Trademark Appeal Case
バイオフィルタの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第12094号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「バイオフィルタ」の片仮名文字を横書きしてなり、第11類「家庭用浄水器、汚水浄化槽、し尿処理槽、家庭用汚水浄化槽、家庭用し尿処理槽」を指定商品として、平成7年6月26日に登録出願したものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、『バイオの働きによるフィルター』を認識させる『バイオフィルター』の文字を普通に書してなるものであるから、これをその指定商品に使用するときは、『バイオの働きによるフィルターを用いた商品』であるという単に商品の品質を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成前記のとおり「バイオフィルタ」の片仮名文字を表してなるものであるところ、「バイオ」と「フィルタ」の各文字を組み合わせてなるものと容易に理解させるものである。
ところで、「バイオ」の文字は、例えば、株式会社岩波書店発行の「広辞苑第五版」には、「生体・生物体・生物などを意味する接頭語。」との記載、また、「フィルタ」の文字は、例えば、財団法人日本規格協会発行の「JIS用語辞典II機械編」の「フィルタ」の349頁をみると英語「filter」であることが認められることから、フィルター」と同義語と認めるのが相当であって、前出の「広辞苑第五版」の「フィルター(filter)」には、「▲1▼濾過器。濾過装置。....」との記載が認められる。
そして、「バイオフィルタ」の文字について一般の日刊新聞掲載記事をみるに、「1985年11月20日付日経産業新聞」の3頁には、「ホテイアオイで有害物質を除去、西部ガス総研が研究。」の見出しのもと「【福岡】西部ガス総合研究所(金丸利寿所長)が浮き草のホテイアオイを使い、工場廃液に混じっている重金属など有害物質を除去するバイオフィルター作りを進めている。....」との記載、「1991年11月14日付日経産業新聞」の2頁には、「チバ・ガイギー、大気汚染防止を強化−NOxフィルターなど開発(環境)」との見出しのもと「....窒素酸化物(NO=)の排出を大幅に抑制できる特殊なフィルターの開発に成功、このフィルターを組み入れた焼却システムを九五年に稼働させるほか、汚水などから生じる大気汚染物質を微生物で除去するバイオフィルターを改良し、各工場に設置する。....バイオフィルターはあるバクテリアを含んでおり、汚水などから蒸発したさまざまな有害物質を送り込むとバクテリアがこれを分解し空気を浄化する。すでに医薬品や除草剤を生産するスイス国内のカイステン、シュバイツァーハレ両工場で同フィルターを組み入れた汚水処理施設が稼働している。....」との記載、「1992年8月11日付朝日新聞の夕刊」の9頁には、「海草で水槽の海水浄化 汚染源を光合成で 名古屋港水族館【名古屋】」の見出しのもと「....海草などを使って水槽の汚れた水を浄化する『バイオフィルター』を国内で初めて設置した。....バイオフィルターは、海草が植えてあるスクリーンや、バクテリアの入った砂を通してこれらを除去する方法。....」との記載、「1993年11月5日付日刊工業新聞」の4頁には、「進むフランスの廃棄物処理(下)水処理で最新設備駆使。車、パソコンのリサイクル」の見出しのもと「....まず家庭排水から十ミリメートル以上の異物と油を取り除き、沈殿槽に導入して沈殿物を除去。次いで上澄み液を中性にし、排水中の有機物を微生物分解する。その後、バイオフィルターで微生物を除去、....」との記載が認められる。
さらに、いわゆるインターネットで情報を公開しているサイトをみると、「バイオニック・フィルターの力ですばやく消臭・抗菌/花粉症の人にも朗報!」の題のもと「■バイオの力で消臭・抗菌....フィルターに加工された天然成分が空気中、水中に拡散しながら悪臭分子を包摂、すばやく中和・分解しニオイをもとから絶ち、生活空間を清浄化します。■さまざまな用途にお応えできるバイオフィルターのラインナップ....(4)水中用フィルター....」との紹介が認められる。
以上のことよりすれば、バイオ(浮き草のホテイアオイ、微生物、海草)の力を利用したフィルターを使用して、汚染物質を除去したり汚れた水の浄化ができるという事実を認めることができる。
そうとすれば、本願商標を構成する「バイオフィルタ」の文字は、「バイオフィルター」を容易に認識させるといえるから、かかる本願商標をその指定商品に使用した場合、上記の事実からして、これに接する取引者、需要者は、バイオの働きを利用したフィルターを用いた商品であると理解するに止まるというのが相当であるから、結局、本願商標は商品の品質、機能を表示したものであって、自他商品の識別機能を有さないものといえるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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