結論テキスト
登録第2581910号商標の指定商品中、「電気通信機械器具(ラジオ受信機、テレビジヨン受信機、音声周波機械器具、映像周波機械器具を除く)電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−31429(T2000−31429/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2581910号商標(以下「本件商標」という。)は、「ペンギン」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和58年7月13日に登録出願、指定商品の区分(平成3年9月25日政令第299号による改正前の商標法施行令第1条所定の商品区分。以下同じ)第11類「電気機械器具(民生用電気機械器具を除く)電気通信機械器具(ラジオ受信機、テレビジヨン受信機、音声周波機械器具、映像周波機械器具を除く)電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同5年9月30日に登録されたものである。
請求人は、「本件商標の登録は、指定商品中の商品『電気通信機械器具,電子応用機械器具』について取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べた。
請求人の調査によると、本件商標は商標権者であるサンスター株式会社によって指定商品の商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具」について日本国内で継続して3年以上使用されていない。
また、本件商標の商標権には専用使用権は設定されていない。
加えて、通常使用権も登録されていないことから、本件商標権には通常使用権者も存在しないことが推認し得る。したがって、本件商標の登録は商標法第50条の規定により取消しを免れないと確信する。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める」と答弁し、その理由を以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
(1)本件商標は、以下に示す証拠方法からも裏付けられるように、被請求人のグループ企業の一つであるサンスター技研株式会社によって、前記指定商品中「電子応用機械器具」(以下「本件商品」という。)について現に継続的に使用されているものである。したがって、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商品について使用されているものであり、本件審判の請求は成り立たないものである。
(2)被請求人は、本件商標が本件商品について現に使用されていることを裏付ける証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出する。
乙第1号証は、「機械発泡型不定形ガスケット/PENGUIN FOAM SYSTEM 」と題されたパンフレット写(1999年1月発行)である。このパンフレットは、機械発泡型不定型ガスケットを発泡・成形するシステム(以下「本件システム」という。)に関するものであり、本件システムは、被請求人のグループ企業の一つであるサンスター技研株式会社が1997年から製造及び販売をしているものである。本件システムは、(a)材料、ガスの供給ユニット、(b)混合ユニット、(c)吐出ユニット、(d)前記(a)〜(c)を制御するコントロールユニットからなり、前記(d)のコントロールユニット(以下「本件コントロールユニット」という。)には、コンピュータープログラムが組み込まれている。
乙第2号証は、本件システムの本件コントロールユニットに組み込まれたプログラムに関する説明書であり、この説明書の対象となっている本件コントロールユニットは1998年6月1日に製造されたものである。
乙第3号証は、本件商標を使用しているサンスター技研株式会社が、被請求人たるサンスター株式会社のグループ企業の一つであることを示す案内冊子「SUNSTAR GROUP GUIDE 」の抜粋写しである。
これらの資料において、まず、本件商標と同一の商標又は社会通念上同一と認められる商標が使用されている点について述べる。乙第1号証のパンフレットでは、表紙において、「PENGUIN FOAM SYSTEM 」の文字だけでなく、中央部に大きく英文字「PENGUIN」が表示されると共に、数羽のペンギンの写真が示されている。我が国における英語の浸透度を考慮すると、「ペンギン」に相当する英単語が「PENGUIN」であることは良く知られているということができ、ペンギンの写真も示されていることから、表紙の英文字「PENGUIN」部分は、容易に「ペンギン」の観念、称呼を生じるものであり、本件商標とは社会通念上同一と認められる商標であるとみるのが妥当である。さらに、表紙の「PENGUIN FOAM SYSTEM 」の文字部分及びパンフレットの2ページ目の「ペンギンフォームシステム」の表記についても、これらの表記中「FOAM SYSTEM 」、「フォームシステム」の文字部分は商品の内容等を表すにすぎず「PENGUIN 」、「ペンギン」の文字部分が自他商品識別力を有する部分であるので、これらの表記に関しても本件商標「ペンギン」と同一又は社会通念上同一と認められる商標を表示したものとみるのが相当である。
次に、本件商品について本件商標が使用されている点について述べる。
乙第1号証のパンフレットに示された本件システムは、ガスケットの材料をコンピュータープログラムの制御により、その吐出量を微調整して発泡、成形させ用途に応じたガスケットを生産するシステムである。本件システムは、前記のように、(a)材料、ガスの供給ユニット、(b)混合ユニット、(c)吐出ユニット、及び本件コントロールユニットからなり、本件コントロールユニットにはコンピュータープログラムが組み込まれて前記(a)〜(c)の制御を行うことを特徴としており、かつ、前記(a)〜(c)の設計変更等の要望に応じて、本件コントロールユニット及びそれに組み込まれたコンピュータープログラムが独立して取引の対象となることもあるものである。したがって、コンピュータープログラムを組み込んだ本件コントロールユニットが独立して取引の対象となる点で、本件コントロールユニットは電子応用機械器具に属する商品であり、本件商標が本件商品について使用されているものであると思料する。
さらに、本件商標を使用している主体については、まず、直接的に使用している主体は、乙第1号証のパンフレット末尾に記載されているように、サンスター技研株式会社である。サンスター技研株式会社は、乙第3号証からも明らかなように、被請求人のグループ企業の一つであり、本件商標の使用について通常使用権の登録はされていないが、被請求人はその所有商標についてグループ企業に対して必要に応じて使用を許諾しており、本件商標についてもサンスター技研株式会社に使用を許諾しているものであるので、サンスター技研株式会社は本件商標の通常使用権者とみるのが妥当である。さらに、乙第1号証のパンフレット末尾、及びパンフレット中の装置において、被請求人を示す「SUNSTAR」のロゴマークが示されており、本件商標の商標権者である被請求人が本件商標の使用主体であるとみることも可能である。前記ロゴマークは、被請求人たるサンスター株式会社の名称をモチーフとした商標であり、旧第4類の商品を指定した登録第2376863号商標が需要者間において著名であると共に、本件商品の分野においても被請求人の権利に係る登録第2452618号(商公平3−117944号、乙第4号証参照)として商標登録され、第42類の役務を指定した登録第2376863号防護第7号(商公平7−80559号、乙第5号証)としても登録されている。したがって、本件商標は、通常使用権者であるサンスター技研株式会社だけでなく被請求人目身すなわち商標権者によっても使用されていると解釈されるものである。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標権者及び通常使用権者によって、本件審判請求の登録前3年以内に、及び現在も継続的に本件商品について使用されているものである。したがって、本件商標の登録を取り消すべきであるとする請求人の請求は根拠を有しないものである。
(1)本件商標の指定商品は、上記1に示すとおりであって、その指定商品中に「ラジオ受信機、テレビジヨン受信機、音声周波機械器具、映像周波機械器具」を含んでいないところ、請求人は、これらに対しても商標登録の取消しを請求しているから、この部分の請求は、存在しない対象物についてなされた不適法な請求であり、その補正をすることができないものである。
したがって、この部分に対する請求は、商標法第56条において準用する特許法第135条の規定により、却下をすべきものである。
(2)次に、被請求人は、「本件商標は、商標権者及び通常使用権者によって、指定商品中の「電子応用機械器具」について使用されている」旨主張するので、これについて以下、検討する。
乙第1号証及び乙第2号証によれば、本件システムは、用途に応じた形状のガスケットをコンピューター制御により生産するシステムであって、(a)材料、ガスの供給ユニット、(b)混合ユニット、(c)吐出ユニット、及び本件コントロールユニットからなり、本件コントロールユニットには、コンピュータープログラムが組み込まれているものと認められる。
そして、被請求人は、本件システムは、本件コントロールユニットにはコンピュータープログラムが組み込まれて前記(a)〜(c)の制御を行うことを特徴としており、かつ、前記(a)〜(c)の設計変更等の要望に応じて、本件コントロールユニット及びそれに組み込まれたコンピュータープログラムが独立して取引の対象となることもあるから、コンピュータープログラムを組み込んだ本件コントロールユニットが独立して取引の対象となる点で、本件コントロールユニットは「電子応用機械器具」に属する商品である旨主張している。
しかし、乙第1号証及び乙第2号証によれば、本件システムは、ガスケットを生産するための機械装置であって、コンピューターにより制御されるとしても、第9類に区分される「産業機械器具」に属する商品であって、商品の区分第11類の「電子応用機械器具」に属する商品でないことは明らかといえる。
また、本件コントロールユニットは、本件システムに専用のコントロール装置であり、「産業機械器具」に属する本件システムの一専用部品ともいうべき性格のものと認められるから、これにコンピュータープログラムが組み込まれており、これだけを取引することがあっても、本件システムに専用のコントロール装置である限り、商品の区分第11類の「電子応用機械器具」に属する商品とはいえない。
さらに、本件コントロールユニットに組み込むコンピュータープログラムが、本件システム又は本件コントロールユニットと無関係に独立した商品として取引された事実を認めるに足りる証拠はないから、上記の被請求人の主張は採用できない。
そして、他に、本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)が、被請求人(商標権者)又は被請求人のいう通常使用権者サンスター技研株式会社によって、その指定商品中の「電気通信機械器具(ラジオ受信機、テレビジヨン受信機、音声周波機械器具、映像周波機械器具を除く)電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」のいずれかについて使用された事実を認め得る証拠はない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「電気通信機械器具(ラジオ受信機、テレビジヨン受信機、音声周波機械器具、映像周波機械器具を除く)電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」について、商標法第50条の規定に基づき、その商標登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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