Trademark Appeal Case
称呼と外観の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第3269号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、平成5年12月29日に登録出願され、商標の構成を別紙(イ)に示すものとし、指定商品を第11類「電熱式ホットプレート,その他の家庭用電熱調理器具,その他の家庭用電熱用品類」とするものである。
2 引用商標
原査定が本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した登録第854857号商標(以下、「引用商標」という。)は、昭和38年4月18日登録出願、商標の構成を別紙(ロ)に示すものとし、指定商品を第11類「スウィッチ、その他本類に属する商品」として、同45年5月1日に設定登録がされ、現に有効に権利を存続させるものである。その後、引用商標に係る商標権は、不使用に基づく取消審判の請求(昭和59年審判第10687号)があった結果、指定商品中の「電池」について登録を取り消す旨の審決の確定登録が平成3年1月22日にされているものである。
3 当審の判断
(1)一般に、広告活動は、生産者又は販売業者が需要者に対して商品又はサービスを売り込むために行う訴求活動であって、事業者は不特定の大衆を対象にその取扱いに係る商品又はサービスの存在、特徴、便益性等を知らせ、消費者の理解、納得を獲得することにより購買意欲を起こさせ、或いは、当該事業者への信用力を高めるために遂行する商業上のコミュニケーション活動ということができる。
一方、事業者が商業活動において自己の業務に係る商品又はサービスと他人のそれとを区別するために使用する商標、すなわち、自他商品(役務)の識別機能をその本質的機能とし、事業者の業務上の信用の確保を目途として使用される商標は、消費者個々の視覚、聴覚及び思考等の感覚作用に訴え購買意欲を起こさせるものであるから、これを反復使用することは、とりもなおさず、事業者が消費者に対し直接訴える最も有効な広告手段であって、この意味において、商標の持つ広告的機能が重視される所以である。
そして、昨今、事業者は商標の持つ広告的側面に着目し、企業イメージ、商品イメージを高めかつ需要者の注意喚起を促す手法の一として、商標に使用する文字のロゴタイプを定め或いはデザイン化し又は着色するなどして特徴を持たせ、その表示態様にいろいろと工夫を凝らしているのが実情である。
(2)別紙(イ)に示す構成よりなる本願商標は、前記広告事情にあって、事業者がそれぞれに駆使する文字表現の一態様とみるのが相当であり、かつ、表現された文字の種類並びに字体の特徴等よりみて、これよりは、欧文宇の「A」、「L」、「C」及び「O」の各文字を綴ってなるものと容易に認識し把握されるとみるのが自然である。そして、本願商標は、その外観上の特徴をもって印象づけられると同時に、取引場裏にあっては、わが国において最も親しまれている英語風の読み方をもってこれを「アルコ」と称呼し、この称呼をもって取引に資するとみるのが取引の経験則に照らし相当である。
したがって、本願商標からは、「アルコ」の称呼を生ずるものといわなければならない。
他方、別紙(ロ)に示す構成よりなる引用商標は、「ALCO」の欧文宇よりなるものであるから、該構成は、その外観上の特徴をもって印象づけられると同時に、本願商標の場合と同様に、英語風の読み方をもってこれを「アルコ」と称呼し、この称呼をもって取引に資するとみるのが相当である。
したがって、引用商標からは、「アルコ」の称呼を生ずるものといわなければならない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、「アルコ」の称呼を同じくする点において紛らわしく、また、両商標は共に欧文字「ALCO」の文字表現よりなるという点において、構成の軌を同じくし、外観印象も近似するものといわなければならない。また、両商標は、いずれも造語と認められるから、観念において両者を区別し得るとする事情は見出せない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、その出所について混同を生ずるおそれのある類似のものと判断するのが相当であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品中に内包されるものと認められる。
(3)(結語)
以上によれば、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ないから、これを理由に、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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