Trademark Appeal Case
型式・品番の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第6859号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に示すとおり「MD−XG」の文字を横書きしてなり、第9類「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成4年8月31日登録出願、その後、指定商品については、同9年9月26日付手続補正書により、「光磁気ディスク」と補正しているものである。
2 原査定の理由
原審において、登録異議の申立てがあった結果、原査定は、『本願商標は、普通の態様で書された「MD」と「XG」の各文字をハイフンで結合してなるものであるが、2つの欧文字2字の組み合わせをハイフンで連結したものは、一般に商品の品質、等級等を表示するための記号、符号として商取引上普通に使用されているところであるから、本願商標もその一類型にすぎないものである。してみれば、本願商標をその指定商品に使用された場合、これに接する取引者、需要者は前記如き商品の記号、符号として、極めて簡単かつありふれた標章のみからなるものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。』旨を理由として本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成別紙に示すとおり、欧文宇の「MD」及び「XG」の2文字をハイフンで結合した「MD−XG」の文字を表してなるものである。
そして、その構成中前半の「MD」の文字についてみるに、例えば、自由国民社1997年1月1日発行「現代用語の基礎知識1997」の外来語・略語の掲載頁の「MD」の項には、「ミニディスク」との記載、日経BP社1998年11月10日発行「日経パソコン新語辞典99年版」の「MD」の項には、「Mini Disc」、「ソニーが開発した2.5インチの光ディスクまたは光磁気ディスクとドライブの規格。」との記載が認められることより、「MD」の文字は、「ミニディスク(MiniDisc)」の略語として認識、理解されるものである。
ところで、近時の産業、経済の進展に伴い、商品の多様化、細分化が進み、同時にライフサイクルの短縮化傾向も著しい現今、各種商品の製造・販売に関わる事業者は、常々消費者の需要傾向に合った新製品の企画・設計及び開発に取り組んでいるのが実情であって、機械産業をはじめ各種産業分野に携わる事業者それぞれが自己の製造、販売に係る各製品について、その製品管理又は取引上の便宜性から、欧文字の1文字乃至2文字よりなる標章又はこれら文字に数字を組み合わせた標章、さらには、これら両者をハイフンで結合した標章等を当該商品の規格、型式又は品番を表示するための記号、符号として、取引上普通に使用していることはすでに顕著な事実として認められる。
そして、この事実は、本願指定商品においても、例えば、日本ビクター株式会社1997年12月作成の「特約店様用ビクター商品総合カタログ’9712」の品番索引一覧の頁をみてもこの種の商品について使用されていることが明らかで、さらに、ミニディスクについてみるに、項目として「MD(ミニディスク)215〜217」と表示されており、その215頁には、ミニディスクの製品紹介とともに「MD−WEシリーズ」の型番として「MD−74WE、MD−60WE」等の記載、シャープ株式会社1998年2月1日現在の「’98春号シャープ総合カタログセールスマン専用」のMDオプション適合表62頁には「録音用MD(ミニディスク)(74分用)」の形名が「AD−MR74」と表示されていることが認められる。
また、いわゆるインターネットにより情報を公開しているサイトをみると、株式会社エフ商会(東京都千代田区外神田1−15−16ラジオ会館7F在)の販売にかかる「ミニディスク通常商品価格表」には、メーカーSONY、TDK、Maxell及びAXIAの項目中に品番として例えば「MD−HP 80A」、「MD−MH カラー」、「MDW−60H」等と紹介されている。
以上のことよりすれば、欧文字2文字をハイフンで結合して、ミニディスクの型式・品番の記号、符号として一般に採択・使用されていることが認められる。
してみれば、本願商標は、前記のとおり、ミニディスクを認識する「MD」の文字と欧文字「XG」の2文字をハイフンで結合した「MD−XG」の文字を表してなるものであって、その態様等において格別特異な点は見出せないから、これを本願指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は商品「光磁気ディスク(ミニディスク)」の型式、品番を表示するための記号、符号として普通に用いられる標章の一と理解するに止まり、それ以上に当該商品の出所を示す識別標識とは認識し得ないものであるから、結局、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といわなければならない。
なお、請求人は、本願商標は、大々的に使用され、該表示を商品の品質等を表示している単なる記号として需要者に認識されていることはない旨主張し、証拠として、甲第1号証乃至同第2号証(枝番を含む。)を提出しているが、甲第1号証の1には、「MD−XG60」や「MD−XG60SP」が品番として掲載されていることが認められ、その他の証拠においても「MD−XG」の文字は、商品の型式、品番としての表示とみるのが相当で、該商品は、図形及び「TDK」の文字の商標をもって識別されているとみるのが自然というべきで、「MD−XG」の文字それ自体が単独に当該商品の出所を示す識別標識として機能しているとは認め難いものである。また、「EC−AM」の審決例その他の審決例を挙げて本願商標の登録適格性を主張しているが、それらの事例は商標の具体的構成において本願商標とは異なるものであり、それら事例をもって現在における本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でなく、したがって、それらの主張は採用できない。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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