Trademark Appeal Case
称呼の類似性:微差の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成8年審判第20545号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙(1)に表示したとおりの構成よりなり、第3類「化粧品」を指定商品として、平成6年8月8日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2174178号商標(以下、「引用商標」という。)は、別紙(2)に表示したとおりの構成よりなり、昭和62年3月20日登録出願、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、平成1年9月29日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成別紙(1)に示すとおり、「NURTURING」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、特定の称呼及び観念を生じさせない造語と認められるものであるから、かかる場合、我が国で最も一般に親しまれている英語風の読み方をもって、例えば、「養育、養成」等を意味する「nurture」が「ナーチュア」と読まれ、また、「チューリング機械」を意味する「Turing machine」が「チューリングマシーン」と読まれる用例に徴すれば、これを英語風に「ナーチュリング」と読み、その称呼をもって取引に資するとみるのが自然である。
したがって、本願商標は、その構成文字より「ナーチュリング」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、その構成別紙(2)に示すとおり、「ナチュリンク」の片仮名文字を横書きしてなるところ、これよりは特定の観念を生じさせない造語と認められるものであるから、該構成文字に相応して、「ナチュリンク」の称呼を生ずること明らかである。
そこで、本願商標より生ずる「ナーチュリング」の称呼と引用商標より生ずる「ナチュリンク」の称呼とを比較するに、両称呼は、「ナ」、「チュ」、「リ」、「ン」の各音を同じくし、異なるところは、「ナ」の長音(ー)の有無及び末尾の「グ」と「ク」の音の差異を有するものである。しかして、該長音の有無は、「ナ」(na)の音の帯有する母音(a)を若干程度伸ばすか否かの微差であって、その差が常に明瞭であるとはいい難く、また、「グ」と「ク」の音にしても、元々、調音域を同じくする「ク」の音の濁音と清音という関係にある音であり、かつ、称呼の識別上、明瞭に聴取し難い語尾に位置する結果、これらの差異が称呼全体に及ぼす影響は決して大きいということはできないから、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調・語感が近似したものとなり、彼此聴き誤るおそれのあるものといわざるを得ない。
そして、本願指定商品である「化粧品」を取扱う取引者、需要者間においては、電話等口頭による商取引も普通一般に行われるところであって、商標の呈する外観のみにより取引に当たるとする特段の事情はなく、また、両商標は共に造語であるから、商標の有する観念をもって取引指標とされる事情も見出せない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼において互いに紛れ易く、このほか、外観及び観念の点を考慮するとしても、前記事情に照らし、なお両商標は類似のものと判断するのが相当であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品と認められる。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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