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Trademark Appeal Case

πウォーターの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第7465号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に示すとおり「πウォーター」の文字を横書きしてなり、第4類「せっけん類,その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和62年5月29日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定において、『この商標登録出願に係る商標は、「πウォーター」の文字を書してなるところ、いわゆる“πウォーター”は2価3価鉄塩を含み生体水に限りなく近い水を意味し、そして係る水は本願指定商品に関わる商品を含むあらゆる分野で商品としての実用化が図られている実情にあるから、このようなものをその指定商品に使用するも、単に“πウォーター”を原材料として用いてなる商品であることを表す、商品の品質・原材料を表示するにすぎない商標と認める。

したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。』と認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、その構成前記のとおり「πウォーター」の文字よりなるものであるところ、該文字に関して、例えば、「現代用語の基礎知識」(株式会社自由国民社発行1992年版、1996年版)の「πウオーター」の項によれば、「人間の体内の3分の2を占める生体水に限りなく近く、超微量の2価3価鉄塩を含んでいる水」との解説が認められる。

また、該語について各種雑誌、新聞記事をみると、例えば、毎日新聞社発行の雑誌「毎日ライフ」(1993年7月号)によれば、「トピックス」の1つとして「・・πウォーターとは、この二価三価鉄塩によって、環境に対応して生物を最良の状態に導くように構造化された水をいう。・・」との解説記事が認められ、或いは、株式会社芙蓉社発行の雑誌「週間スパ」(1989年4月19日号)によれば、「Z00M UP」記事の1つとして『「・・魔法の水」ことπウオーターの誕生は、昭和39年にさかのぼる。名古屋大学の山下昭治博士が、この年、πウォーター理論を初めて学会で発表・・・。πウォーターとは、ひとことでいってしまえば、「超微量の二価三価鉄塩に誘導された水」のこと。・・」、「・・この水でご飯を炊けば日もちするし、洗濯ならガンコな汚れも落ちる。・・」旨解説され、さらには、πウォーターの人体への効用として「・・顔のシッシンがとれ肌がつるつるに。シワが減る。」との解説記事が認められる。

さらに、当該「πウォーター」に関する製品広告をみると、例えば、平成3年10月31日付の産経新聞朝刊の広告記事の1つとして、「・・そのほか、ホタテやハマチの養殖をはじめとする水産品や加工食品、工業や化粧品など、あらゆる分野でπウォーターの実用化が行われている。・・」旨の記事が認められ、或いは、株式会社光淋発行の業界雑誌「食品工業」(1993年4月15日号)によれば、「不思議な水 パイウォーターのその後」の記事見出しのもとに、「・・現在、πウォーターの応用実用化が最も熱心で、かなりの広がりをみせているのが水道水につける家庭用、業務用の浄水器と頭髪・頭皮や肌などに使う化粧品で、化粧品では美容院での普及が急速な展開をみせている。・・」との各記載が認められ、さらには、株式会社光文社発行の雑誌「女性自身」(1993年7月号)によれば、πウォーターを使用して作った化粧品、石けん類の紹介記事が認められる。また、1992年2月15日付の日経流通新聞によれば、化粧品関連メーカーの新製品の紹介記事中に「・・自然回帰水パイウォーターにより、傷んだ髪を自然なツヤと潤いのある健康な髪に回復させるシャンプー・・」との記事が掲載され、或いは、1994年4月13日付の日本食糧新聞によれば、「農水省の関連団体、生物系特定産業技術研究機構は、・・・六企業、二団体と共同で、(株)機能水研究所を設立した。・・パイウォーターなど「機能水」の科学的な構造分析、利用技術の開発が目的。・・・機能水については新しい学説が次々と提示されて、機器、医薬品、食品などの商品化もすすめられている。・・」との解説記事が認められる。

以上、認定の事実を総合すれば、「πウォーター」の文字は、一般に「生体水に極めて近い二価三価鉄塩を含む水」を意味する語として容易に理解され、かつ、該文字(語)は、飲料、化粧品、食品工業の分野において、その特質を利用した各種製品についてその商品特性を示すものとして、取引上普通に使用されているものと認められる。

してみれば、本願商標を、その指定商品中の「二価三価鉄塩を含む水を使用した石けん類、化粧品などについて使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記の実情よりして、当該商品の品質(「二価三価鉄塩を含む水を原材料とする化粧品、せっけん類」等であるという品質)を表示したものと理解するに止まり、それをもって自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。

請求人(出願人)は、『本件商標出願人は、「πウォーター」の開発の初期から積極的に関与し、主体的な役割を果たして来たことは明らかであり、このことは本件商標出願前から、汎く世に知れわたっている。したがって「πウォーター」は近年著名になり辞典にも掲載されるようになっているが、現在でも「πウォーター」即ちアイ・ビー・イーの商品であることは一般的に充分認識されている。』旨述べ、それ故本願商標は自他識別性を有すると主張しているが、前記認定の事実に照らしてみるに、「πウォーター」の文字(語)は、すでに一般化した用語とみるのが相当であって、特定事業者のみが使用し得る商品標識(商標)とは認め難いから、その主張は採用することはできない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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