Trademark Appeal Case
結合商標の称呼と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90602(T2001−90602/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第4474012号商標(以下「本件商標」という。)は、「DAVID ABERCROMBIE」の文字を横書きしてなり、平成12年5月12日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年5月11日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る、「ABERCROMBIE」の文字を横書きしてなり、平成12年3月2日に登録出願、第25類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品とする2000年商標登録願第19396号商標(以下「引用商標A」という。)と類似する商標である。また、「ABERCROMBIE & FITCH」(「引用商標B」という。)若しくは「ABERCROMBIE」は、アバークロンビー アンド フィッチ インク社(以下「A&F社」という。)の製造販売する被服(アパレル製品)を表示するものとして、当業界のみならず一般ユーザーの間に広く認識されている商標であるところ、本件商標は、引用商標Bに類似するものであるから、本件商標がこれらの商品に使用されれば、A&F社の商品と混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、「DAVID ABERCROMBIE」の文字よりなるところ、「DAVID」と「ABERCROMBIE」の両文字間には1文字程度の間隔を有するが、2以上の欧文字よりなる単語を同一行に記載する場合、それぞれの単語を1文字程度の間隔をもって記載することは通常行われているところであり、また、これら両文字は、同じ書体、同じ大きさで一体的に表されていて、いずれか一方のみをもって認識されるとみるべき格別の事由は見出し得ないものであるから、構成全体をもって不可分一体のものと認識し把握されるとみるのが自然であると認められる。
してみれば、本件商標は、全体の構成文字に相応し「デビットアバークロンビー」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。
これに対し、引用商標Aは、「ABERCROMBIE」の文字よりなるものであり、その構成文字に相応して「アバークロンビー」の称呼を生ずるものと判断するのが相当である。
そして、本件商標より生ずる「デビットアバークロンビー」の称呼と引用商標Aより生ずる「アバークロンビー」の称呼とを比較すると、両称呼は構成音数、音構成に明らかな差異を有するものであるから、本件商標は、引用商標Aと称呼において類似する商標ではなく、それぞれの文字構成よりして、外観、観念においても類似する商標ではない。
(2)申立人の提出に係る証拠によれば、1991年初版第2刷、研究社発行「英和商品名辞典」(甲第4号証)に、「Abercrombie & Fitch」は、「高級アウトドア用品・スポーツ用品店・David T.AbercrombieとEzura H.Fitchが、1892年に創業」と記載され、また、A&F社の「年次報告」(甲第6号証訳文)に、「アバークロンビー・アンド.フイツチ.ブランドは、1892年に確立され、飾り気のない高品質なアウトドア用品として著名となり」と記載され、1999年1月19日ゴールドマン サックス インベストメント リサーチ作成の「A&F社の会社研究」(甲第9号証訳文)に、「アバークロンビー・アンド・フィッチは、アメリカの大学生相当の年齢層の消費者及び・・・15歳から25歳の年齢の消費者にとって最も著名なブランドである。」と記載され、1999年1月13日クレディ スイス ファースト ボストン社作成の「A&F社の株式調査」(甲第10号証訳文)に、「アバークロンビー・アンド・フィッチブランドは、今日のアパレル小売業における最も強力なブランドである」と記載されていて、これらの事実からすると、引用商標Bは、米国において1892年に創業のアウトドア用品・スポーツ用品店の店名に由来する商標であって、本件商標の登録出願の時には、米国の若い需要者の間において高く評価されていたことが認められる。
しかしながら、本件商標は、上記に示したとおり「DAVID ABERCROMBIE」の文字よりなるものであって、構成中に「& Fitch」の文字が記載されておらず、甲各号証のなかで、「Abercrombie & Fitch」商標を「Abercrombie」或いは「アバークロンビー」と記載しているものは、「アメリカで一番行列ができるブランド アバクロンビーって知ってる?」の見出しで紹介している雑誌「JJ2000年4月」(甲第12号証)のみである。
そうすると、わが国において、A&F社の業務に係る「Abercrombie & Fitch」商標を付した商品が通信販売により、また電子取引により現に販売されている実情がある(甲第13号証)ことを考慮しても、申立人の提出に係る証拠では、申立人が述べる「『ABERCROMBIE』がA&F社の製造販売する被服(アパレル製品)を表示するものとして当業界のみならず一般ユーザーの間に広く認識されている」証左とするのに充分なものとは到底判断することができない。
そうすると、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接した取引者、需要者がこれから直ちに引用商標Bを連想、想起するとは判断することができないから、本件商標は、申立人又は申立人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないといわなければならない。
(3)以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号の規定に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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