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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35683(T2000−35683/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4388211号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4388211号商標(以下「本件商標」という。)は、「LOOSE CANNON」(「標準文字」による)の文字を書してなり、1998年3月10日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約による優先権を主張して、平成10年8月10日に登録出願、第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた磁気ディスクおよびその他の記憶媒体,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同12年6月2日に設定登録されたものである。

第2 請求人の引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第473674号の1商標は、後掲に示すとおりの構成よりなり、昭和30年2月21日に登録出願、第69類「電気露出計、写真用電気発光器、写真用閃光電球、その他本類に属する商品。」を指定商品として、同30年11月30日に設定登録、その後、同39年3月18日に分割移転登録があった結果、指定商品を「電気露出計、写真用電気発光器、写真用閃光電球、その他本類に属する商品、但し、回転電気機械,配電用又は制御用機械器具、電球類および照明器具、電池、電線、ケーブル及び電気材料を除く。」とされ、その後、同51年1月13日、同60年12月23日及び平成8年2月28日の3回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされたものである。同じく、登録第399427号の1商標は、「Canon」の欧文字を横書きしてなり、昭和24年9月22日に登録出願、第69類「電気露出計、写真用電気発光器、写真用閃光電球、その他電気機械器具及びその各部並びに電気絶縁材料。」を指定商品として、同26年6月9日に設定登録、その後、同39年3月18日に分割移転登録があった結果、指定商品を「電気露出計、写真用電気発光器、写真用閃光電球、その他電気機械器具及びその各部並に電気絶縁材料、但し、回転電気機械,配電用又は制御用機械器具、電球類および照明器具、電池、電線、ケーブル及び電気材料を除く。」とされ、その後、同46年10月8日、同56年6月30日、平成3年9月27日及び同平成13年6月19日の4回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされたものである。同じく、登録第2377221号商標は、「CANON」の欧文字を横書きしてなり、平成元年1月31日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)、電気材料」を指定商品として、同4年2月28日に設定登録がなされたものである。同じく、登録第4065492号商標(以下、これらを一括して「引用商標」という。)は、「Canon」の欧文字を横書きしてなり、平成8年1月12日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク及び磁気テープ,その他の電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウェットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、同9年10月3日に設定登録がなされたものである。

第3 請求人の主張

1 請求の趣旨

結論同旨の審決を求める。

2 請求の理由

請求人は、請求の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証乃至甲第38号証(枝番号含む。)を提出している。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「LOOSE CANNON」と横書きしてなるものであるところ、本件商標はその構成上、常に一体不可分に称呼、観念されるべき特段の事情もないものであるから、自然と分離考察されうるものである。したがって、本件商標からは「LOOSE CANNON」の文字部分に照応した「ルースキャノン」の称呼の他、単に「CANNON」の文字部分に照応した「キャノン」の称呼、「大砲」の観念をも生じるものである。

即ち、本件商標は「LOOSE」と「CANNON」との間に1文字程度の間隔を有するものであり、「LOOSE」と「CANNON」とに容易に分離されうる構成である。

したがって、簡易迅速を尊ぶ取引業界においては、「ルースキャノン」の他、単に「CANNON」の文字部分のみに照応した「キャノン」の称呼をもって実際の取引きに当たることも少なくないものと認められる。

さらには、「LOOSE CANNON」全体で一体の熟語を形成するものでもないから、「LOOSE」と「CANNON」の観念上の結びつきも貧弱であるといわざるを得ない。

したがって、本件商標からは「ルースキャノン」の他に、単に「キャノン」の称呼、「大砲」の観念をも生じるものである。

一方、引用商標は上記及び別記に示すとおり、欧文字にて「Canon」「CANON」と横書きしてなるものであり、いずれも当該文字部分に照応した「キャノン」の称呼が生じること明らかである。

加えて、引用商標中、商標登録第473674号の1は、別記に示すとおり、大砲の図形と「Canon」の文字との組み合わせよりなるものであるから、当該商標からは大砲の図形に照応した「大砲」の観念が生ずるものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは「キャノン」の称呼を共通にする称呼上類似の商標であり、引用商標中登録第473674号の1とは「大砲」の観念を共通にする類似の商標である。

また、本件商標と引用商標の指定商品も同一又は類似するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第8号について

本件商標は、欧文字にて「LOOSE CANNON」と横書きしたものであるが、同商標は、請求人英文商号の著名な略称である「Canon」と同一称呼を生じる「CANNON」の文字を含むものである。

請求人の商号は「キヤノン株式会社」、英文名「CANON INC」であり、その略称「キヤノン」「CANON」は、請求人の商号の略称として取引者、需要者間に著名なものとなっているものである。

従って、本件商標は請求人の商号の著名な略称を含む商標と認められるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第15号について

「キヤノン」「Canon」の標章、並びにこれより生ずる「キャノン」の称呼は、現に取り扱っている商品または役務の範囲を超えて著名であるので、「キャノン」と同一称呼を生じる「Cannon」の文字が含まれている本件商標をその指定商品に使用するときは、需要者・取引者は、請求人あるいはその関連グループ企業の業務に係る商品であるかの如くその出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号にも該当する。

(4)以上の通りであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第8号及び同第15号に該当し、同法第46条第1項第1号により無効にすべきものである。

第4 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁していない。

第5 当審の判断

1 請求人である「キャノン株式会社」は、昭和12年「精機光学工業株式会社」創立以来「キャノン」のブランドを採択し、商品「カメラ」の販売を開始し、その後、キャノンブランドが広く知れ渡るようになったので、昭和22年「キャノンカメラ株式会社」に改称し、「カメラ」のほかに「マイクロフィルムシステム」「電子式計算機」「電子複写機」等の分野に進出し、商号も昭和44年に「キャノン株式会社」変更するに至ったものである。

そして、請求人は、「キャノン」「Canon」のブランドのもとに業務を拡大し、今日では、「キャノン販売株式会社」等の数多くの子会社、関連会社をを傘下にする我が国有数の大企業であって、その取り扱う商品も相当多岐にわたっているものであることは、請求人が述べるまでもなく、顕著な事実である。

また、引用商標は、請求人が盛大に使用した結果、請求人の業務に係る商品を表すものとして、取引者、需要者の間に広く認識されているものと認め得るところである。

2 ところで、本件商標は、「だぶだぶする、ゆったりした」の意味の英語「LOOSE」の文字と「大砲」の意味の英語「CANNON」の文字とを連綴してなる「LOOSE CANNON」の欧文字よりなるものであるところ、観念において強い結合状態がある等、これを常に一体のものとし把握しなければならない特段の理由は見当たらない。

そして、構成中の「CANNON」の文字は、我が国英語教育の普及の度合いに照らして、「キャノン」と称呼されるものであると認められる。

他方、引用商標は、「キャノン」と称呼されるものであること明らかである。

してみれば、本件商標は、その構成中に、請求人の著名商標「キャノン」「Canon」と称呼上類似する「CANNON」の文字を含むものであって、その指定商品も、請求人の業務に係る商品と同一又は類似するものである。

以上の事実を総合すれば、本件商標は、出願の時に、本件商標をその指定商品について使用した場合、請求人又は請求人と何らかの関係にある者によって取り扱われている商品であるかの如く商品の出所について混同を生ずるおそれが既にあったものであって、査定時においても、同様に、商品の出所について混同を生ずるおそれがあったというを相当とする。

3 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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