Trademark Appeal Case
長音と母音の称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第7991号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、平成8年12月24日登録出願され、その後指定商品については、平成10年10月21日付け手続補正書により「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」と補正されたものである。
2.原審の拒絶理由
原査定において、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第783973号商標(以下「引用商標」という。)は、「テースター」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和42年4月3日登録出願、第29類「茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」を指定商品として、昭和43年6月19日に設定登録され、その後昭和53年10月2日、平成2年5月23日及び同10年7月14日の三回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされているものである。
3.当審の判断
本願商標は、別掲に示すとおり人物の図形と、該図形を黒塗りの二重の円で囲み、その黒塗りの二重の円内に白抜き文字で「TASTER」の欧文字を円弧状に6回繰り返してなるものであるところ、これらの図形と文字部分とは常に一体不可分のものとしてのみ把握する特段の事情も認められず、黒塗りの二重の円内に白抜きで記載された「TASTER」の文字が浮き出して、顕著に印象づけられるものであって、視覚上も分離独立して認識されるから、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「TASTER」の文字に着目し、該文字部分をもって取引にあたる場合も決してすくなくないものといわなければならない。
そうとすれば、本願商標は、「TASTER」の文字部分に相応して「テイスター」の称呼、「味見をする人」の観念を生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、「テースター」の文字を書してなるから、その構成文字に相応して、「テースター」の称呼を生ずること明らかである。
また、引用商標は、特定の観念は生じないものと認められる。
そこで、本願商標から生ずる「テイスター」の称呼と引用商標から生ずる「テースター」の称呼を比較すると、両称呼は共に5音構成(長音を含む)からなるところ、「テ」「スター」の各音を同じくし、異なるところは第2音の「イ」と「テ」の帯同する「ー(長音)」の差異にすぎない。
しかして、これらの帯同する「ー(長音)」は、一方の差異音「イ」の音と共に声帯を振動させて発する開放音で音質が近似したものであるばかりでなく、「イ」音は前音「テ」の母音「エ」とともに「エイ」と二重母音となる関係上、転化して前音「エ」の長音として発音される場合が少なくない。
そうとすれば、本願商標の「イ」と引用商標の「ー(長音)」とは、前音「テ」が強音であることから弱く聴取されるものであり、いずれも前音「テ」に吸収されやすい音であるから、これらの差異が全体に及ぼす影響は少ないものというべきであって、その称呼において、酷似しているものであり、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、両商標は語調語感が相似たものとなって彼此聞き誤るおそれのあるものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、引用商標が特定の意味を生じないので観念については比較することができないが、その称呼において類似する商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似するものであるから、結局、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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