Trademark Appeal Case
商標の類否と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90747(T2001−90747/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4485874号商標(以下「本件商標」という。)は、「BEST WORK」の文字を横書きしてなり、平成12年3月10日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成13年6月29日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)「BEST WESTERN」は、世界でも最大規模のホテル数を誇るホテル・グループである。宿泊施設の提供という役務を提供する業界において、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の商標「BEST WESTERN」は、本件商標の出願のはるか前から周知となっていた。本件商標は、その出願前に知られていたこの周知商標と称呼・観念において類似する。
(2)本件商標は、申立人の引用に係る、「BEST WESTERN」の文字を横書きしてなり、平成4年9月25日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成7年5月31日に設定登録された登録第3046379号商標(以下「引用A商標」という。)、及び、別掲に示したとおりの構成よりなり、平成6年4月18日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年8月15日に設定登録された登録第4041719号商標(以下「引用B商標」という。)と、称呼、観念において類似し、本件商標の指定役務は引用A商標及び引用B商標の指定役務と抵触する。以下、上記両商標を一括していう場合は「引用各商標」という。
(3)申立人の商号商標「BEST WESTERN」の当業界及び需要者層における周知・著名性の度合いに鑑みれば、この語と観念上ほぼ同一視される本件商標がその指定役務に使用された場合には、その出所について誤認・混同を惹起する蓋然性が高い。
(4)本件商標は、「普通」の概念を超えない字体でそのまま表示されたものであり、これが一連の語と認識されるならば「最良(最高)の仕事(を提供する)」という役務の質を誇張して表示する言葉にすぎない。よって、本件商標は、自他役務の識別機能はない。
(5)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同法第3条第1項第3号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、「BEST WORK」の文字よりなるところ、これら両文字は同じ書体で一体的に表されていて、全体をもって称呼しても冗長に亘るものではなく、よどみなく一気に称呼し得るものである。そして、たとえ構成中の「WORK」の文字部分が「仕事」を意味する語であるとしても、かかる構成においては役務の質を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るともいい難いところであるから、構成全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが自然であると認められる。したがって、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ベストワーク」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。
これに対し、引用A商標は、「BEST WESTERN」の文字よりなり、また、引用B商標は、モノグラム風の図形が配された5角形様の図形内に「BEST」と「WESTERN」の文字が表されているものであって、引用各商標は「ベストウエスタン」の称呼のみを生ずるものと認められる。
そうすると、本件商標は、引用各商標と「ベストワーク」、「ベストウエスタン」の称呼において類似するものでないばかりでなく、それぞれの構成からして、観念においてはもとより、外観においても類似する商標とは判断することができない。
申立人は、「『BEST WORK』から生ずる観念は、最上のサービスを提供するという『BEST WESTERN』グループの企業理念そのものであり、観念の上からは引用各商標と極めて近しく捕らえられる」と述べるが、企業理念自体が商標の類否に影響を及ばさないことは明らかであるから、上記申立人の主張は、採用に由ないものである。
(2)上述のとおり、本件商標は、引用各商標に類似する商標ではなく、他に両商標間には誤認混同の生ずる事由は見出し得ないものであるから、これをその指定役務に使用した場合、取引者、需要者がこれより直ちに引用各商標を連想、想起するものとは判断することができない。
してみれば、本件商標は、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
(3)本件商標は、その構成よりして、「最良(最高)の仕事」程度の意味合いを看取し得るとしても、これより指定役務の質、効能、用途等を具体的に表すと理解されるものとは判断し得ないから、本件商標は、役務の質、効能、用途等を表示するものではなく、自他役務の識別標識としての機能を果たすものといわなければならない。
(4)以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同法第3条第1項第3号の規定に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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