Trademark Appeal Case
だし仕込みの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第2411号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「だし仕込み」の文字を横書きした構成よりなり、第30類「コーヒー及びココア、茶、ウースターソース、ケチャップソース、しょうゆ、食酢、酢の素、そばつゆ、ドレッシング、ホワイトソース、マヨネーズソース、焼肉のたれ、ごま塩、食塩、すりごま、セロリーソルト、米、脱穀済みの大麦、食用粉類、穀物の加工品、サンドイッチ、すし、ピザ、べんとう、ミートパイ、ラビオリ、菓子及びパン」を指定商品として、平成6年7月13日に登録出願されたものであり、その指定商品については、平成9年2月14日付の手続補正書により「ウースターソース、ケチャップソース、ドレッシング、ホワイトソース、マヨネーズソース、焼き肉のたれ」に補正されているものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、あらかじめダシが仕込まれているものであることの意を表したものと理解される『だし仕込み』の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるものであるから、これをそばつゆ、ドレッシング、焼肉のたれ等の嗜好、用途により種々の味付けがなされる調味料に使用しても商品の性状、品質を表したものとして認識されるにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「だし仕込み」の文字を普通の方法で書してなるところ、該構成中の「だし」の文字は、食品の関係においては、「動物性、植物性の材料を煮出したり、水に浸してうまみ成分を抽出した汁のこと。」(改訂調理用語辞典、平成10年12月25日社団法人全国調理師養成施設協会発行)を意味し、また、「仕込み」の文字は、「中に作り入れる」の意を有するものである。
ところで、近年、あらかじめ「だし」が添加され、あらためて「だし」を加える必要のない調味料が多数販売されている。このことは、例えば、朝日新聞(1986.5.7)の「チューブ入りみそ(新製品)」の記事中に「単身赴任者に・・・『だし入りみそ』(320円)・・・」の記載、日本経済新聞(1998.4.4)の「鮭節を使いダシ醤油」の記事中に「鎌田醤油は・・・六月から『鮭(さけ)節』を使ったダシ醤油(しょうゆ)の生産に・・・」の記載、日本食糧新聞(1999.4.5)の「調味(スープ・マヨネーズも)/特集」に「オリバーソース(株)は・・・今春、ウスターソースを和風だしで割った『だしソース・うすウス』を新発売。」の記載、同(1998.3.30)の「調味(スープ・マヨネーズも)/新製品ニュース」に「イカリソース(株)は・・・『ニューブーン・神戸ドレッシング』シリーズに・・・▽和風=本醸造醤油に鰹と昆布だしのうまみを加え、レモン果汁をブレンドした、さっぱりした和風タイプ。・・・」の記載、日経流通新聞(1993.6.19)の「コンブの味生かしたダシ」の記事中に「北海道南茅部町特産のマコンブを使用した『真昆布だし調味料』。〈だししょうゆ〉〈だしつゆ〉〈焼肉のたれ〉の3品がセット。・・・」の記載など、多数の新聞記事によっても認められるところである。
してみれば、「だし仕込み」の文字からなる本願商標は、上記実情から、「あらかじめ『だし』が仕込まれている」の如き意味合いを容易に看取させるものであるから、これをその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、該商品が単に「だし入り」であることを認識するにとどまるものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章であって、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとした原査定は妥当なものであって、取消すべき限りでない。
なお、請求人は、証拠方法として商標公報(甲第1号証乃至同第5号証)を提出し、本願商標は、商標法第3条第1項、第3号に該当しない旨主張しているが、該公報に掲載された商標は、いずれも本願商標とはその構成態様を異にするものであるから、かかる請求人の主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
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