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Trademark Appeal Case

教科書題号の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第15824号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に表示したとおり、「新しい技術・家庭」の文字を書してなり、第16類「紙類,雑誌,新聞,教科書,学習参考書,学習問題集,学習練習帳,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,製図用具,タイプライター,輪転謄写機」を指定商品として、平成8年10月15日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、その指定商品中の『教科書』『学習参考書』『学習問題集』『学習練習帳』について使用するときは、単に、商品の内容、用途、品質を表すにすぎないものと認める。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。」として、その出願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり、「新しい技術・家庭」の文字を書してなるものである。そして、これを本願の指定商品中の「教科書」及び「学習参考書、学習問題集、学習練習帳」(以下、「参考書等」という。)について使用するときは、技術・家庭科の教科書あるいは参考書等の題号であって、その教科書あるいは参考書等の内容が新しいことを示すものとのみ、取引者、需要者に理解されるものと認められ、自他商品の識別を可能にする標章部分を有していない。

請求人は、教科書は、教科書検定に合わせて定期的に発行される印刷物であり、また、その内容も固定的でなく、発行されるたびに変化し、一定の特定の内容を有しない印刷物であるから、その題号は雑誌や新聞の題号と同様に、著作物としての内容を表現するものでなく、自他商品を識別する機能を有する旨主張し、教科書の内容に合わせた参考書等についても同様に主張する。

しかし、検定に合わせて教科書が定期的に発行され、また、発行のたびに内容の改訂があるとしても、技術・家庭科の教科書であれば、技術・家庭科の教育の目的にかなう内容のもののみが採用収録されることは明らかであって、それ以外のものは収録されないといえるから、種々の分野の記事が合わせて掲載されるのが通常である雑誌や新聞と、教科書(教科書の内容に合わせた参考書等についても同様)とを同列に考えて無条件に教科書、参考書等の題号が商品の内容を示すものでなく、自他商品の識別機能があるとすることはできないから、この点の請求人の主張は採用できない。

また、請求人は、教科書(教科書の内容に合わせた参考書等についても同様)については、毎年出版される膨大な量の教科書、参考書等を識別するために、そのタイトル(題号)即ち商標は、非常に重要な識別要素となっており、その意味で教科書業界において、教科書、参考書等のタイトル(題号)は、商品を識別する商標とし正に機能している旨、また、この商標の識別力を認めず、登録しないことは、他人が同一類似の教科書、参考書等のタイトルを使用することを容認する結果となり、かえって業界に混乱を生じ、健全な流通取引秩序の維持を図る商標法の精神に反する結果となる旨主張する。

しかし、本願商標は、前記のとおり、技術・家庭科の教科書あるいは参考書等の題号と理解されるものであり、自他商品の識別を可能にする標章部分を有していないから、取引者、需要者に出所標識としての商標とは認識されえないというのが相当である。また、たとえ、内容を示しているにすぎない教科書、参考書等のタイトル(題号)によって、事実上、教科書、参考書等が識別される場合があるとしても、教科書、参考書等のタイトル(題号)については、どのようなものでも無条件で一般的に識別力があるとまで判断することはできない。したがって、この点の請求人の主張も採用できない。

そうしてみると、本願商標は、これをその指定商品中の「教科書」及び「参考書等」について使用するときは、商品の品質(内容)を表示するものというべきであって、自他商品の識別機能を果たしえないものである。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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