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Trademark Appeal Case

不使用取消審判の使用事実

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30015(T2000−30015/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3241982号商標(以下「本件商標」という。)は、平成5年8月24日登録出願、商標の構成を後掲に示すものとし、指定商品を第30類「穀物の加工品」として、同8年12月25日に設定の登録がされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求めると申し立て、その理由として、本件商標は継続して3年以上我が国において被請求人、専用使用権者、通常使用権者のいずれによってもその指定商品について使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により取り消すべきである、と述べている。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第16号証を提出した。

(1)請求人は、本件商標の不使用について、憶測に基づき主張するところがあるが、本件審判請求登録前、被請求人は本件商標をその指定商品「穀物の加工品」の商品群概念に含まれる「中華そばのめん」に使用していた。

(2)本件商標の使用事実について

(ア)本件商品

本件商品は、中華そばのめん2パックと、スープ2パックの2食分を乙第2号証の商品包装用フィルム(以下「本件包材」という。)で包装した商品(以下「本件商品」という。)を販売形態とする(乙第1号証)。

(イ)従来の企画及び販売実績

被請求人は、かつて本件商標を使用した商品「中華そばのめん」を数回企画し販売した実績がある。豚骨風味のラーメンは、従来から需要者に根強い人気があった。而して、被請求人は、豚骨風味のラーメンを数多く企画し販売してきたが、より個性的な豚骨風味の需要が見込まれて、そして、その需要に応える商品企画に本件商標が相応しいと思われるときには、「げんこつラーメン」を採用し販売してきた。

被請求人の「げんこつラーメン」は、一般向けの期間限定のスポット商品としての企画であったこともあり、資料散逸のために客観的な商標使用の立証手段としては整っていない。しかし、乙第16号証カタログの「げんこつしょうゆ(ラーメン)」のように、請求人会社の代表者関川清が周知していた事例もある。このカタログは、件外東京高裁平成10年(行ケ)236号事件において、関川清が本件請求人の商標使用実績として立証した書証(甲第36号証)である。

(ウ)本件商品の販売企画

本件商品の販売企画は、中部地方及び関西地方における平成10年秋冬の需要動向から同年12月頃に社内提案があり、濃厚な豚骨風味の需要が見込まれる翌平成11年の秋期に、中部地方及び関西地方の嗜好を取り入れて発売する方向で具体的に進めることになった。

平成11年7月、被請求人は、デザイン会社に本件包材のデザイン製作を依頼、完成した包材デザイン(乙第2号証「本件包材」)の印刷を同年8月上旬に藤崎プラスチック株式会社に依頼した。

本件商品の営業活動においては、平成11年7月、中部地方及び関西地方の取引先に対して無地包装のままサンプル商品を配布し、サンプル印刷が出来上がった同年8月中旬以降は、サンプル印刷(乙第2号証)も併せて見本として提示してきた。

本件商品の9月発売に向けて、平成11年8月30日藤崎プラスチック株式会社の下請印刷会社有限会社宏明産業(現商号「ウヤマ産業株式会社」)が本件包材を被請求人の業務委託会社丸中製麺株式会社に納品した(乙第2号証「包装用フィルム」、乙第3号証「送り状A」、乙第13号証「証明書」、乙第14号証「証明書」、乙第15号証「証明書」)。

その後も藤崎プラスチック株式会社は、丸中製麺株式会社に対して本件包材を継続して納品している(乙第4号証「送り状(ご依頼人控票)」)。

(エ)本件商品の販売実績(平成11年9月)

丸中製麺株式会社は、本件包材の納品を受けて本件商品の包装を開始、平成11年9月10日の株式会社トーカン春日要冷センター納品に続いて、同月各集中配送センターに納品(販売)をした。

而して、丸中製麺株式会社は、被請求人会社の業務委託会社であり、中部地方及び関西地方における生めんを中心にしたシマダヤ製品の製造と商品包装(販売商品形態に包装する。)を主な業務とするが、同地方における業務委託製品の納品(販売)代行も行っている。本件商品に関しては、被請求人から中華そばのめん、他の協力会社からスープの供給を受けて商品包装(乙乙第1号証)を行い、同地方における納品(販売)代行を行った。

丸中製麺株式会社の主な納品先は、(複数企業または単一企業の)スーパーマーケットチェーンの集中配送センターであり、本件商品は、各集中配送センターから、各地区のスーパーマーケットに配送され、一般需要者に販売されていた。

(オ)前記の販売実績について書証を挙げて説明する。

乙第6号証ないし乙第9号証は、本件商品の納品(販売)事実を示す「物品受領書」である。これらの物品受領書は、被請求人が(丸中製麺株式会社を通して)本件商品を被請求人の取引先に納品(販売)したものである。物品受領書の品名欄の「N.ゲンコツシヨウユラーメン」が本件商品「げんこつ 醤油ラーメン」であること、そして、取引の実際に物品受領書が使用されていたこと、更に、本件商品が取引売買されていたこと等は、取引先及び丸中製麺株式会社の証明書によって明らかである(乙第10号証ないし乙第13号証「証明書」)

乙第5号証は、被請求人が作成した本件商品の販売リストである。右欄の正味数量は、本件商品の販売数量である。乙第9号証(枝番)の受領書(株式会社トーカン春日要冷センター)における販売数量合計と相違するのは、1枚(6個分)の「物品受領書」を紛失したことによる。

リスト中、チェーン店コード「602」のセイフー(株式会社セイフー)、同「632」のショウワトヨハシエイギョウショ(株式会社昭和豊橋営業所)については、時間的制約から証明書の発行が困難と思われたので、証明書による立証は見送った。

(3)本件商標と本件商品に表した商標の同一性

本件商標は、被請求人会社のハウスマーク(社章とその下に横書きに小さく表した「シマダヤ」の文字の結合により構成される。)と、大きく横書きに表した「げんこつ」の文字を上下二段に配置した構成概要になる。

これに対して、本件商品に表した商標(乙第1号証、乙第2号証)は、左肩に被請求人会社のハウスマークと、中央に大きく縦書きに表した「げんこつ」の文字を、縦書きに表した「醤油ラーメン」の文字を挟んで左右に配置した構成概要になる。本件商品のその他の識別標識となり得ない商標等の説明は省略する。

而して、本件商品に表した商標は、ハウスマークと「げんこつ」を商品包装の同一面にありふれた配列で配置しているので、同じく同一面にハウスマークと「げんこつ」を普通に配置した本件商標とは、社会通念上商標同一として認識される。両者「げんこつ」の文字配置の縦横の差異及び書体の差異等は、慣用デザイン処理における表示範囲の微差程度にすぎず、両者に別異を感受させるには至らない。

(4)以上により、本件審判請求登録前3年以内に、被請求人が本件商標をその指定商品「穀物の加工品」の商品群概念に含まれる「中華そばのめん」に使用していた事実が明らかである。

従って、請求人が商標不使用とする主張は、単なる憶測に基づくものにすぎず、法的根拠を欠くことが明白である。

4 当審の判断

被請求人提出の乙第1号証ないし乙第16号証によれば、被請求人は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一といえる商標をその指定商品である「穀物の加工品」に含まれる「中華そばのめん」について使用していた事実が認められる。

請求人は、上記3の被請求人の答弁に対し、弁駁していない。

してみれば、被請求人は、本件審判の請求に対して所定の事柄について主張・立証し得たものであるから、本件商標の登録は、商標法第50条により、これを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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