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Trademark Appeal Case

品種名商標の識別性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第19576号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

この出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、「巨峰」の文字を横書きしてなり(標準文字による商標)、願書記載の商品区分第16類、第17類、第20類、第21類及び第22類に属する商品を指定商品として平成10年12月3日に登録出願され、その後、指定商品については当審において提出した平成11年12月6日付けの手続補正書をもって第16類「紙類,紙製包装用容器,荷札,印刷物」とする補正がされたものである。

2 当審における拒絶の理由

当審において、請求人(出願人)に対して示した本願商標の新たな拒絶の理由(平成12年11月2日付け通知)は次のとおりである。

本願商標は、「巨峰」の文字からなり、第16類「紙類,紙製包装用容器,荷札,印刷物」を指定商品とするものであるところ、「巨峰」の語は、ぶどうの一品種名として広く知られているものであるから、これを指定商品中の「巨峰または巨峰を原料とする製品用の紙製包装用容器」に使用する場合は、容器が巨峰用または巨峰を原料とする製品用であることを表示するにすぎないものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の「紙製包装用容器」について使用をするときには、商品の品質(用途)の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

3 請求人の意見

請求人は、上記2の拒絶の理由の通知に対し、平成12年12月22日付けの意見書において次のように意見を述べた。

(1)本願商標がぶどうの一品種名と同一であるとしても、これを「紙製包装容器」に使用したとしても、商品の品質の誤認が現実に生ずるかについては疑問を抱く。本願商標は、「ぶどう又はぶどうの加工品」に関しては品種名としてすぐに受け取られるが、それ以外においては、その構成する漢字から「大きな山の頂き」というイメージも生じる可能性が残される。したがって、ぶどうの品種以外のイメージの広がりが漠然としてであっても認められる限り、自他識別標識として機能し、商標として登録され得るものといえる。

(2)「巨峰/キョホー」からなる登録商標が包装用容器を指定商品として昭和41年に登録された事実、リンゴの品種を示す「紅玉」を始め、野菜や果物の一般名称からなる商標が紙製包装用容器を含む商品を指定商品として登録されていることよりすれば、本願商標も同様に登録すべきである。

4 当審の判断

本願商標は、「巨峰」の文字よりなるところ、該文字は、ぶどうの一品種名を指称する語として広く一般に知られているものである。

ところで、ぶどうや桃等の果物を包装する場合、一般に当該果物専用の包装容器(紙箱)が用いられていて、特に「巨峰」(ぶどう)等の高級な果物の場合、贈答用や個別包装用など専用の容器(紙箱)に包装されて取り扱われ、販売されているのが実情であって、包装用容器は、当該果物の流通過程において不可欠、かつ、密接に関連するものといわなければならない。

そうすると、本願商標をその指定商品中の「果物用ないしぶどう用包装用紙、同紙製包装用容器」に係るカタログや取り引き書類等に使用する場合、これに接する取引者・需要者は、前記事情よりして、巨峰(ぶどう)専用に誂えたものの如く、その商品の品質(用途)を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別機能とは認識し得ないものといわなければならない。また、そうとすれば、本願商標を巨峰用以外の前記指定商品に使用する場合は、商品の品質(用途)について誤認を生ずるおそれがある。

してみれば、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するといわざるを得ない。

請求人は、本願商標は、果物の一品種を示すほか、「大きな山の頂き」の如き漠然としたイメージも生ずるから自他商品の識別力を有するものであるとし、また、過去の品種名に関わる登録例を引用して本願商標の登録適格性を主張しているが、本願商標を構成する「巨峰」の文字は、元々、件外第三者に係るぶどうの品種名(又は商標)に由来することは、国語辞典類等の記載に照らし明らかであり、また、これと当該包装用容器が密接に関連すること前記のとおりであって、特にこの種包装用資材は専門業者間に流通するいわば中間商品であること、すなわち、その用途向き又は専門性が取引上の主要な目安とされる商品といえるから、これら取引の実情を併せ考慮するに、当該包装用容器についてその用途・品質表示であるとした前記認定を相当とすべきである。また、請求人の引用する登録例は、当該構成文字が品種名以外の意味合いを有するもの、或いは商標の構成態様において、本願商標とは事案を異にするものであるから、それら事例を本件の登録の有無を判断する基準とするのは必ずしも適切でなく、したがって、請求人の主張は採用できない。

よって、結論のとおり審決する。

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