sokuhyo

Trademark Appeal Case

ホメオパシー商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−4083(T2001−4083/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

この出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、「Homoeopathy」の文字を横書きしてなり(標準文字による商標)、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定して、平成11年9月27日に登録出願、その後、指定役務については、平成12年10月10日、平成13年4月19日及び平成13年11月26日付の3回に亘る手続補正書により、最終的に「ホメオパシーに関する知識の教授,ホメオパシーに関するセミナーの企画・運営又は開催」とする補正がされたものである。なお、平成13年4月19日付手続補正書による補正については、当審において、平成13年10月16日付をもって、要旨変更を理由とする補正却下の決定がされたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『Homoeopathy』の欧文字を書してなるものであるが、該語(表音「ホメオパシー」)は、いわゆる治療の方法の一形態であり、『元来人間に備わった治癒能力を最大限に引き出そうとする治療方法』『同種療法』を表すものとして使用されているものであるから、これを本願指定役務に使用するときは、かかる役務が『ホメオパシーに関する役務』であることを認識させるものであり、役務の質・提供方法を表示するものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、更に前述手続補正書により減縮補正された指定役務についてもなお、役務の質・提供方法を表示するものである旨判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、前記したとおり、「Homoeopathy」の欧文字よりなるところ、該文字(語)からは、古くから伝わる民間療法の一種である「同種療法又は同毒療法」を意味する語であることは、以下の医療又は医学関連分野の書物又は一般的な用語辞典類の当該記載に照らしこれを認めることができる。

(ア)「医学大事典」(1982年4月1日株式会社南山堂発行)の「ホメオパシー」の説明によれば、「[英homeopathy、homoeopathy、独仏Homoeopathie](同毒療法、類似治療法)古くから凍傷には氷、火傷に熱、下痢に下剤というように、傷害と同類の現象を治療に用いるという考えがあったが、S.Hahnemann(1755−1843)はこれを体系化し、生体の病的反応と同様の反応を起こす薬物を探し、これを極度に希釈した濃度で使用することによって病気を治療する方法を提案し民間療法として一時広く用いられた。たとえば、胆石症の症状は亜鉛の毒作用と似ているし、亜鉛と肝臓とは関係があるとして微量の亜鉛を用いて治療するの類である。その量は1mgの1/10〜1/100程度である。」との記述内容が掲載されていること。

(イ)「廣川薬科大事典第2版薬科学大辞典編集委員会編」(1990 東京廣川書店発行)の「ホメオパシー薬剤」の説明によれば、「ホメオパシー療法に用いられる医薬品、ホメオパシーとは類似治療法又は同種療法ともいわれ生体の病的反応を起こす薬物を探し、これを極度に希釈した濃度で使用することによって病気を治療する方法」との記述内容が掲載されていること。

(ウ)「現代用語の基礎知識2001」(自由国民社発行)のカタカナ・外来語/略語の欄には、「ホメオパシー(homeopathy)類似療法。同種療法。健康な人に与えれば疾患を起こさせる薬物を微量与えて治療する。」との記載がされていること。

(エ)「カタカナ・略語辞典」(1996年1月10日株式会社旺文社発行)の「ホメオパシー」の説明によれば、症状と同じような現象を治療に役立てようという19世紀の民間治療法。下痢には下剤、凍傷に氷、という古くからの民間療法を押し進め、病状と同じ病的反応を起こす薬物をごく少量与えることによって治療すること。ホメオパチー」との記述内容が掲載されていること。

(2)また、この種療法が、我が国医療社会の一定分野において取り入れられ、又は一般に普及されている状況は以下の一般新聞又は関連業界に係わるインターネットホームページ情報より、これを認めることができる。

(a)「1993.09.05付朝日新聞東京朝刊」には、[特集]93年国際薬学会議/5止 高まる漢方医学への期待 ◇日本には3つの流れーーシンポジウム「古くて新しい伝統薬」現在、日本の漢方医学には三つの流れがある。・・・日本人の高齢化が急速に進んでいる現代にあって、漢方医学への期待はますます高まっていく。・・・ベルナー氏(ハンガリー園芸食品工業大学教授)は「ヨーロッパにおける伝統薬」と題してその歴史と役割について話す。水治療法、ミネラル療法、アロマセラピー、ホメオパシー、植物療法なども解説される予定だ。・・・後略。

(b)「2001.08.22付読売新聞東京朝刊」には、[生活スコープ]ワイド版「代替医療」高まる関心 医療関係者も勉強会 ◆ハーブ・整体・アロマテラピー...「選択肢の一つ」効果期待。・・・◇代替医療の種類(日本代替・相補・伝統医療連合会議まとめ)【伝統医学】漢方、鍼・きゅう、ユナニ(ギリシャ)、アーユルヴェーダ(インド)、チベット医学、ホメオパシー、自然療法、温泉療法、・・・後略。

(c)インターネットホームページ(http://homepage1.nifty.com/angels_garden/homoeo02.htm)には、「ホメオパシーとは、ドイツの医学者サミュエル・ハーネマン(1755〜1843)が、1976年、医学誌【ヒューヘランズ・ジャーナル Hyufeland's journal】に『新しい創造的な基本原理』を『ホメオパシー』という言葉を使って紹介したのが始まりです。日本語では同種療法、類似療法と訳されます。”類をもって類を癒す”という原理、つまり似たものが似たものを治すということです。これは体に害を及ぼす物質は、同じにごく微量、つまり安全な量を与えるなら、病を癒す力も備えている事を意味します。」との記載あり。

(d)インターネットホームページ(http://www.d5.dion.ne.jp/~y-nomori/homoeopathy/h-opathy.html)には、「<ホメオパシーとは> ■1796年、ドイツの医師サミュエル・ハーネマンは、従来とは異なる病気へのアプローチを発見し、これを『ホメオパシー』と名付けました。[同じようなもの]と[医療、病気、苦しみ]という意味のギリシャ語を組み合わせた造語です。日本語では『同種療法』と訳します。 ■ハーネマンは、ヒポクラテスと同じように、病気を治療するには、同種の方法と逆の方法という、2つの方法があることを発見しました。」との記載あり。

(3)以上の(1)及び(2)の認定によれば、本願商標(「Homoeopathy」)は、前記意味合いの医療用語として容易に認識・理解されるものであり、かつ、その効果・効能等について各方面においていろいろと研究され、伝播されている状況にあることが充分窺える。

そうとすれば、本願商標をその指定役務について使用した場合、これに接する需要者は、前記事情よりして「同種療法(ホメオパシー)」に関し、その効能・効果等を伝播(講釈)し、又はその企画に当たること、すなわち、該役務の質(内容)を表示したものとして理解するに止まり、自他役務の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。

(4)請求人は、「Homoeopathy」が、一般に周知でないから、指定役務に使用しても、その役務の質を認識させるとは到底思われない旨述べているが、前記各事情に照らし、我が国の医学関連分野において、格別特異なものではなく、「同種療法(ホメオパシー)」を意味する一般的な用語であるとする前記認定を相当とするから、その主張は妥当でなく、採用することはできない。

(5)結論

以上のとおり、本願商標は商標法第3条第1項第3号及に該当するものといわざるを得ないから、これと同旨の理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

なお、原査定が本願商標の拒絶理由とした同法第4条第1項第16号該当については、上記最終的にされた手続補正書による指定役務の補正があった結果、その理由をもってしては本願を拒絶すべきものとすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。