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Trademark Appeal Case

商標不使用取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第31155号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2312608号商標の指定商品中「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具」については、その登録を取り消すこととし、「測定機械器具」についての請求は、これを却下する。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2312608号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和63年8月22日登録出願、商標の構成を「パル」の片仮名文字とし、指定商品を平成3年9月25日政令第299号による改正前の商標法施行令第1条に基づく商品の区分(以下「旧区分」という。)第10類「歯科用機械器具、その他本類に属する商品(ただし、測定機械器具を除く)」として、平成3年6月28日に設定の登録がされ、該商標権は、同13年7月31日に存続期間の更新登録がされているものである。

2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により本件商標の指定商品中「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証の1及び同2並びに資料1ないし同4を提出するとともに、本審判請求書の請求人住所について手続補正書を提出した。

(1)本件商標の不使用について

請求人の調査によると、本件商標は、指定商品中「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」について過去3年間使用された事実が認められず、また当該不使用につき正当な理由も発見できないので、商標法第50条第1項の規定に基づき、その指定商品中前記商品について登録を取り消されるべきものである。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

被請求人は、本件請求人「株式会社立山アールアンドディ」が請求書記載の住所地において存在しない旨主張している。

ところで、請求書中、請求人住所として記載した「富山県上新川郡大山町下番30番地」には、立山科学グループの統合した活動拠点としての社屋があり、本件請求人は立山科学グループの傘下企業の一社である(資料1及び資料2)。そして前記住所の所在地の社屋では、立山科学グループ全般にわたる経理及び総務関係の業務が集約してなされており、且つ立山科学グループ傘下企業(8社)の取締役会議も統合して行っている。

したがって、「富山県上新川郡大山町下番30番地」は株式会社立山アールアンドディの業務の一部を継続的に遂行している社屋の建っている場所である。

しかしながら、株式会社立山アールアンドディの商号登記簿上の本店所在地は「富山市大泉1583番地」となっているので、その住所に合致させるべく本件請求人の住所をその旨補正する(資料3)。尚、立山科学グループのリーダーである立山科学工業株式会社の本店住所も請求人と同様に「富山市大泉1583番地」であることを付言する(資料4)。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は却下する、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、資料1を提出した。

本件請求人たる「株式会社立山アールアンドデイ」は、調査の結果、その住所地における同名会社が発見できない。よって、本件請求は不適法な審判請求であるから、特許法第135条の規定(商標法第56条において準用)により却下されるべきである。

4 当審の判断

(1)審判請求人の住所に関する過誤表示について

本件審判の請求に対して、被請求人は、請求書記載の請求人「株式会社立山アールアンドディ」なる会社がその住所地に不存在であることを理由に本件請求の不適法を主張しているので、先ず、この点について判断する。

この被請求人主張に対して、請求人は、平成12年2月24日付「答弁書に対する弁駁書」において、請求人会社「株式会社立山アールアンドディ」(以下「請求人会社」という。)は立山科学グループと称する事業グループ傘下の一企業であって、偶々、それらグループの経理・総務業務の所在地を本件審判請求書の請求人住所欄に記載してしまった過誤があった旨述べ、その住所地を登記簿上の住所地に改めるべく審判請求書に関し手続補正書を提出するとともに、会社登記簿等当該事情に関する資料(資料1ないし同4)を提出したものである。

しかして、請求人提出の会社登記簿等当該事情に関する資料並びに前記補正手続により請求人住所に関する過誤については適正に治癒されたものというべく、本件審判の請求は適法なものといわなければならない。そして、この事情について、弁駁書副本の送付通知(平成12年8月11日発送)を行ったところ、被請求人は、何ら答弁又は意見を述べていない。

してみれば、本件審判の請求についてその不適法を述べる被請求人の主張は、もはやその理由を失ったものであるから、これを理由に本件請求を却下することはできない。

(2)本件商標の使用の有無について

商標法第50条による取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該登録商標を使用していることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取り消しを免れないものと解される。

これを本件についてみるに、被請求人は、請求人より提出された前記補正手続を含む弁駁書に対して何ら応答するところはなく、事実上、本件審判の請求についてすでにその適法性を容認しているにも拘わらず、その後、相当期間を経過した現在に至るも未だ本件審判請求に対して実質的な答弁をせず、本件商標の使用に関する主張・立証を全く行っていない。

してみれば、被請求人は、本件商標の使用についてその主張・立証を事実上放棄したものといわざるを得ない。したがって、本件商標は、この限りにおいてその登録の取消を免れない。

(3)取消対象商品の過誤について

本件審判における取消対象商品は、本件商標の指定商品中の「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」とすることは前記2(請求人の主張)に示すとおりである。しかしながら、本件商標は、前記1に示すとおり、その指定商品を旧区分第10類「歯科用機械器具、その他本類に属する商品(ただし、測定機械器具を除く)」とするものであって、その指定商品中に「測定機械器具」を含むものでないことが明らかである(但し、本件商標がその指定商品中に「理化学機械器具」「光学機械器具」「写真機械器具」「映画機械器具」の各商品を含むものであることは、旧区分の構成並びに同第10類所属の商品の例示等よりして、これを認めることができる。)。

そうすると、本件審判の請求は、元々、本件商標の指定商品中に存しない商品までも取消対象商品とした点において不適切なものといわざるを得ない。したがって、この部分について取消を求める請求は却下すべきである。

(4)結論

以上のとおり、本件審判の請求は、その取消対象とする商品の記載において一部適切さを欠くものではあるが、請求自体は適法といえるものである。そして、これに対して、被請求人は本件商標の使用に関する主張・立証を怠ったものである。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具」については、これを取り消すべきものとし、その余の取消請求に係る商品(「測定機械器具」)についての請求は、これを却下すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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