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Trademark Appeal Case

周知商標の判断と商品類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2001−90607(T2001−90607/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4472258号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4472258号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成11年12月29日に登録出願、商標の構成を標準文字による「ゴヤ」の片仮名文字とし、指定商品を第30類「茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」として、平成13年5月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立の理由

登録異議申立人、ゴヤ・フーズ・インコーポレーテッド(以下、「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第5号証を提出している。

(1)申立人は、米国在住の食品総合メーカーで、その商号商標である「GOYA」を有名な食品ブランドに育て上げてきており、同社の名称に由来するこの商号商標は米国においては非常に著名なものとなっているから、本件商標は、その名声を確立した申立人の名称「GOYA」の自然な称呼を片仮名表示した「ゴヤ」よりなり、しかも申立人の同意を得ないで出願されたものである。

(2)本件商標は、申立人の登録第2666949号商標(平成3年7月3日登録出願、「GOYA」の文字を横書きしてなり、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品」を指定商品として、平成6年5月31日に設定登録。以下、「引用商標」という。)と称呼を同一にする類似の商標であり、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は類似商品審査基準によれば同じ「類似群」に属するものではないが、特に加工食料品とは、個々の別個の商品自体が流通経路・販売経路が極めて近似する類似の商品を含んでいると考えられる。

(3)申立人の商標「GOYA」は、その指定商品の係る業界において、本件商標の出願前から我が国でも周知となったと考えられ、特にスペイン系の食品を中心として総合食品・食材メーカーとして著名になった申立人の商品は、「調味料・香辛料」の分野で広く需要者層に受け入れられており、この情報はわが国でも知られていたものと考えられ、本件商標は、その出願前に当業界で広く知られていた「GOYA」と類似する商標であって、類似の商品について使用するものである。また、本件商標がその指定商品に使用された場合、その商品の出所について混同を惹起する蓋然性が高いと考える。

(4)本件商標は、申立人の著名商標と同一の称呼を有する極めて類似するものであり、本件商標の出願の段階において不正の目的があったことが推認されるものである。

3 当審の判断

(1)申立人提出の各証拠(甲第3号証ないし同第5号証)によれば、「GOYA」標章が、申立人に係る商標あるいは略称として、豆、ライス、ジュース及び各種調味料等について使用されていることは窺えるとしても、これら証拠は、いわゆるインターネットにおいて、申立人の取扱い商品ないし企業の紹介情報でしかなく、具体的な取引状況及び需要者の認識の程度を客観的に判断することができず、わが国における取引状況及び需要者の認識の程度を含め、その実態は不明というほかないから、この程度の証拠によっては、「GOYA」が申立人の名称の略称であって、かつ、著名な略称ないしは当該食品を表す標章として需要者の間に広く認識されているものとは認めることができない。

(2)申立人提出の各証拠(甲第1号証及び同第2号証)による引用商標の指定商品と本件商標の指定商品との類否について検討するに、それぞれの指定商品は前記したとおりであるところ、商品の類否を判断するに際して基準となる、生産部門、原材料又は用途が一致するかどうか等の点においてみれば、両者の各指定商品は一致することの少ない別個非類似の商品と判断するのが相当であるから、本件商標と引用商標は、称呼において類似するとしても、同一又は類似の商品について使用するものとは認められない。

また、申立人が引用商標を本件商標の指定商品の分野ないしはこれに関連する商品若しくは役務について使用し、本件商標登録出願時に需要者の間に広く認識されているというような事情はなく、その証拠も見出せない。

(3)してみれば、本件商標は、申立人の名称の略称であって著名な略称と認めることはできず、また、他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務に使用するものとすることはできないものであって、さらに、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。更に、本件商標は、申立人がその業務に係る商品に使用する商標の出所表示機能を希釈化させたり又はその名声を毀損させるなど不正の目的をもって出願されたものとは認められない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものということはできないから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり決定する。

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