結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35248号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第3263939号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成6年2月22日に登録出願され、第25類「履物」を指定商品として、同9年2月24日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の無効の理由に引用する登録第3157724号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成4年12月21日に登録出願され、第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、同8年5月31日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第4号証を提出した。
(1)請求の理由
(イ)請求の利益について
請求人は、靴類の卸売を主たる業務とするものであり、平成10年1月22日付にて商標登録出願(平成10年商標登録願第4608号)(甲第1号証)をしたところ、今般、本件商標を引用例とする平成11年4月16日(発送日)付け拒絶理由通知書(甲第2号証)の送達を受けたものであり、本件審判請求につき、利害関係を有するものであること明らかである。
(ロ)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、「円形輪郭線の中央に濃い黒塗りの十字形を配し、該十字形の上に人間の足首から先をおもわせる足の線図形を重ねて配して成る図形」である。
これに対して、引用商標は「円形輪郭線の中央に薄い黒塗りの十字形を配し、該十字形の上に人間の足首から先をおもわせる足の線図形を重ねて配して成る図形」と、該図形の右側に輪郭線にて表した「足と靴の科学研究所」なる各文字を配置して成る結合商標である。そして、該図形部分と該文字部分は、商標として各別に顕著性を有すること明らかである。
そこで、本件商標と引用商標の図形部分を比較するに、両者は十字形の黒色の濃淡を除いて、全くの同一の構成態様からなるものであり、前記十字形の黒色の濃淡という相違は、社会通念上同一と認められる範囲内にあるものといえる。
依って、本件商標と引用商標の図形部分は外観において同一といえるものであり、両商標が外観上、類似するものであること明らかである。
そして、本件商標にかかる指定商品・第25類「履物」と、引用商標の指定商品中、第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類」とは、同一の商品となるものであるから、両者の指定商品が抵触すること、明白である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定により、無効にすべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
(イ)被請求人は、請求人が本件商標の無効理由として引用した引用商標は、商標法第4条第1項第10号又は同第15号の規定に違反して登録されたものであり、同法第46条第1項第1号の規定による無効理由を有するものであって、無効審判請求の準備を進めていると主張している。しかしながら、被請求人は、その主張を裏付ける証拠は何ら提出しておらず、引用商標が無効であることの立証はなされていない。
(ロ)また、被請求人は、引用商標に対してなされる無効審判における審決の確定をまって本件審判に対する審決をなすよう求め、当該無効審判の請求については、その進捗状況にしたがい上申する旨述べているが、請求人が電子データを検索したところでは、当該無効審判が請求された記録はない。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、また上申書を提出した。
(1)請求人は、本件商標は、引用商標と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号の規定により、無効にすべきものである旨主張している。しかしながら、被請求人は、以下に述べる理由により、請求人の主張を容認することはできないものである。
(2)本件商標の構成は願書に添付した商標を表示した書面より明らかなとおり、円形輪郭線の中央に薄い黒塗りの十字形を配し、該十字形の上に人間の足首から先をおもわせる足の線図形を重ねて配して成る図形である。
かかる本件商標は、昭和40年代半ば頃からドイツ国に所在のオーソペディシュー技術協会が採用する商標である。
一方、本件商標の商標権者である被請求人は、当該協会の正当な構成員であるが、本件商標に関し、我が国で権利を取得することについて許可を受け、及びその商標権の管理について、委託を受けたものである。勿論、本件標章の正当な権利者は、ドイツ本国におけるオーソペディシュー技術協会であるので、両者の契約に基づき当該商標権を返還する予定である。
また、本件商標は、オーソペディシュー技術協会若しくは協会構成員の業務を表示するものとして、ドイツ本国は勿論のこと、我が国においても、少なくとも、引用商標の出願時及び登録査定時である平成4年頃には、当業者間において広く知られており、現在に至っているものである。
かかる事実関係の下、引用商標は法第4条1項10号又は15号の規定に違反して登録されたものであることは明らかであるから、同業者である請求人は、オーソペディシュー技術協会の名声にフリーライドすることを目的として、引用商標を先取り的に我が国において出願したものと推察される。従って、引用商標自体、商標法第46条第1項第1号の規定による無効理由を有するものである。
また、このようにオーソペディシュー技術協会の許可を得ることなく無断で引用商標の商標権の取得を認めることは、オーソペディシュー技術協会が長年に渡り培ってきた業務上の信用を毀損し、ひいては需要者の利益を著しく害することにもなるものである。
したがって、被請求人並びにオーソペディシュー技術協会は、断固たる決意をもって、国際信義に惇るとも言うべき請求人の出願により権利化された引用商標に対しては、直ちに無効審判を請求して、これを遡及的に消滅させるべく、現在、その準備を進めている。
(3)上申の内容
(イ)平成13年5月17日付け
被請求人は、「本件審判については、平成12年11月13日付け提出の答弁書において、『引用商標』に対し無効審判を請求する旨、申し述べましたところ、その後、被請求人は、ドイツ本国のオーソペディシュー技術協会との間で連絡を取り合い、鋭意、上記無効審判請求の準備を進めております。しかしながら、何分遠隔地であるドイツ本国との連絡には相当の期間を要することに加え、現在、オーソペディシュー技術協会内部の人事改変の最中にあり、上記引用商標に対する無効審判の請求に必要な証拠書類の準備等には、もうしばらくの期間が必要な状況にあります」旨、上申した。
(ロ)平成14年2月7日付け
被請求人は、引用商標について、無効審判の請求を、さらに、今しばらくの猶予をして欲しい旨、上申した。
本件商標と引用商標とが類似するものであるか否かについて検討するに、本件商標は、円形輪郭線の中央に濃い黒塗りの太い十字形を配し、円形輪郭線より人間の足首から先をおもわせる線図形を円内に差し入れ、かつ、これが該十字形の上に白抜きに重ねられるようにして成る図形である。
これに対し、引用商標は、円形輪郭線の中央に薄い黒塗りの太い十字形を配し、円形輪郭線より人間の足首から先をおもわせる線図形を円内に差し入れ、かつ、これが該十字形の上に白抜きに重ねられるようにして成る図形と、該図形の右側に輪郭線にて枠取りして表した「足と靴の科学研究所」の文字を配置してなるものである。そして、図形部分と文字部分は、それぞれが自他商品の識別する機能を有するものといえる。
そうすると、本件商標と引用商標の図形部分は、十字形の黒色の濃淡を異にするにすぎない、同一の構成態様からなるものであり外観上類似するものであること明らかである。また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一または類似する商品を含むものと認められる。
してみれば、本件商標は、引用商標と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第46条第1項第1号により無効とすべきものである。
なお、被請求人は、本件審判について、その答弁書において「引用商標」に対し無効審判を請求する旨述べ、さらに、同審判請求に関し、もうしばらくの期間が必要な状況にある旨の上申を2回しているが、相当の期間が経過した今日に至るも未だ、その手続きがなされておらず、進展がないものであるから、これ以上、本件審判については遅延する理由はないものと認められるので審理を進めた。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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