Trademark Appeal Case
称呼と観念の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90654(T2001−90654/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4478603号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成12年6月30日に登録出願され、「WANT’BE」の欧文字を横書きしてなり、第25類「履物」を指定商品として、平成13年6月1日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立の理由
(1)本件商標は、平成5年8月2日に登録出願、「WANNABE」の欧文字を横書きしてなり、第25類「短靴、長靴、編上げ靴、木綿製靴、サンダル靴、幼児靴、婦人靴、革製スリッパ、その他の履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定商品として、平成9年1月31日に設定登録された登録第3247605号商標(以下、「引用商標」という。)と類似するものである。
(2)本件商標と引用商標の指定商品についてみると、本件商標の指定商品は「履物」であり、一方、引用商標の指定商品は「短靴、長靴、編上げ靴、木綿製靴、サンダル靴、幼児靴、婦人靴、革製スリッパ、その他の履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」であって、本件商標と引用商標とは、指定商品が互いに抵触するものである。
(3)次に、本件商標はその構成から「ウォントゥビー」の称呼が生じる。ところで、一般に、「WANT TO BE」という語を称呼する場合、「ウォントゥトゥービー」とは称呼せず、重なる「トゥ」の音を一つにして「ウォントゥービー」と称呼される場合が多いといえる。
そこで、本件商標の称呼「ウォントゥビー」と「WANT TO BE」から生じる称呼「ウォントゥービー」とを比較すると、両称呼はほぼ同じである。とすると、本件商標の称呼「ウォントゥビー」を耳にした需要者は、その称呼が既成語の「WANT TO BE」を示すものであると認識するとみるのが自然であり、したがって、本件商標の称呼「ウォントゥビー」を耳にした需要者は、自然にその称呼から「〜になりたい」との意を観念するものである。
一方、引用商標の構成中「WANNA」は「WANT TO」を意味するものであるから、引用商標からも「〜になりたい」との観念が生じる(甲第3号証)。
よって、両商標は共に「〜になりたい」との観念を共通にする観念上類似する商標である。
尚、本件商標権者は、申立人取扱いの靴等に関する日本における販売代理店であって、本件商標権者は、そのホームページ上で、「wannabeは、その名の由来のごとく『〜I want to be〜私がしたいこと。』」と申立人の取扱いの靴等に関する商標を紹介しており、本件商標権者自身が、「wannabe」と「want to be」とは同一の観念が生じることを認識しているものである(甲第4号証)。
以上、本件商標は、引用商標と観念上類似する商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録を取消されるべきものである。
(4)更に、引用商標は、本件商標の出願日以前から現在に至るまで、我が国において需要者の間で広く知られた商標となっている。これらの事実を示す例として、(a)雑誌「POPEYE」の1996年7月10日号の表紙及び該当頁の写し(b)1997年1月25日発行の日本経済新聞の該当頁の写し、等を甲第5号証乃至甲第16号証として提出している。
前記、甲第5号証乃至甲第16号証中、殊に前記(a)及び(b)において、引用商標は、人気ブランドの第17位として紹介されており、このことからも、引用商標は、本件商標の出願日以前から現在に至るまで、我が国において需要者の間で広く知られた商標となっていることがいえる。
更に、(ア)インボイスの見方、1998年2月2日付の株式会社オギツ宛のインボイスの写し、(イ)1998年3月10日付の株式会社オギツ宛のインボイスの写し、等を甲第17号証の1乃至26として、また、それらの品番と商品・商標対照表の見方、品番と商品・商標対照表、等を甲第18号証の1及び甲第18号証の2として提出している。
(5)上記のとおり、引用商標は、現在は勿論のこと、本件商標の出願日前より、我が国において周知な商標となっていたものであり、かつ、本件商標は、前記した通り引用商標と類似する商標であって、引用商標と同一の商品を指定商品とするものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当するものとしてその登録が取消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「WANT’BE」の欧文字を横書きしてなるものであるから、これよりは、我が国において親しまれた英語風の読みで「ウォントビー」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。
そして、わが国の英語の普及度を考慮した場合、これに接する取引者、需要者は英語の「WANT TO BE」と同様の「〜になりたい」との観念を生ずるものと理解、認識するものとはいえない。
そうとすれば、本件商標は、上記したとおりの称呼を生じ、特定の観念を生じさせない造語を表してなる商標として捉えられるものといわなければならない。
他方、引用商標は「WANNABE」の欧文字を、同書、同大・等間隔で一連に書してなるばかりでなく、殊更、これを「WANNA」と「BE」の文字部分に分離し称呼、観念しなければならない特段の事由が存するとも言い得ないものである。
してみれば、引用商標よりは、これをローマ字読み、または我が国において最も馴染まれている外国語である英語風の読みに倣って発音すれば「ワンナベ」及び「ワナビー」の各称呼を生じ、一連の造語よりなる商標を表したものというのが相当である。
そして、本件商標より生ずる「ウォントビー」の称呼と引用商標より生ずる「ワンナベ」及び「ワナビー」の称呼とは、構成音の差異により称呼上明らかに聴別し得るものである。
また、両商標は、外観上互いに区別し得る差異を有し、かつ、共に造語よりなる商標と言えるものであるから、観念においては比較することができない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標と引用商標とが商標において類似するものでないこと、上記の(1)に述べるとおりであり、別異の商標というべきものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号に違反して登録されたものではない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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