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Trademark Appeal Case

GAPFREEの要部抽出と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2001−90411(T2001−90411/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4455841号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4455841号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成12年2月23日に登録出願され、「GAPFREE」の欧文字と「ギャップフリー」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、第25類「被服,運動用特殊衣服」を指定商品として、平成13年2月23日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)具体的理由

(イ)引用商標1ないし11について

登録第1384695号商標(以下、「引用商標1」という。)は、「gap」の文字からなり、第17類「被服(但し、洋服、コートを除く。)、布製身回品、寝具類」を指定して、昭和49年9月26日登録出願、昭和54年7月31日設定登録されたものである。

登録第1579390号商標(以下、「引用商標2」という。)は、「THE GAP」の文字からなり、第17類「被服、布製身回品、その他本類に属する商品」を指定して、昭和51年10月13日登録出願、昭和58年4月27日設定登録されたものである。

登録第1634640号商標(以下、「引用商標3」という。)は、「ギャップ」の文字からなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く。)、布製身回品(他の類に属するものを除く。)、寝具類(寝台を除く。)」を指定して、昭和55年11月6日登録出願、昭和58年11月25日設定登録されたものである。

登録第1634641号商標(以下、「引用商標4」という。)は、「ザ ギャップ」の文字からなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く。)、布製身回品(他の類に属するものを除く。)、寝具類(寝台を除く。)」を指定して、昭和55年11月6日登録出願、昭和58年11月25日設定登録されたものである。

登録第2584331号商標(以下、「引用商標5」という。)は、「GAP」の文字からなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く。)、布製身回品(他の類に属するものを除く。)、寝具類(寝台を除く。)」を指定して、平成1年2月8日登録出願、同5年10月29日設定登録されたものである。

登録第3040952号商標(以下、「引用商標6」という。)は、「GAP」の文字と「ギャップ」の文字を二段に書してなり、第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、運動用特殊衣服」を指定して、平成4年7月13日登録出願、同7年4月28日設定登録されたものである。

登録第3320340号商標(以下、「引用商標7」という。)は、「GAP」の文字と「KIDS」の文字を二段に書してなり、第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、仮装用衣服、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定して、平成6年11月4日登録出願、同9年6月6日設定登録されたものである。

登録第4006191号商標(以下、「引用商標8」という。)は、「GAP」の文字とその「A」の文字中に「Athletic」の文字を配してなり、第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、仮装用衣服、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定して、平成7年6月29日登録出願、同9年5月30日設定登録されたものである。

登録第4016862号商標(以下、「引用商標9」という。)は、「GAP」の文字からなり、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,ロケット,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,事故防護用手袋,消防車,消防艇,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,計算尺,ウエイトベルト,ウェットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,メトロノーム」を指定して、平成5年12月9日登録出願、同9年6月20日設定登録されたものである。

登録第4382292号商標(以下、「引用商標10」という。)は、黒く塗りつぶした正方形内に「GAP」の文字を配してなり、第3類、第18類商標登録原簿記載の指定商品及び第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、仮装用衣服、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定して、平成11年8月16日登録出願、同12年5月12日設定登録されたものである。

登録第4390991号商標(以下、「引用商標11」という。)は、黒く塗りつぶした正方形内に「GAP」の文字と「KIDS」を二段に書してなり、第18類商標登録原簿記載の指定商品及び第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、仮装用衣服、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定して、平成11年8月16日登録出願、同12年6月9日設定登録されたものである。(以下、引用商標1ないし11を「引用商標」という。)

(ロ)引用商標の周知性について

引用商標は、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)である「ザ ギャップ インコーポレイテッド」が、被服、履物、かばん類、等に長年に亘り使用している著名商標である。

ファッションブランド「GAP」の誕生は1969年にサンフランシスコに衣料ストアとして創業されたものである。「GAP」スタイルはジーンズ、カーキ一、ティーシャツ、ジャケットに代表されるアメリカン・カジュアルスタイルであり、そのシンプルなデザインに加えて、手頃な価格が消費者を引き付けてきた。そして「GAP」ではその独特のマーケティング手法を取り入れることで販売高を順調に伸ばし続けているものである。過去3年をとってみても、1997年6,507,825,000米ドル、1998年9,054,462,000米ドル、1999年11,635,398,000米ドルと178.8%の驚異的な伸びを示している。その店舗数も、1999年度末において「GAP KIDS」も含め、米国、カナダ、フランス、ドイツ、日本、英国に合わせて2160店舗を展開するに至っている。

日本には1995年に東京の数寄屋橋阪急に一号店を出店した(甲第16号証)のを皮切りに、店舗を増やし続け、1998年度末時点で31店舗、1999年度末時点で全国で53店舗を数えるに至っている。特に1999年秋には米国外では最大規模の2,325平方メートルを超える旗艦店を東京原宿にオープンしたことで話題を呼んだ。1999年にはその斬新なTVCMで雑誌「広告批評」の1999年度CMベストテンで第2位(第1位なし)に選ばれている。申立人はこのような著名商標「GAP」を保護すべく、日本を始めとする世界各国において「GAP」及びその関連商標に係る商標権を獲得している。申立人の商標「GAP」の著名性については、特許庁において過去に行われた異議申立事件(異議2000−90241,異議2000−90242)の審理においても認定されている。

以上より、引用商標は本件商標の出願時である平成12年2月23日時には米国及び日本を含めた世界各国において申立人の販売する衣服、履物、かばん類等を表示するものとして著名になっていた。

(ハ)本件商標と引用商標の類否

本件商標は「GAPFREE」の欧文字及び「ギャップフリー」の片仮名文字を二段に併記してなり、その文字に相応して 「ギャップフリー」の称呼が生ずるものである。ここで、本件商標を構成する文字のうち、「FREE」ないし「フリー」部分は、形容詞として「自由な、のびのびした、気ままな」といった意味を有する英語であり、日本における一般人にも容易に想起しうる語である。また、「FREE」の語は、名詞の後に配され結合語を形成するもの(combining form)であることから、「FREE」ないし「フリー」は識別力が弱く、さらに上記 「GAP」商標の著名性に鑑みれば、「GAP」の部分が分離抽出され、「ギャップ」の称呼が生じることは明らかである。

特に本件商標の指定商品である「被服」は申立人の主要な取扱い商品であり、「GAP」を著名ならしめた商品である。したがって、本件商標が「GAP」すなわち「ギャップ」と称呼される可能性は極めて高いといわざるを得ない。したがって、本件商標は引用商標に称呼上類似するものである。さらに、本件商標が引用商標と同一又は類似の商品に使用されるものである。

以上より、本件商標は、引用商標に同一又は類似するものである。

(ニ)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は申立人の商品を表示するものとして著名な各引用商標と同一又は類似し、その商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当するものである。

(ホ)商標法第4条第1項第15号について

申立人の商品を表示するものとして著名な各引用商標と同一又は類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、取引者・需要者をして、その商品が申立人の提供にかかわるものであるかの如く、あるいは同人と何等かの経済的・組織的関連があるかのごとく認識され、出所混同を生ぜしめるおそれがあることが極めて高いといわざるを得ない。特に本件商標にかかる指定商品「被服」は、上述の如く、まさしく申立人の著名商標「GAP」と同じ商品である。

本件商標が指定商品に使用された場合には著名商標「GAP」との間に混同を生じるおそれが極めて高いといわざるを得ない。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

(ヘ)商標法第4条第1項第7号について

カジュアルファッションブランドとして著名な引用商標と相紛らわしい本件商標を、申立人とは何ら関係のない他人が自己の商品について商標として採択し使用することは、本来みずからの営業努力によって得るべき業務上の信用の維持をはかる商標法の目的に反し、該名称の著名性にフリーライドするものであり、また、著名商標「GAP/ギャップ」に化体した莫大な価値を希釈化させるおそれがあるといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、公正な競業秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものであり、商標制度の趣旨に則しないものであるから、商標法第4条第1項第7号に該当するものである。

(2)むすび

以上の理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第7号に該当し、その登録は取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)本件商標は、「GAPFREE」の欧文字及び「ギャップフリー」の片仮名文字を二段に書してなるものに対して、各引用商標は、「gap」(登録第1384695号)、「THE GAP」(登録第1579390号)、「ギャップ」(登録第1634640号)、「ザ ギャップ」(登録第1634641号)、「GAP」(登録第2584331号、同第4016862号、同第4382292号)、「GAP/ギャップ」(登録第3040952号、)「GAP/KIDS」(登録第3320340、同第4390991号)、「GAP/Athletic」(登録第4006191号)の各文字よりなるものである。

そして、本件商標は、「GAPFREE」の欧文字及び「ギャップフリー」の片仮名文字は、それぞれ外観上まとまりよく一体的に表されており、殊更、構成中の「GAP」「ギャップ」の文字部分のみを分離抽出し、称呼、観念しなければならない特段の事由が存するものとも認められないばかりでなく、これより生ずる「ギャップフリー」の称呼も語呂よく一連に称呼し得るものである。

そうとすれば、本件商標は、構成全体をもって不可分一体の造語を表した商標と認識・把握され、「ギャップフリー」の一連の称呼のみを生ずる商標というのが相当である。

してみれば、本件商標より「ギャップ」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで本件商標と各引用商標が類似するという申立人の主張には、理由がないものといわなければならない。

さらに、「GAPFREE」、「ギャップフリー」の各文字を二段に横書きしてなる本件商標と各引用商標とは、外観上互いに区別し得る差異を有し、かつ、観念上も何ら類似するものではない。

したがって、本件商標と各引用商標とは、称呼はもとより観念及び外観のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。

(2)引用商標が申立人に係る商標として需要者の間において広く認識されているとしても、本件商標と各引用商標とは非類似の商標であること前記のとおりであり、かつ両商標は別異のものと認められることから、本件商標をその指定商品に使用した場合、引用商標を直ちに想起させるものとは判断し得ないものであり、その商品が申立人または申立人と何らかの関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について、取引者・需要者間に誤認・混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

(3)本件商標は、その構成(1)の項で述べたとおりであるところ、その構成自体が矯激、卑猥、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではなく、また、本件商標を使用することが社会公共の利益、一般道徳観念に反し、かつ、他の法律によってその使用が禁止されているものとは認められないものである。

(4)結論

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第7号に違反して登録されたものではない。

なお、申立人の引用商標5以降については証拠と記載内容が不一致であったり、引用件数も11件であるにも拘わらず12件等と述べているので、申立の趣旨どおりに訂正した。

よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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