定により取消しされるべきである。

(2)被請求人の提出に係る乙第1号証乃至乙第6号証は本件商標を大きく変更しており、到底、同一又は類似の商標の正しい使用例とは思われない。

仮にこれが正しい商標の使用と認めたところで、当初の商標権利者、池田郁雄氏により正しく使用されたものでない。

本件商標は、株式会社ベースボール・マガジン社により、その発行する雑誌に使用されたものであり、故池田郁雄氏は乙第1号証乃至同第6号証の雑誌の単に編集発行人という地位にあったのである。そして、使用は、法人である株式会社ベースボール・マガジン社により発行されたところの雑誌に使用されたものである。

正しい商標の使用を主張するならば、少なくとも個人である池田郁雄氏と法人である株式会社ベースボール・マガジン社との間に商標の使用権契約が商標登録原簿に登録されている必要がある。第三者に対し、正しい商標の使用の事実を主張できない。

最近、被請求人の権利の移転があったという審判手続き続行の通知があったが、これは取りも直さず、故池田郁雄氏から最近になって株式会社ベースボール・マガジン社により権利が移転したことを意味しており、株式会社ベースボール・マガジン社は、本件審判請求の日前3年間使用したという事実を援用できない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、請求の理由に対する答弁を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第10号証を提出した。

(1)本件審判の請求時に、既に本件商標の原権利者池田郁雄は死亡していたため、本件商標に係る商標権の相続人である池田裕子への本件商標に係る商標権の移転登録手続を行ったため、本答弁書は池田裕子を被請求人として提出するものである。

(2)原権利者池田郁雄は本件商標を、本件取消商品について、審判請求の登録前3年間に日本国内において使用しているので、その使用事実についての一部であるが以下に提示する。

乙第1号証乃至乙第6号証は、原権利者池田郁雄が、平成9年5月1日以降、平成9年9月8日に至るまで、自らが代表取締役を務める株式会社ベースボールマガジン社を通じて発行していた雑誌『GOLFMAGAZINE』の写しである。

乙第1号証は、平成9年(1997年)5月1日発行の『GOLFMAGAZINE』の写しである。本件商標の審判請求の日前3年間とは、具体的には平成9年(1997年)5月2日以降のことであるが、平成9年(1997年)5月1日発行の雑誌が、同年5月2日の時点で市場に全く存在しないということは考えにくく、よって、証拠として提出するものである。

乙第1号証の表紙及び特集頁の中では、本件商標が附された過去の号が写真で紹介されており、当該雑誌の題号として使用されている欧文字『GOLF\MAGAZINE』は、これらの写真の中で使用されている本件商標をデザイン上若干変更させたものであることを認識させるものである。雑誌の題号は、そのデザインにおいて、その時々の流行にあわせて変更されるのが常識的であり、これは、雑誌表紙のデザイン・レイアウトいかんによって、雑誌の売れ行きが大きな影響を受けるものであるために、通常行われるものである。また、裏表紙には、「編集兼発行人」として本件商標の原権利者「池田郁雄」の名前が記載されている。

乙第2号証は、平成9年(1997年)5月26日発行の『GOLFMAGAZINE』の写しである。この雑誌の題号に使用されている商標『GOLFMAGAZINE』は、「O」の字の内側にプロゴルファーの写真を入れるという手法を取ってはいるものの、これが「GOLFMAGAZINE」と書されているものであることは、容易に認識できるものである。また、裏表紙には、「編集兼発行人」として本件商標の原権利者「池田郁雄」の名前、及び雑誌コード「22954−5/26」が記載されている。

乙第3号証は平成9年(1997年)6月9日発行、乙第4号証は平成9年(1997年)7月14日発行、乙第5号証は平成9年(1997年)8月11日発行の『GOLFMAGAZINE』の写しである。これらの証拠においても乙第2号証と同様に商標『GOLFMAGAZINE』が使用されている。また、乙第3号証、乙第4号証、及び乙第5号証の裏表紙には、それらの全てに「編集兼発行人」として本件商標の原権利者「池田郁雄」の名前が記載されている。そして、乙第3号証の裏表紙には雑誌コード「22952−6/9」、乙第4号証の裏表紙には雑誌コード「22952−7/14」、乙第5号証の裏表紙には雑誌コード「22952−8/11」がそれぞれ記載されている。

乙第6号証は平成9年(1997年)9月8日発行の『GOLFMAGAZINE』の写しである。この雑誌の題号に使用されている商標『GOLFMAGAZINE』は、「O」の字の内側にキャッチコピーを載せてはいるものの、これが「GOLFMAGAZINE」と書されているものであることは、容易に認識できる。また、乙6号証の裏表紙には、「編集兼発行人」として本件商標の原権利者「池田郁雄」の名前、及び雑誌コード「22952−9/8」が記載されている。

乙第7号証は原権利者池田郁雄が、平成10年(1998年)5月1日に、自らが代表取締役を務める株式会社ベースボールマガジン社を通じて発行していた雑誌『GOLF Magazine1998 春季号 B.B.MOOK62 スポーツシリーズNO,39 US PGA Tour Perfect Guide』の写しである。この雑誌の表紙右上及び背表紙には、欧文字ゴシック体にて『GOLF Magazine』のロゴが使用されている。

そして、裏表紙には、雑誌コード「67671−62」が、また、「編集兼発行人」として本件商標の原権利者「池田郁雄」の名前が記載されている。尚、雑誌コード「67671−62」のうち、ハイフンの後の「62」は、「B.B.MOOK(ビービームック)」シリーズの62号目であることを示している。

乙第8号証は原権利者池田郁雄が、平成10年(1998年)8月20日に、自らが代表取締役を務める株式会社ベースボールマガジン社を通じて発行していた雑誌『GOLF Magazine 1998 夏季号 B.B.MOOK68スポーツシリーズNO,42 全国大学・高等学校ゴルフ年鑑』の写しである。この雑誌の表紙右上にも、乙第7号証と同様に、欧文字ゴシック体にて『GOLF Magazine』のロゴが使用されている。

そして、裏表紙には、雑誌コード「67671−68」が、また、「編集兼発行人」として本件商標の原権利者「池田郁雄」の名前が記載されている。尚、雑誌コード「67671−62」のうち、ハイフンの後の「68」は、「B.B.MOOK(ビービームック)」シリーズの68号目であることを示している。

以上、乙第1号証ないし乙第8号証で使用されている商標「GOLF Magazine」は、「GOLF」「Magazine」の書体に若干の変更が加えられてはいるものの、「GOLF」部分を大きく、「Magazine」部分を小さく表記するのは本件商標と同様の手法であり、本件商標と比較観察した場合においても、雑誌出版業界において通常行われる程度のデザイン上の変更として、雑誌取引者・雑誌需要者にとっては、社会通念上同一と認められる商標であり、いずれも商標法第50条第1項に規定されている登録商標の使用と認められるべきものである。

乙第9号証は、雑誌目録刊行会発行の『雑誌のもくろく 1998年版』の一部写しであり、雑誌『GOLF Magazine1998 春季号 B.B.MOOK62 スポーツシリーズ NO,39 US PGA Tour Perfect Guide』(乙第7号証)及び雑誌『GOLF Magazine1998 夏季号 B.B.MOOK68 スポーツシリーズ NO,42 全国大学・高等学校ゴルフ年鑑』(乙第8号証)が実際に発行されていたことの裏付けとなるものである。

乙第10号証は、雑誌目録刊行会発行の『雑誌のもくろく 1997年版』の一部写しであり、この『雑誌のもくろく 1997年版』の発行日は1997年5月20日であった(乙第10号証)が、その発行前に、1997年5月12日より雑誌『ゴルフマガジン』が月刊誌から隔週刊誌へと変更となることが決定していたため、”1997年3月末日現在”では未だ月刊誌であったが、あらかじめ「誌名コード22951」とされて発行されたものである。

ところで、既に述べたように、乙第2号証ないし乙第6号証の裏表紙に、それぞれ雑誌コードが記載されている。

周知の通り、雑誌コードは、裏表紙に書かれている「雑誌」に続く5桁の数字と号数を表わす数字で出来ており、本件の場合、1桁目の「2」は”隔週刊誌”であることを示し、5桁目が「1」のものが基本コードとなっている。後に乙第7号証に示す雑誌目録刊行会発行の『雑誌のもくろく 1997年版』には、この基本コードが記載されることとなるため、「GOLF Magazine(ゴルフマガジン)」の誌名コードは「22951」となっている。ところで、雑誌コードの5桁目の数字は、発行週を表わしており、基本コードである1が第1週発売で、2、3、4、5と各週を示している。したがって、例えば、雑誌コード「22954−5/26」は、誌名コード「22951」の雑誌で5月第4週の5月26日に発行されたもの、雑誌コード「22952−6/9」は、誌名コード「22951」の雑誌で6月第2週の6月9日に発行されたものであることを示すことになる。

このことから、乙第10号証は、乙第1号証乃至乙第6号証と相俟って、乙第1号証乃至乙第6号証が実際に発行されていたことの裏付けとなるものであり、本件商標の本審判請求の登録前3年間の日本国内における使用を示すものである。

ところで、請求人は、審判請求書の請求の理由において、‘‘1996〜1999年版「雑誌のもくろく」(甲第4号証)について、調査した”旨述べているが、甲第4号証として提出されているのは、「雑誌のもくろく1999年版」であり、そこに収録されているのは、「1999年1月末日現在、全国の書店で販売されている雑誌約3,300誌」(甲4号証16頁)であることを申し添えるとともに、1952年(昭和27年)6月1日創刊(乙第1号証)以来49年間にわたり定期的に発行されてきている雑誌『GOLF Magazine』に使用されてきた本件商標には、多大なる業務上の信用が化体し、既に周知・著名性を獲得していると認められるべきものである。

(3)上述するように、本件商標が、その指定商品「ゴルフに関する事項を内容とする雑誌」に、本件審判の請求の登録の日前3年間に原権利者池田郁雄が日本国内において使用していたことは乙第1号証乃至第10号証により明らかである。

4 当審の判断

商標法第50条第1項に規定する「継続して三年以上」とは、商標権の移転の存在の有無にかかわらず、前の商標権者、現在の商標権者を通しての期間をいうものと解するのが相当である。また、不使用取消審判制度の趣旨は、不使用商標の商標登録を取り消そうとするものであって、同項の「商標権者」を「不使用取消審判が請求された時点の商標権者」ないしは「現在の商標権者」と限定して解さなければならないという理由はないものと解するのが相当である。

さらに、使用される商標が取引社会において、登録商標の使用と認められるためには、使用される商標がすくなくとも登録商標と社会通念上同一のものと認識し得るものであることが必要とされる。

そして、使用される商標が取引社会において、登録商標の使用と認められる場合とは、例えば、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、横書きの商標の縦書きにして用いる場合等、使用されている商標の構成の変更が登録商標の構成において基本をなす部分を変更するものではない場合と解される。

(1)そこで、先ず被請求人が本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたか否かについて判断する。

被請求人の提出の乙第7号証によれば、表紙の上部右側に「平成10年5月1日発行」の文字の下に、大きく「GOLF」の欧文字、その右側に小さく「Magazine」欧文字がそれぞれ記載されている。また、背表紙にも同様の記載がなされている。

同じく、被請求人の提出の乙第8号証によれば、一頁目の上部右側に「平成10年8月20日発行」の文字、その下に同様の各欧文字が記載されている。

そして、この乙第7号証及び同8号証に表示された上記商標は、書体を変更しているが、本件商標の「GOLF」及び「Magazine」の欧文字の綴りと同じであり、前者を2倍以上大きく表している構成においても、基本をなす部分を変更をしているものとはいえないものであって、本件商標と社会通念上同一の範囲内の商標と認められる。

(2)次に、被請求人(商標権者)が、本件商標をその指定商品について使用していたか否かについて判断する。

被請求人(商標権者)の提出の乙第7号証によれば、背表紙に、「平成10年5月1日発行」、「編集兼発行人 池田郁雄」及び「発行所 東京都千代田区三崎町3−10−10(株)べースポール・マガジン社」と記載がされているものである。

同じく、乙第8号証によれば、背表紙に、「平成10年8月20日発行」、「編集兼発行人 池田郁雄」及び「発行所 東京都千代田区三崎町3−10−10(株)ベースボール・マガジン社」と記載がされているものである。

そうとすれば、商標権の移転前の商標権者である「池田郁雄」が、商品「ゴルフに関する事項を内容とする雑誌」の発行人であり、該商品に本件商標と社会通念上同一の商標を同人が使用していたといわなければならない。

以上の乙各号証を総合勘案すれば、本件商標は、本件審判請求の登録(平成12年5月10日)前3年以内に日本国内において、被請求人(商標権者)により、その取消請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標を使用していたものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。

なお、本件商標の移転の登録は、いずれも、本件審判請求の登録後である平成13年3月14日、同13年7月11日の2回に亘りなされているものであり、上記(2)のとおり、移転前の商標権者が、商品「ゴルフに関する事項を内容とする雑誌」の発行人であることが明らかであるから、請求人の「当初の権利者により正しく使用されたものでない」という主張は採用できない。

よって、結論のとおり審決する。

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