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Trademark Appeal Case

図形商標の類似判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35115(T2000−35115/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4233250号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、平成9年12月26日に登録出願、第25類「被服,バンド,ベルト」を指定商品として、同11年1月22日に設定登録されたものである。

2 引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4230833号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、1997年7月9日イタリアにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条により優先権を主張して、平成9年8月28日に登録出願、第9類、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年1月14日に設定登録がなされているものである。

3 請求人の主張

請求人は、「本件商標については、これを無効とする、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を概要次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第14号証を提出した。

(1)請求人の調査した範囲においては、本件商標の商標権者が本件商標の指定商品「バンド、ベルト」に係る業務を行っている事実は発見できなかった。よって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の「自己の業務に係る商品について使用する商標」の要件を具備しないものと認められる。

(2)本件商標は、引用商標と類似し、指定商品も抵触する。

本件商標及び引用商標とも円の中に、円形の頭をした人間が片腕、片足で斜めに立っている図形からなるものであり、その構成の軌を一にするものと言える。よって、本件商標が引用商標に類似することは明らかである。特に、引用商標が世界的に著名になっている点、円の中に、円形の頭をした人間が片腕、片足で斜めに立っている図形を特徴とした商標が外に使用されていない点を考慮すれば、その可能性は極めて高いものと言える。

(3)請求人は、イタリアで設立された会社で、被服等のファッション関連商品に引用商標を5年以上に亙り世界的に使用している。日本では、1996年より大阪市中央区南仙波2−7−11に住所を有する株式会社パンドラを通じて日本に販売されており、新聞や雑誌にも頻繁に広告・宣伝・紹介されている(甲第2号証、同第6号証、同第11号証)。請求人は、オランダ、フランス等において、世界規模で販売活動を行っており、1996年及び1997年の年間売上高は、単価の安いカジュアルファッションで、1000億円と驚異的といえる。また、引用商標は、グルジア、ホンコン等において登録されており、本件商標の出願日前より、我が国において、被服等のファッション関連商品の商標として著名になっていたことは明らかである。よって、本件商標は、請求人の著名商標と類似し、その商品も抵触・近似するから、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当することは明らかである。

(4)本件商標は、請求人の使用する引用商標の名声にただ乗りにするものであるから、商標法第4条第1項第7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当する。

(5)本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして外国又は日本国内における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用するものに該当するから、商標法第4条第1項第19号に該当し、登録は無効とされるべきである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、請求人の主張に対し答弁していない。

5 当審の判断

(1)請求人は、自己の調査した範囲においては、本件商標の商標権者が本件商標の指定商品「バンド、ベルト」に係る業務を行っている事実は発見できなかったとしているが、この主張のみによっては、商標権者が本件商標を自己の業務に係る商品について使用をしていないと認定し得ることはできないから、この主張は採用することができない。

(2)本件商標及び引用商標は、別掲に示すとおりの構成よりなるところ、描出されたそれぞれの図形は、直には特定の観念の下に描出された図形と認識することはできず、また、その描出方法は、本件商標が黒く塗りつぶされた正方形内に曲線と丸図形を白抜きの方法で描出してなるのに対し、引用商標は、黒色にて描かれた円図形とその円内に黒色に描かれた楕円形図形と円を突き抜ける特殊な図形を組み合わせてなるものであり、両者から受ける印象を、著しく異にするものであって、両者は、その外観、称呼及び観念のいずれからしても類似しない商標といえるものである。

したがって、本件商標が引用商標と類似するものであるとの請求人の主張は認められない。

(3)請求人は、本件商標が、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する旨主張するが、本件商標と引用商標とは、前記のとおり、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても彼此紛れるおそれのない別異の商標であり、たとえ引用商標が本件商標の登録出願時には請求人の業務に係る商品「被服等のファッション関連商品」を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたとしても、本件商標をその指定商品に使用した場合、請求人の商品とその出所につき誤認を生じるおそれがあるものとはいえず、本件商標は、商標法第4条第1項第10号もしくは同第15号の規定に違反するものとは認められない。

(4)請求人は、本件商標は、請求人の使用する引用商標の名声にただ乗りするものであるから、商標法第4条第1項第7号に該当し、また、不正の目的をもって使用するものであるから同第19号にも該当する旨主張している。

しかしながら、本件商標と引用商標とは、前記のとおり非類似の商標と認められるものであり、本件商標の採択が引用商標の名声にただ乗りするものではなく、かつ、不正の意図を示す証左もない。

また、本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるが如き図形からなるものではない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号の規定に該当しない。

(5)以上のとおりであって、本件商標が商標法第3条第1項柱書、第4条第1項第11号、同第10号、同15号、同第7号及び同第19号に違反して登録されたとする請求人の主張は理由がなく、同法第46条第1項により、その登録を無効にすべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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